はじめに
プリンス (本名 Prince Rogers Nelson、1958年6月7日 - 2016年4月21日) はアメリカのミュージシャンです。残念ながら日本ではあまり知られていません。「この人があまり知られていないなんて世の中おかしい」と思って、最初、プリンスがどんな人なのか簡単に紹介する文章を書こうとしたのですが、この人について簡潔にまとめるのは私には無理だということに気付き、断念しました。
実を言うと、私はあまり熱心に音楽を聴くタイプではありません。特にここ10年程は、私はプリンスからさえも少し遠ざかった状態でした。その背景のひとつには、日本ではプリンスの情報が掴みにくくなっていったこともあります。しかしそれ以上に、私には漠然と、熱心に追い掛けなくても、プリンスはいつだって向こうから面白いメッセージを届けてくれる、という考えがありました。
「何をするかは分からないけれど、プリンスはびっくりするような面白いことをやってくれる」
それは漠然とした期待であり、しかし、同時に確信でもありました。
私が個人的にプリンスに関して特徴的だと思うのは、音楽評論家達のフィルターに通されると、しばしばプリンスはプリンスではない別のモノに変化してしまうことです。プリンスを批評することは化石を発掘するのと似ています。プリンスの一部を批評しても、それは化石の骨を一本だけ発見して喜んでいるようなもので、それがどんな生き物であるかは殆ど分かりません。そして何よりも、いざ音楽評論家達の批評をかき集めて足し合わせていっても、それで出来上がる人物は、プリンス本人とは遠くかけ離れた、プリンスには到底及ばない生き物にしかならないように私には思えます。どれだけの言葉で語り尽くしても、プリンスは常にそれよりも大きな存在であり続けます。
私がプリンスを好きになったのは中学3年、1991年の「Diamonds And Pearls」の頃でした。新しいバンド The New Power Generation (NPG) を率い、「Diamonds And Pearls」のミュージックビデオでは子供達に愛を説き、アルバムのラストには「Live 4 love, without love U don't live (愛に生きよ、愛なくばお前に生はあらず)」と教え諭す - そんな時代のプリンスです。私は80年代のプリンスをリアルタイムで体験することはできませんでしたが、反面、その衝撃は既に過ぎ去り消化された後だったため、リアルタイムだったら感じていたかもしれない上っ面のネガティブなイメージに影響されることなく、純粋にプリンスの音楽や表現を楽しみながら過去を遡ることができました。
上の画像は「Diamonds And Pearls」のミュージックビデオからで、託児所 (?) を訪れ子供達に愛を説くプリンスです (1991-1992年頃)。色が付かないモノクロ映像になっている理由は、この曲の3番の歌詞には人種問題のメッセージが込められているためです。このビデオは、これ以外のシーンは豪華で華やかな映像で構成されているので、場面が切り替わるとその対比が印象的です。
また、1991年は湾岸戦争があった年でもあります。 アルバムラストの「Live 4 Love」は戦争をテーマにした曲で、敵地を爆撃する任務を負う、空軍パイロットの青年の視点で展開されます。ちなみに、この曲の以下に抜粋した箇所では、肩に居る天使が諭す言葉をトニー・M (Tony M) がラップします。想像してください。17才で家を追い出され、家族の意味も知らないまま戦地に赴く青年を (Kicked out of my home at 17 / A real family, now what does that mean?) - その肩に乗っている天使がトニー・M なのです。この説明だけでは何が面白いのか分からないかもしれませんが、人によってはツボに入るポイントです。ちなみに、プリンス自身もこの年齢の頃、家庭環境の問題から友人のアンドレ・シモン (Andre Cymone) 宅に居候の身になっており、歌の青年と重なる経験をしています。
So here, my target is approaching
そして、目標に接近する
The angel on my shoulder starts coaching
僕の肩の上で天使が諭し始める
"Live 4 love, without love U don't live"
"愛に生きよ、愛なくばお前に生はあらず"
Boom - I take a deep breath
(衝撃) - 僕は息を飲む
Is it boom - life?
それは - (衝撃) - 生?
Is it boom - death?
それは - (衝撃) - 死?
と、いきなり「Diamonds And Pearls」の話から始めてしまい、しかも「Gett Off」や「Cream」といったヒット曲はスルーなのですが、断っておくと、「Diamonds And Pearls」は色々注釈を付けたくなる作品で、最初に聴くプリンスのアルバムとしてはあまりお勧めできません。また、この作品はスタンダードな風格を漂わせておきながらその内実は亜種みたいなアルバムで、「どれ聴いてやろう」と批評家っぽい態度で聴くと頭を抱えることになります。実際、このアルバムは商業的には成功し、複数のヒット曲も生まれたものの、当時の批評家達からはずいぶん冷やかに酷評されました。あ、でも、当時連載されていた有名漫画スラムダンクには、エースプレーヤーの流川が通学中に「Diamonds And Pearls」を聴いている描写があります。
取り留めがなくなってしまうので、この辺で一旦ストップします。このアルバムについてはいつか別途触れたいと思います。
私は、この人について簡潔にまとめるのが無理な代わりに、個人的に印象深く思う曲などを少しずつ書いていくことにしました。私のように中途半端に追い掛けた人間であっても、プリンスの膨大な活動について色々書こうとするとそれだけで人生が終わってしまうので、程々に留めるつもりです。ただ、気分に任せて脈絡なく書いていくので、ここに独立したインデックスページを作っておきます。
プリンス・スターターキット
プリンスの音楽は「こういうものだ」と把握するのがちょっと大変です。まず毎年のようにオフィシャルのスタジオアルバムがリリースされている上に、数多くの未発表曲が存在します。他のアーティストを通してリリースされている作品も多数あります。ライブパフォーマンスや別テイクを聴いて初めて「これって実はこういう曲だったのか」と分かることもあります。しかもそういったライブ音源や別テイクの大部分はオフィシャルにはリリースされていません。また、ヘッドホンで聴いて初めてきめ細かな仕掛けが施されているのに気付くこともあります。さらに、歌の内容を知らずに聴いてしまうと良さがきちんと理解できない曲も多いです。ただ、これは逆に言うと、歌の内容を知ろうと努力すれば、それに見合った見返りが得られるということでもあります。
プリンスが世に最も強いインパクトを与えたとされるのが1980年代です。プリンスのインパクトというものはヒット曲を聴けば分かるという単純なものではなく、しかもヒット曲すら表面的に聴いただけでは印象を見誤ってしまうものが多いのですが、80年代までのヒット曲から9曲ピックアップしました。曲の隣の括弧は、Billboard Hot 100 の最高位と、最高位を記録した年です。アルバムのリリース年とズレているものは、そちらの年も補足しています。
I Wanna Be Your Lover (1980、11位) from Prince (1979) 作詞作曲から楽器演奏とプロデュースまで全てをこなす神童としてデビューして2年目、ディスコ・ソウル風で「Next Stevie Wonder」路線だった頃。 |
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Little Red Corvette (1983、6位) from 1999 (1982) 「プリンス」というキャラクターが確立した時期、あるいは原石が宝石に変わった瞬間。 |
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When Doves Cry (1984、1位) from Purple Rain プリンス最大のヒットシングル曲。ベースラインが存在しない楽曲構成が有名ですが、「ビートに抱かれて」という邦題のせいで、それだけの曲と勘違いされているきらいがあります。「白鳩が哭く時」みたいな直訳ではダメだったのかなあと思います。 Let's Go Crazy (1984、1位) from Purple Rain Purple Rain (1984, 2位) from Purple Rain プリンスの代表曲。夜明けの空から降り落ちる、心を洗う贖罪の雨。それが私にとっての「紫の雨」のイメージです。前半の歌は曲の一部でしかなく、後半の「Uh-Uh-Uh-Uh」とギターソロ等も含めて1つの作品です。 アルバムは1984年という時代感・終末感を象徴するロック色の強い作品で、必然の結果として世界的にヒットします。 |
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Raspberry Beret (1985、2位) from Around The World In A Day 世界的スターになるやいなや、Purple Rain の路線をあっさり捨てる常識外れの作品を発表します。 |
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Kiss (1986, 1位) from Parade 「ねえプリンス。次の時代に連れてって……」(国内盤アルバムの帯) 「あなたもプリンスは好き?」 - 「ああ命よりもね」(映画プリティ・ウーマンのセリフ) |
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Sign O' The Times (1987, 3位) from Sign O' The Times 膨大な数のハイクオリティな楽曲を作成した、創作力が最も顕著に表れた時期に、作詞作曲、レコーディング、ミックスまで僅か1日で完成させた曲。音質のショボさに惑わされず、この曲が持つ独特の緊張感とタイトさに気付くことができれば、プリンス・ファンクの傑作、あるいはプリンス・ファンクの代表作と言える程にプリンスの良さが凝縮されていることが分かります。 |
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Alphabet St (1988, 8位) from Lovesexy ポジティブでスピリチュアルな新しい領域を表現します。 |
また、最初に聴くアルバムとしては、個人的には「Sign O' The Time Times」と「Lovesexy」あたりをお勧めしておきます。
- 「Sign O' The Time Times」(1987) は、Parade ツアー終了後にバンド The Revolution を解散して一人になって作られた作品で、「Camille」「Dream Factory」「Crystal Ball」といった未リリースプロジェクトを経て完成されました。こういった経緯を背景に聴くと、一層プリンスの創作力の凄まじさを感じることができます。
- 「Lovesexy」(1988) は、ユーモラスではあるけれどもダークな「The Black Album」を、リリース直前でキャンセルして制作されました。ポジティブでスピリチュアルな作品で、一本筋が通っており、内容が濃いです。と思ったのですが、プリンスが初めてという人がこれを聴いたらどう思うのでしょう。ちょっと複雑です。やっぱり最初のプリンスにはあまり適していないかも、という気もします。
- 他の選択肢としては、世界的に大ヒットした「Purple Rain」(1984) もありますが、音楽的にはプリンスの幅広い世界のごく小さな一面を映し出したものにすぎないためか、ファンの間でこれが一番のお気に入りに挙げられることは殆どないように思います。また、この作品は、1984年という時代にいかにマッチしているかという感覚を感じ取ることができないときちんと楽しめないかもしれません。ちなみに、この作品は一聴して受ける印象よりも遥かに緻密であり、後から色々なことを知って驚くことになります。
- 「1999」(1982) も重要な作品です。このヒット作により、「次に何を発表しても成功は約束されたも同然」という空気が形成されたのではないかと思います。また、各作品をフレーバーでいうと、「1999」はさしずめプリンスの「プレーン味」という感じがします。プレーンと呼ぶには妖しい見た目ですが。その前の4作品は素材の製造工程の途中で、「1999」で素材が完成し、その後の作品は「ロック味」「サイケデリック味」「おフランス味」「濃いめのごった煮味」「ラブセクシー味」と味付けが追加されているという印象を受けます。
- 私が最も好きなアルバムは「Parade」(1986) です。ただ、プリンス本人も言っていることですが、全体的に曲はあまり練られていません。個人的にはそれが逆に絶妙なところなのですが、まあこれは私の好みです。
- 「Lovesexy」よりも後、「Batman」(1989) 以降は、どれか一つを選ぶのが難しいです。また、1989年以降は作品の雰囲気が変わります。上手くは説明できないのですが、全体的な傾向として、よりハッピーでリラックスした作風に変わります。ちなみにプリンスは、1990年の Rolling Stone のインタビューで、「Thieves In The Temple」(1990) という曲を引き合いに出して、「今でもこの曲のように怒りの感情から曲を書くこともあるけど、そういうことはしたくない、そこは自分の居場所じゃない」といった旨のことを語っています。特に、「Art Official Age」(2014)、「HITnRUN Phase One」(2015)、「HITnRUN Phase Two」(2015) といった最後の作品を聴くと、「プリンスがずっとしたかったのは、本当はこういうものだったんだろうな」と感じます。
- また、日本で発売されている雑誌の追悼特集等に目を通して受けた印象として、率直に言って、プリンスに関しては評論家の言うことほど役に立たないものはありません。批評的な態度が受け入れられないというのではなく、単純に、論評は全体的に読むに値する内容ではありません。
プリンスを楽しむために、いくつか前提として知っておくと良いことがあります。例えば次のようなことです。
- プリンスは、面白いことをする
その好例を示す有名なパフォーマンスに、2004年、ロックの殿堂でジョージ・ハリスンのトリビュートに参加した時の「While My Guitar Gently Weeps (ビートルズの曲)」のギタープレイがあります。常識として、トリビュートというものは場の雰囲気に沿った振舞いをすべきものですし、そもそもプリンスはジョージ・ハリスンにゆかりのある人物ではないため、サポート役に回るのが筋です。ところが、このトリビュートへの出演依頼を受けたプリンスは、途中から主役に躍り出てステージを自分の物にしてしまうという、とんでもないことをします。
プリンスは途中まで照明にすら入るかどうかの隅っこに隠れていますが、3分27秒頃からギターソロを始めると、そこからのステージはプリンスの独壇場になります。ロック界の年上の大物達を尻目にこんな非常識なことをして、失礼にあたらないのか?と一瞬思うかもしれません。しかし、プリンスがハメを外し出してから、ジョージの一人息子のダーニ・ハリスン (画面右でギターを弾く一人だけ若い人) の笑顔が止まらなくなっているのを見てください。4分47秒頃、プリンスが観客席に背を向けて倒れこむところなど、ダーニは本当に大喜びしています。プリンスは最後、ギターを天に向かって放り投げると (そのままギターは消えてしまいます)、そのまま一人だけステージを去ってしまうという傍若無人ぶりです。このように、プリンスは常識外のことをやって人を喜ばせてくれる人なのです。
このように誰の目にも明らかにはっきりと見せてくれることもありますが、プリンスの音楽の面白さは、普通に聴いただけでは分からず、ヘッドホンで注意深く聴いたり、意味を調べたりして初めて気付くことができるものが沢山あります。プリンスの世界は、「ひょっとして実は面白いことをしているんじゃないか?」という前提に立つと、グンと楽しみが広がる仕組みになっています。
また、プリンスはボーカルにも特徴があります。地声も形容が難しい猫なで声のような独特な声ですし、ファルセットの声質や音域も特徴的です。さらには頻繁に叫び声を上げます。英語サイトのリンクを2つ紹介します。
- The Vocal Ranges of the Greatest Singers (ConcertHotels.com)
有名なシンガーのボーカル音域をまとめたリストです。バーにマウスカーソルをあてると対応する曲名が表示されます。カウントされている高音域は「歌」というよりも「音」といった方が良いような高い音になってしまうのですが、プリンスは、アクセル・ローズとマライア・キャリーに次ぐ広いボーカル音域のシンガーとして挙げられています。 - Prince's 30 Best Screams, Ranked (Newsweek)
記事の筆者が独断で選ぶプリンスの叫び声ランキングです。それぞれの曲について、どのような叫び声なのかの形容と、それの意味するところを分かりやすく (?) 解説してくれています。
ファンに選ばれる曲
プリンスを聴いていると、音楽には2種類あるのだと感じさせられます。まずひとつは「皆で楽しめる音楽」です。世の中のヒット曲は大抵このタイプになると思います。その一方で、「皆で聴くより一人で聴いた方が楽しめる音楽」、あるいはもっと強く言うと、「否応なく外界と遮断され、独りで聴くことを強要されるような音楽」というものもあります。プリンスの作品の中には、後者のように、他人と一緒に聴いて楽しむのは殆ど不可能に感じるものが含まれます。
プリンスの音楽における後者の側面は、ある意味プリンスの本質といえるもので、ファンが自分のお気に入り曲を選ぶ時には、ヒット曲や一般的なお勧め曲を押しのけて、こういった「否応なく外界と遮断される」タイプの曲が入り込んできます。そこで、後者タイプの曲を私の独断で3曲選んでみました。ちなみに、このタイプの曲は多数の人に向けて演奏されるライブではしばしば異なる質感に変化するため、まずはスタジオバージョンをきちんと聴きたい曲でもあります。
- 1位: If I Was Your Girlfriend
Sign O' The Times (1987) - カミール曲にハズレなし。ただ個人的には、プリンスのあらゆる曲の中で最も一線を越えている曲だと思います。
- 2位: The Ballad Of Dorothy Parker
Sign O' The Times (1987) - 独特なくぐもったサウンドとまるで夢を見ているかのようなストーリーで、陶酔感のある曲。
- 3位: When 2 R In Love
Lovesexy (1988), The Black Album (1987, 1994) - 個人的に、プリンスとお風呂部門の代表曲。
私が特別に愛着を持っている曲
プリンスは大変な多作家であり、ファンのお気に入り曲が人それぞれ異なるのも面白いところです。そこで、私が特別に愛着を持っている曲をピックアップしたいと思います。どれもこのページでは言及していない曲になりますが、それぞれついて記事を書くつもりなので、勿体ぶって曲名はブログを書きながら明かします。
ちなみに、1位と2位は私の中では長年順位が決まっています。この2曲はこれからもずっと変わらないと思います。この2曲以外は特に席が決まっておらず、順位を付ける性質のものではないのですが、無理やりランキングにしてみます。
- 1位:
- 2位:
- 3位:
- 4位:
- 5位:
残りの記事一覧
- Sometimes it snows in April - 時には4月に雪が降ることもある
- It's been 7 hours and 13 days... Nothing Compares 2 U - fDeluxe (The Family)
- fDeluxe (The Family) により改めて録音された美しいアレンジの「Nothing Compares 2 U」。オリジナルは The Family のアルバム「The Family」(1985年)。
- Sign O' The Times @ 渋谷 HUMAX シネマ
Sign O' The Times (1987) - 再上映されたコンサート映画「Sign O' The Times」に行ってきました。
- Computer Blue / My Computer
Computer Blue - Purple Rain (1984); My Computer - Emancipation (1996) - ちょっとダサめの SF 的なアレンジで、個人的にはアルバム「Purple Rain」で最も弱い曲。しかしそれは仮の姿です。この曲は、ブートで聴ける未発表のロングバージョンでは、アルバムとは打って変わり、プリンスの作品の中でも屈指のカッコ良さを誇る傑作に変貌します。これが正規に発表されていないのは本当に惜しいです。また、曲名繋がりでついでに「My Computer」も取り上げました。通常プリンスの曲は YouTube では削除されてしまうところ、これはバックボーカルに参加したケイト・ブッシュが自ら YouTube に上げていて、へぇーと思って。
- She Gave Her Angels
Crystal Ball (1998) - マイテとの子供を失った悲しみを歌った曲だと勘違いされることがありますが、実はそれとは無関係な純粋で愛らしい曲です。この曲の背景には素敵なエピソードがあります。
- Starfish And Coffee
Sign O' The Times (1987) - 学校でおじぎをする時のピアノの伴奏のようなリフが延々と繰り返される曲。実在する発達障害の女の子のエピソードから作られました。個人的にはアルバム収録のシンプルなバージョンの方がこの曲の良さが出ていると思います。
- Don't Talk 2 Strangers / Be My Mirror
Don't Talk 2 Strangers - Girl 6 (サウンドトラック, 1996); Be My Mirror (未発表, 1992) - どちらも小さな子供に歌いかける、愛情に溢れた曲。私がひとつ無念に思うことが、プリンスがこういった曲をあまり作ってくれなかったことです。もしもマイテとの子供に不幸が起こらなかったら、プリンスはきっとこういう曲をもっと沢山作ってくれただろうにと思います。
- Manic Monday
Different Light (Bangles, 1986) - 女性バンド Bangles に提供されヒットした曲。「1999」のボーカルメロディが流用されており、ブリッジ部分の歌詞を除けば爽やかな曲。後にスザンナ・ホフスはその部分は歌わずに流すようになっています。
- Open Book
未発表 (プリンスのデモ, 1990-1991頃), Here It Is (Jevetta Steele, 1993) - プリンスには沢山の未発表曲がありますが、その中にはオフィシャルリリースでも滅多にお目に掛かれない程素晴らしい曲も多く含まれます。そんな中から、プリンスのデモバージョンが美しいこの曲を選んで取り上げました。
- International Lover
1999 (1982) - ちゃんと聴かないと勿体ないユーモラスな傑作バラード。モンスターアルバム「1999」のラストの曲であるため辿り着くのが大変ですが、注意散漫に聴いてしまうと価値を見逃がしてしまう曲です。
- Comeback
The Truth (1998) - 夭折した子供のことを連想させる、短く、そして美しい曲。
- Dolphin
The Gold Experience (1995) - 個人的に、おもちゃの音楽隊のようなサウンドのアルバムの中で、そのアレンジが成功していると思える数少ない曲。Comeback、Dolphin、そして Reflection の3曲は、何となく私の中ではセットになって思い浮かびます。
- Reflection / I was 2 busy listening 2 the grass grow
Musicology (2004) - ホンワカした音に乗せてプリンスがとめどなく昔を思い出す、懐しさを感じる曲。
- Nothing Compares 2 U - その1
The Faimily (The Family, 1985; The Hits / The B-Sides (1993) 等) - 「名曲」です。ちなみに、この曲を有名にしたシネイド・オコナーのカバーは、アレンジは大幅にシンプルにされていますが歌詞が一部変更されており、相手への非難と憎しみの感情が込められた複雑な歌になっています。個人的には、シネイドのカバーには「愛の哀しみと憎しみ」という邦題を付けたいです。売れなさそうですが。一方、プリンスの書いたオリジナルバージョンは、アレンジは大袈裟ですが歌の内容はシンプルで、自分の非を認め相手を慕う純粋な恋の歌です。
- Nothing Compares 2 U - その2
- プリンス自身によるこの曲のライブバージョンでは、私は1990年の Nude ツアーのパフォーマンスが好きです。
- The Screams Of Passion
The Faimily (The Family, 1985) - 隠れた名盤から。プリンスが詩人っぽい一面を見せてくれます。
- Desire
The Faimily (The Family, 1985) - 隠れた名盤からもう1曲。ロマンチックな曲です。
- fDeluxe @ Billboard Live Tokyo, 2nd Show, 2016-09-04
- It was a beautiful night! コンサートに行ってきました。エリック・リーズには哀愁が漂い、ポールは滅茶苦茶良い人でした。
- You're My Love by Kenny Rogers
They Don't Make Them Like They Used To (Kenny Rogers, 1986) - YouTube でプリンスを聴くことができなかった頃に、癒しを与えてくれた曲。素直すぎる歌詞が素敵です。
- With This Tear by Celine Dion
Celine Dion (Celine Dion, 1992) - 同じく YouTube でプリンスを聴くことができなかった頃に、癒しを与えてくれた曲。重い歌詞ですが、それを見事に歌い切るセリーヌ・ディオンの歌唱力が素晴らしいです。
コメント
コメント一覧 (2)
このページはいいガイドになりそう。どんどん布教していきたい所です…
このページ、プリンスについて私なりにまとめようと試みたのですが、ご覧の通り区切りがつけられず少し中途半端になっています。記事の投稿はまだまだ続くことになりそうですが、ここもちょっと手直しした方がいいなと思ったり……はしています。