I am Violet the Organ Grinder
And I grind all the live long day
I live 4 the organ, that I am grinding
I'll die, but I won't go away
我は手回しオルガン奏者のヴァイオレット
我はひねもすグラインドし続ける
我は生きる、我がグラインドするこのオルガンのために
我はいずれ死ぬ、だが我が消え去ることはない


フィットネスとダイエットの話題がメインだったこのブログに、プリンスの話題が割り込むようになって3年と少しの月日が経ちました。いつのまにかブログの比重も変わって、今では記事数もプリンスの方が多くなりました。

フィットネスとダイエットの話題を期待して私のブログを見た方は、私のブログがこんなことになったことを不思議に思うかもしれません。なので、過去にどこかで言ったことの繰り返しになりますが改めて言います。私がこうしてプリンスについてブログ記事を書くようになった理由は、私がプリンスが好きだから、ではありません。私にいわゆるプリンス愛があるから、でもありません。そのような小さな理由ではなく、それよりもずっと大きな理由があります。

私たちが生きている時代において、プリンスというアーティストは、才能という点では世界最高の存在です。二番目以降が誰になるのかは知りませんが、世界最高は誰かと訊かれたら、私にはその人物はプリンス以外考えられません。

私はずっと、プリンスが音楽評論家から殆ど語られることがないのは、プリンスの存在があまりに畏れ多いからだと思っていました。少なくとも私がプリンスの話題をずっと避けてきたのはそれが理由です。しかし、雑誌の追悼特別号を買ってその内容の酷さに驚き、実はプリンスは畏れ多いから避けられていたわけではなく、単にまともに聴かれていなかったのだと気付きました。

プリンスは他者に影響を与えても、その影響は常にプリンスのサブセットにとどまります。そこからさらに発展し、オリジナルを超越した芸術が花開くことはありません。そしてそんなことは今後も起こらないでしょう。皮肉にもプリンスは唯一無二であったがために、それを受け継ぎ発展させる人物がおらず、歴史上の特異点としてでしか存在できません。語られることがなくなれば、価値を知る人もいなくなります。プリンスがいかに偉大なアーティストであったのか、たとえ上手く言葉にできなくとも、それを語るのはとても大切なことだという思いから、私はこのブログを書いています。


天才。

いえ、真の天才がこの曲にあります。

広い意味では、天才とは優れた才能、または優れた才能により素晴らしい作品を生み出す人を言います。しかし、それだけでは真の天才とは言えません。優れた才能に加え、他の誰にも真似のできないオリジナリティを持ち、信じ難いような突出した作品を創り出して、人は初めて真の天才と呼ばれます。

「The Violet The Organ Grinder」は、1990年代の化け物曲とも言える「Gett Off」からスピンオフして出来た曲です。日本では「Gett Off」と「Cream」のマキシシングルを纏めた全13曲のミニアルバム「Gett Off Remix EP」(1991年) の収録曲としてリリースされました。これは「Gett Off」と「Cream」のそれぞれの曲に収まり切らずに溢れ出たアイデアを掬い取って出来たような作品で、全体的には感じの良い雰囲気の曲が並びます。「Gett Off」のもう一つのスピンオフ曲「Gangster Glam」にも、胸のすくような爽快感があります。他の例として、短くてすぐ聴けるので、1分31秒のインストゥルメンタルの小曲「Get Some Solo」をリンクします。ギターはプリンスなのかリーヴァイ・シーサー・Jr (Levi Seacer, Jr.) なのか分かりませんが、とても小気味の良い曲です。

そんな心地良い作品に、他とは雰囲気を異にする曲が一つ含まれています。それが今回取り上げる「Violet The Organ Grinder」です。

おいてきぼり。

それが私のこの曲との最初の出会いでした。プリンスは一体何を考えてこんな曲を作ったのだろう? この曲を聴いたリスナーは一体どんな反応をすればいいのだろう?

当時の私はただ困惑するばかりでした。「Gett Off Remix EP」には歌詞カードがなく、当時はこれが何を歌った曲なのか分かりませんでしたが、プリンスの不気味なコーラスは私を困惑させるのに十分でした。

そして歌詞を知っている現在、私の困惑はますます強まっています。普通、逆じゃないのでしょうか。歌詞の意味が分かったらスッと腑に落ちて作品の凄さに感激する、それが大抵のプリンスの曲で私に起こることです。いや、この曲を聴いて凄いというのは強く感じます。鬼気迫ると言って良いです。ただ、この曲の凄さは一筋縄では行かなすぎます。

この曲のタイトルにある「organ grinder」とは、大道芸の手回しオルガン奏者のことです (Wikipedia の Street organ のページ)。この曲でプリンスは、かつてオルガン・グラインダーとして史上最高の名コンサートをしたと言います。

That now serves as a reminder
On the wall of U and I the organ grinder
In the greatest concert of them all
それで思い出すんだ
君の壁とオルガン・グラインダーの僕による
史上最高の名コンサートをね

しかし、この曲のミュージックビデオのどこを見ても手回しオルガンは出てきません。

前々回の「Vicki Waiting」のオルガン・ジョークを思い出してください。オルガンをガランとした大聖堂で演奏した、という表現が出てきましたが、その意味は楽器のオルガンではありませんでした。そして前回の「Le Grind」も思い出してください。つまり、この曲のオルガン・グラインダーとは、手回しオルガンの演奏とは全く別なことをやっていることが想像できると思います。いえ、わざわざ想像しなくてもビデオの次のシーンを見ると……

I took all the pictures U gave me
And I placed them right under my bed
And I pumped and I pumped
'Til the 'gasm much as jumped
From my feet 2 the top of my head, oh boy!
君がくれた写真を全部集めて
ベッドの下に入れたんだ
そして僕は突いて、突いたのさ
それは突き抜けるほどの絶頂だったよ
僕の爪先から脳天まで突き抜けるほどのね
ああ、凄い!

violet-the-organ-grinder-oh-boy

[Chorus]
I am Violet the Organ Grinder
And I grind all the live long day
I live 4 the organ, that I am grinding
I'll die, but I won't go away
我は手回しオルガン奏者のヴァイオレット
我はひねもすグラインドし続ける
我は生きる、我がグラインドするこのオルガンのために
我はいずれ死ぬ、だが我が消え去ることはない

I am Violet the Organ Grinder
And I grind all the live long day
I live 4 the organ, that I am grinding
I'll die, but I won't go away
我は手回しオルガン奏者のヴァイオレット
我はひねもすグラインドし続ける
我は生きる、我がグラインドするこのオルガンのために
我はいずれ死ぬ、だが我が消え去ることはない

[Ad lib]
Ooh, wait a minute, I think U better trip on this
Ooh, wait a minute, I think U better trip on this
ちょっと待ちなよ、君もコイツでトリップしなよ
ちょっと待ちなよ、君もコイツでトリップしなよ

[Verse 1]
I was on my way 2 another room
When an image of U sweetly
Appeared in the mirror
Perhaps U recall
U and I were neatly
In the middle of a Crystal Ball
That now serves as a reminder
On the wall of U and I the organ grinder
In the greatest concert of them all
僕は別の部屋に行く途中だったよ
そしたら君の姿が素敵にも
鏡越しに現れたんだ
君も覚えてるかな
君と僕は丁度良く
クリスタルボールの真ん中にいた
それで思い出すんだ
君の壁とオルガン・グラインダーの僕による
史上最高の名コンサートをね

[Chorus]
I am Violet the Organ Grinder
And I grind all the live long day
I live 4 the organ, that I am grinding
I'll die, but I won't go away
我は手回しオルガン奏者のヴァイオレット
我はひねもすグラインドし続ける
我は生きる、我がグラインドするこのオルガンのために
我はいずれ死ぬ、だが我が消え去ることはない

[Verse 2]
Did U know that I still have your stockings?
I keep 'em in a drawer next 2 your brassiere
Come hither, my sweet, lend me your attention
Come hither lend my your ear
I do believe that my piano was stolen
I do believe that U want me near
Well I can deal with a sucker
If he's in your mouth
But I can't deal with insincere
I'm the one that lives in your heart
U love me, no matter what U say
Swear U don't miss the organ grinder
Grinding on U every day
僕がまだ君のストッキングを持ってるのは知ってるかな?
君のブラジャーと一緒に引出しに保管しているよ
こちらに来てよ、ちょっと注意を傾けてほしいんだ
こちらに来て耳を貸してよ
僕のピアノは盗まれたに違いないと僕は思うんだ
君は僕に傍にいてほしいに違いないと僕は思うんだ
僕はクズなんかに取り乱したりはしないさ
そいつが君の口の中に入ったとしてもね
だけど僕は不誠実は許さない
君の心の中で生きているのは僕なのさ
君は僕を愛してる、君が口では何と言おうともね
言ってみなよ、オルガン・グラインダーは恋しくないって
オルガン・グラインダーが君にグラインドする毎日は恋しくないって

[Modified Chorus]
I am Violet the Organ Grinder
(I am Violet the Organ Grinder)
And I grind all the live long day
(And I grind all the live long day)
(Check this out)
我は手回しオルガン奏者のヴァイオレット
(我は手回しオルガン奏者のヴァイオレット)
我はひねもすグラインドし続ける
(我はひねもすグラインドし続ける)

[Ad lib]
Ooh, wait a minute, I think U better trip on this
ちょっと待ちなよ、君もコイツでトリップしなよ

[Verse 3]
I took all the pictures U gave me
And I placed them right under my bed
And I pumped and I pumped
'Til the 'gasm much as jumped
From my feet 2 the top of my head, oh boy!
君がくれた写真を全部集めて
ベッドの下に入れたんだ
そして僕は突いて、突いたのさ
それは突き抜けるほどの絶頂だったよ
僕の爪先から脳天まで突き抜けるほどのね
ああ、凄い!

[Chorus]
I'm Violet the Organ Grinder
And I grind all the live long day
I live 4 the organ, that I am grinding
I'll die, but I will not go away
我は手回しオルガン奏者のヴァイオレット
我はひねもすグラインドし続ける
我は生きる、我がグラインドするこのオルガンのために
我はいずれ死ぬ、だが我が消え去ることはない

[Ad lib]
Ooh, wait a minute, I think U better trip on this
ちょっと待まちなよ、君もコイツでトリップしなよ

[Bridge]
Like a puppy, I licked your devotion
From your neck from your eyes from your ears
When U cry, I became your emotion
And if U ever cry like that again
I'll be here
君の献身的な愛を、僕はまるで仔犬のように舐めたよね
君の首からも、君の目からも、君の耳からも
君が泣く時は、僕は君の感情になったよね
もし君がまたそんな風に泣くことが起こっても
僕はここにいるよ

[Chorus]
'Cause I'm Violet the Organ Grinder
And I grind all the live long day
I live 4 the organ, that I'm grinding
I'll die, but I won't go away
何故なら我は手回しオルガン奏者のヴァイオレット
我はひねもすグラインドし続ける
我は生きる、我がグラインドするこのオルガンのために
我はいずれ死ぬ、だが我が消え去ることはない

[Ad lib]
Not even...
(Peace 2 the mutha)
(Who turned the mother out)
決して・・・

[Chorus]
I am Violet the Organ Grinder
And I grind all the live long day
I live 4 the organ, that I am grinding
I'll die, but I won't go away
我は手回しオルガン奏者のヴァイオレット
我はひねもすグラインドし続ける
我は生きる、我がグラインドするこのオルガンのために
我はいずれ死ぬ、だが我が消え去ることはない