「Extraordinary」は1999年のお蔵出しアルバム「The Vault... Old Friends 4 Sale」に収録されている曲です。古き良き音楽をベースにして、そこにプリンスの思いを込めて形にした、といった印象の曲で、系統としては先日取り上げた「Damn U」ともどこか似たものを感じさせます。ちなみに両曲は割と近い時期に作られており、「Damn U」は1992年1月、「Extraordinary」は1992年9月にベーシック録音がされています。また、「Extraordinary」は元々ロージー・ゲインズのソロプロジェクト用に書かれた曲で、彼女がボーカルを取ったバージョンも録音がされているらしいです。

さて、基本的な情報はこれくらいにしておきます。私はこの曲が大大大好きです。

この曲は何がそんなに違うのでしょうか?

・・・分かりません。

なぜ私はこの曲がこんなに好きなのでしょうか?

・・・分かりません。

いや、それは嘘です。本当は答えは分かっています。ただ上手く言葉にできないだけです。

People try 2 break us up
There were times a little rough
But we survived 'cos we had a love
人々は僕らを引き離そうとし
苦難の時も度々あった
だけど僕らは全てを乗り越えた
だって僕らには愛があったんだから

特にこのブリッジに入ってから曲が終わるまでの展開の美しさといったらありません。

段々畑とさよならしてミネアポリスまでやって来たマイテは、若いと誰からも心配されるけれども、「愛があるから 大丈夫なの」と気丈に振舞います。そして日が暮れ、ミネトンカの湖畔で夕波小波を眺める二人。

そんな情景が浮かび、胸がいっぱいになります。

少し違うものが混じっていますが気にしないことにします。私にとって、この曲はただのラブソングではありません。プリンスの特別な思いが刻まれた、とても大切な曲です。


この曲の雰囲気は、1960年代か70年代あたりの古き良き音楽を思い起こさせます。例えば作りがよく似ている曲に、ナタリー・コールの「Inseparable」(1975年) という曲があります。両者を聴き比べてみるのも面白いです。


Extraordinary
The love U make 2 me it's some kind of scary
I would be a fool 2 leave U 4 I was born 2 love U
This is true
格別の素晴らしさだよ
君が僕を愛してくれるということさ
何だか怖いと感じるくらいにね
僕は君から離れるなんて愚かなことはしない
だって僕は君を愛するために生まれたんだから
これは本当のことさ

Extraordinary
The way U make me feel
I'm so very glad it's real
And not a dream
Even though it seems I am dreaming
格別の素晴らしさだよ
君が僕をこんな気持ちにしてくれることさ
僕はとてもとても嬉しくなる
これが夢ではなくって現実だということに
まるで夢を見ているようにしか思えないのにね

People try 2 break us up
There were times a little rough
But we survived 'cos we had a love
人々は僕らを引き離そうとし
苦難の時も度々あった
だけど僕らは全てを乗り越えた
だって僕らには愛があったんだから

Extraordinary
I'd give the world 2 U
Each and every thing U do is so very nice
U make my clock tick 12 twice
Then disappear time and everything else
When U are near
Extraordinary
格別の素晴らしさだよ
僕は君に世界だってあげたい
君がしてくれることは何だってとても素敵さ
僕の時計は12時を2回刻むよ
そして時間も何もかも消し去ってしまう
君が僕の傍にいるとね
格別の素晴らしさだよ