ダイエットを成功に導く物の見方

年が明け、新年の決意でダイエットを掲げた人もいると思いますので、ダイエットの話です。

ダイエットとは不思議なもので、成功する人は当然のように成功する一方、失敗する人はいつも上手く行かずに失敗してしまう傾向があります。成功する人と失敗する人とでは、一体何が違うのでしょうか?

私は、ひとつは物の見方が違うということが言えるのではないかと思っています。ここで言う物の見方とは、ダイエットに対する心構えのようなものです。そこで、今回はダイエットの科学知識的なことは脇に置いて、心の問題に焦点を当てることにします。ということで、ダイエットをするうえでの物の見方や心構えを表すのに個人的にしっくりくる言葉を3つ選んでみました(訳は適当です)。

  1. Don't talk about it, just do it
    語るのはいいから、まずやれ)
  2. Don't give up what you want most, for what you want now
    (いちばん欲しいものを、今欲しいもののために諦めるな)
  3. The journey is the destination
    (道程は目的地そのもの)

1. Don't talk about it, just do it

語るのはいいから、まずやれ

これは Muscular Development: Q&A with Ronnie Coleman を読んで印象に残った言葉です。「近頃の人々は栄養摂取を無駄に細かく考えすぎてはいないか?」という質問に、Ronnie は次のように答えます。

One thing I do notice is that a lot of guys now seem to spend most of their time talking about diets and always looking for something better, instead of following one diet long enough to know how well it really works for them. It’s just like training. Sometimes you just gotta go in there and do it instead of talking about it or thinking about it.

ひとつ気付くのは、多くの人が、ひとつのダイエット法が実際にどれくらい上手くいくかを十分に試すことをせずに、ダイエットについて議論したり、より良い方法をあれこれ探したりすることに没頭して時間を費やしているようにみえることだ。でも、トレーニングと同じように、ダイエットだって、時には言葉で語ったり頭で考えたりするのではなく自分で実際にやってみないといけない。

But like you said, for all the new science and all the diet coaches we have now, you would think guys would be looking a whole lot better than they did 15 or 20 years ago. That tells me that nutrition probably isn’t as complicated as some people seem to think it is.

君の言う通り、昨今の科学の進歩やダイエットコーチの活躍を見ると、人々の見た目が15~20年前よりも大幅に向上していても良さそうなものだ(しかし現実はそうなっていない)。ということは、おそらく栄養とは一部の人が考えるほど複雑なものではないのだろう。

世の中、ダイエット法をめぐる議論は尽きることがありません。しかし、ダイエットの流行り廃れに関係なく、ボディビルダー達は何十年も前から素晴らしいコンディションを作り続けてきました。彼らの特徴はとにかく実行することです。どんなやり方であっても、とにかく実行してゴールにもっていきます。

ダイエットで結果を出すには、どうしようかと悩んでいないで、とにかく一歩踏み出して思いを実行に移す必要があります。どうしてもどこから手を付けたら良いのか分からなければ、例えば次のサイトなどが参考になるでしょう。こういった情報の中から自分に合いそうなものを取り入れていけば良いと思います。

私の個人的な意見としては、真剣にダイエットをするならばキッチンスケールとカロリーブックは持っていた方が良いと思います。食品のカロリーはネットの方が細かく調べられますが、紙の本は視覚的に印象に残りやすいのが良いです。chiken-breast

2. Don't give up what you want most, for what you want now

いちばん欲しいものを、今欲しいもののために諦めるな

これは Paul Carter の Facebook をフォローしていて印象に残った言葉です。彼が参加したとあるフィットネスカンファレンスで、誰かが引用した言葉だということです。

ダイエットでは、一時的な欲求と長期的な欲求が相反します。一時的な欲求とは、言うまでもなく食べたいものを食べて空腹を満たすことです。長期的な欲求とは、食べるのを我慢して脂肪や体重を落とすことです。例えば、「ケーキが食べたい。でも食べたらダイエットが・・・」という状況です。

ダイエットをしていると、ほぼ四六時中「今欲しいもの」を意識した状態に置かれます。この欲求が強くなると「いちばん欲しいもの」は意識の外に消えてどうでも良くなってしまいます。どちらも「欲しいもの」ですが、より大切なのはどちらなのか忘れないようにしなければいけません。

3. The journey is the destination

道程は目的地そのもの

「Journey = Process / 過程」、「Destination = Outcome / 結果」なので、最初は「Focus on the process, not the outcome / 結果でなく過程にフォーカスしろ」といった類の言葉でも良いかと思ったのですが、どうも据わりが悪いのでやめました。これだと過程と結果を比較してどちらが大事かという議論が頭をよぎり、個人的には無意味なことにエネルギーを費やしているような気分になってしまいます。

それはさて置き。

新年の決意: 夏までに良いカラダになりたい

例えばこんな目標を掲げたとしましょう。ダイエットを旅に喩えるならば、これは目的地を設定しただけの状態です。これだけでダイエットが上手く行く人はそうはいないでしょう。殆どのケースでは、夏が近づく頃には「ああ今年はもう間に合わない。来年頑張ろう」となってしまいます。しかしこの場合、「間に合わなかった」というのはただの言い訳です。本当は、「目的地と出発地はそもそも繋がっていなかった」と言った方が真実に近いのではないかと思います。

ダイエットの旅とは、「漸進的に目的地に近づく」ことの積み重ねによって出来上がるものです。そのためには目的地を設定しただけでは不十分ですし、過程と結果を切り分けてどちらが大事かと考えるものでもありません。「漸進的に目的地に近づく」ということは、道程を目的そのものと一体化させる努力によって実現するものだと私は思います。

ちなみに、これは次の記事を読んで印象に残った言葉です。

おわりに

もし、今までにダイエットをやり通したことがあるのなら、ダイエットをしている期間中、精神状態が変化する体験をしたことがあるのではないでしょうか。カロリー欠損の状態を生活の基底とすることを、体だけでなく心でも受け入れることで起こる心の変化です。ダイエットに成功する人とは、このような心の受け入れが上手くできる人なのだと私は思います。

何か行動を起こす時、事に臨むにあたっての心の持ちようというのは思いのほか重要なものです。ひょっとしたら、これはダイエットではどんな専門的な知識よりも重要なものかもしれません。