既に掲示板に投稿したものですがブログにも。

運動前/中の炭水化物&タンパク質摂取についてのまとめです。

Alan Aragon Research Review 2008年2月号の「Nutrient Timing, Part 2: Pre- & During Exercise Carbohydrate & Protein」から、サマリを訳したものです。
ちなみに、原文のサマリはもっと量が多いです。面倒なので一部省略しています。日本語も私の気分で訳していて正確に訳していない部分があります。

●重要度の序列、オーバービュー

・効果を左右する要素で重要度のトップに来るのは一日の主要栄養素の量。タイミングは二次的なもの。

・栄養のタイミングに関する研究の大部分は一晩絶食した被験者で行われており、結果の有用性には制限がある。

・普通は一日を通して食事の吸収はコンスタントにオーバーラップするので、食事のタイミングについて髪をかきむしって悩む必要はない。

・栄養のタイミングの研究の多くは炭水化物の持久力の向上に焦点を当てているが、タンパク質やレジスタンストレーニングのデータも増えつつある。

・(特に持久運動では) 運動前/中の栄養の目的は、十分な水分、血中グルコース、およびアミノ酸レベルを維持することである。

●競技前の炭水化物ローディング

・クラシックな炭水化物ローディングモデル: 約3日間の低炭水化物(60-100g/day)+消耗的な運動、その後、3日間のかなりの高炭水化物(500-600g/day)+少なめの運動

・これによりグリコーゲン貯蔵が通常の容量を超えてグリコーゲン超回復が起こる。

・様々な研究で、線形的な炭水化物増量 (10-12.5g/kg, 1-7days) でも同様のグリコーゲン超回復が起こることが示されている。

・炭水化物ローディングは、90分未満の競技ではあまり必要ないかもしれない。

・炭水化物ローディングは、運動中に十分な炭水化物 (~60g/hr) が供給される場合、パフォーマンスの恩恵はないかもしれない。

●運動前2~4時間

・3-4時間前の140-330gの炭水化物摂取により、持久パフォーマンスを向上させることが示されている。

・持久競技で競技中の炭水化物摂取が制限される場合、3-4時間前に200-300gの炭水化物を摂取することが推奨される。

・多くの研究では、トレーニングを積んだ被験者の場合、GIは持久パフォーマンスに影響を与えないことが示されている。

・90分を超える持久競技であっても、賢いこと (競技中のエネルギー補給) をするならば、大量の事前摂取 (炭水化物 200-300g) をする必要はない。

●運動前60分以内

・理論的には、運動の60分以内の炭水化物摂取により、血中グルコースの急上昇→低血糖によるパフォーマンス低下が引き起こされる懸念があるが、全体として研究ではパフォーマンス低下は示されていない。

・普通のボリュームのレジスタンストレーニングでは、運動前の炭水化物摂取によるパフォーマンスのメリットはないかもしれない。

・EAA 6g+スクロース35gを運動直前に摂取するのと、運動直後に摂取するのとでは、運動直前の摂取の方が高いタンパク質合成が示された研究結果がある。

・EAAやBCAAのような分離されたアミノ酸を摂ろうと考えているなら、ホエイは50%がEAA、25%がBCAAであることを思い出して下さい。

・主要栄養素は、トレーニングのタイミングから離して摂取するよりも、トレーニングの直前・直後に摂取した方が筋力や体組成の変化で良い結果が得られる。

●運動中

・運動中の栄養の目的は運動前の栄養と同じ - 水分、血中グルコース、およびアミノ酸の維持。

・一般的に、2時間前後の持久運動では運動中に炭水化物を摂取することにメリットがある

・グルコースやフルクトース単体と比べて、炭水化物にフルクトースをミックスした方が高い炭水化物の酸化率になる (グリコーゲンの節約のためには潜在的にメリットがある)。また、胃腸の不快感も緩和される。

・タンパク質 (またはタンパク質+炭水化物) を運動中に摂取すると、炭水化物単体の場合に比べて筋肉のカタボリズムを抑制する効果が大きい。

・2時間を超えるトレーニングでは、体内からかなりの塩化ナトリウムが失われる

・最後に。大部分のトレーニーにとって、運動前の栄養が適切であれば、運動中の炭水化物、タンパク質、電解質を心配する必要は、殆どない。