久々にトレーニングのことを書きます。色々思うことはあるのですが、パッと書けるところで、ひとつサイトを紹介します。AthleteBody.jp にもいくつか記事が掲載されている、Greg Nuckols のサイトです。

AthleteBody のサイトには質の高い情報がたくさんありますが、その性質上、より一般のトレーニーに響く内容でないと記事を掲載しづらいというジレンマがあります。そのためそこでは技術的に深い内容の記事は紹介されていないのですが、スクワット、デッドリフト、ベンチといった種目の技術的な洞察に関しては、この人のサイトで得られる情報の質は、控えめに言って世界一です。

このように Stronger By Science は、精一杯控えめに紹介したつもりでも、それでも少し文字が大きくなってしまうほどのサイトです。とにかくトレーニングというものは、これって本当にそうなのか?と疑問に感じる主張がなされることがままあります。たとえ、それが畏れ多いほど高名な人や高い実績を持つ人による主張であっても、です。私にとってこのサイトは、そんな疑問にぶち当たったときに真っ先に訪れる場所のひとつです。

このサイトがどんなものであるか知りたい方は、とりあえず Technique のカテゴリに含まれる記事タイトルや、How-to 記事に目を通すのが良いと思います。実際にページを開くと、Definitive Guide (決定版ガイド) というのが伊達ではないことが分かると思います。

凄まじく洞察に富んだサイトではあるものの、ここで分かってもらえるようにそれを紹介するのは難しいし、一端を紹介するにしてもどれを選んだらよいのか悩ましいところです。なので大観的なところで、自分が何となく思っていたことを補強してくれたと感じた点について、少しコメントします。ただし、以下は私の偏狭的な見解が混じっているので、必ずしもサイトに書かれていることそのままではありません。正確なところは実際にサイトで確認してもらえればと思います。

  • スクワットで下半身を鍛えるという目的においては、パワーリフティング、ウエイトリフティング、ボディビルディングのどのスクワットをしても本質的な違いはなく、どれを採用しても良いこと。言い換えれば、これらのフォームの違いは一般に信じられているよりもずっと小さなものであり、単に下半身を鍛える目的であれば「このフォームですべき」というものはないこと。また、スクワットでハムストリングスを鍛えるという発想が誤りであること。スクワットに関しては…ここでは書ききれません。
  • ベンチプレスにおいて、凄いテクニックを駆使することで重量を飛躍的に伸ばす、というのは幻想にすぎず、ベンチプレスの挙上重量に決定的な影響を与えるのは、結局は筋量であるということ。
  • デッドリフトは人によって適正なフォームが変わること。また、背中が丸まるのは必ずしも悪ではないこと。また、背中の適正なラインは一般に誤解されがちであること。そもそも背中の適正なラインは範囲に幅があり、理想の一点に固定されるべきではないこと。