アルバム「Diamonds And Pearls」の曲が2つ続いたので、次の曲もこのアルバムからにして、「Walk Don't Walk」を取り上げようと思っています。これは私が密かに好きな曲なのですが、どうやったらこの曲の素晴らしさを言葉にできるだろうかと悩み中です。

とりあえず、自分の中で少し繋がりのある話が、最近読んだスーザン・ロジャースのインタビューにあったので紹介します。リンクした記事の最後の部分になります。要点を纏めるよりも、そのまま紹介した方が良い内容なのでそのまま翻訳します。これについての私のコメントも上手く書けそうにないので、今回は翻訳だけです。

ちなみにプリンスファンならご存知の通り、この人の言葉はいつも興味深く、この記事の他の部分も面白いです。

インタビュアー: 最後の質問です。マスメディアの論調や大衆のイメージでは、長年に渡ってプリンスはまるで宇宙人や地球外生物であるかのように扱われてきたように感じます。つまり、彼は人間ではない、と。プリンスの人間性や人間らしさについて、何かシェアできるエピソードや思い出はありますか?

スーザン・ロジャース: 私の知るその人は、とても高い人間性を持っていました。私のエピソードにおいて映し出される人物は、いつも次のように描写することができます。生来の高い IQ を持つ、素晴らしく冴え渡った青年。この青年はその知性と共に、繊細な感性も持ち合わせていました。そしてその青年は、時に混沌とし、時に懲罰的で、時に虐待的でさえあった複雑な環境で育ちました。それは将来の見通しが利かない、苦痛に満ちた環境でした。そして、知性と繊細な感性を持ったこの青年は、その環境で生き抜くためにどちらの道を取るか決断します。つまり、流れに浮かぶ一片の木の葉のように、ただ下流のどこかへと流されてしまうか、それとも、木の葉よりも強くなろうと努力し、筋肉を得て、流れに逆らって上流のより良い場所に泳いで到達するかです。

そして、彼は世間から身を離し、自己鍛錬に励みました。アンドレ・シモンやボビー・Zが語るように、プリンスは仲間とつるんで遊び歩く替わりに、目覚めている時はいつも独りで曲を書き、楽器を演奏することに没頭しました。このように、この10代の青年は世に出て何かを成し遂げるために身を粉にして努力を重ねます。そしてその青年は見事成功し、幸運に見初められ、弱冠18、9才にしてレコード契約を勝ち取ります。そしてその青年は24、5才にして、忽ちのうちに巨額の富を得て、人を雇う立場になります。

さあ、そこでこの青年はどうするのでしょうか? 彼は理解します。彼は、これはとても恐ろしいものであって、ドラッグに手を出したり、途方もない浪費をしたり、奇抜な生活スタイルを送ったり、ニューヨークやLAに移り住んだりすれば全て失ってしまうかもしれないことを理解します。そこで彼は厳しい自制心と自己規律によって賢明な行動をします。彼はミネソタに留まり、やるべき仕事を行い、信頼できる人間を周りに置き、そして精魂を注いで働きます。労働の規範を立て、それまでの仲間達が非雇用者の関係になり、自分のために働いて給料を貰う状況になったことを認めます。そして音楽を次から次へと産み出し、雇用者として、そしてアーティストとしての責任を全うします。そして、インタビューやパブリックイメージに細心の注意を払うようになります。これまでに得たものを全て失ってしまうことにならないように、そして、これからもそれを保持し続けられるように。

これはこれ以上ないほど高い人間性を示すものです。このことは、とても賢明な人間が、自身が幸運であることを知り、その幸運を掴み取るために、自身で意識的に懸命な努力を重ねていたことを示します。プリンスは、チャンスの窓が気紛れに開いたのと同じように、それがいつバタンと閉まるかもしれないものであることを知っていました。チャンスを逃さず窓から飛び出し、窓の向こう側に立つに至った彼は、それを無駄にすることの愚を知っていました。私の考えでは、これは最上質の人間性です。これが他の人だったらこうはなっていなかったでしょう。どうやったら彼よりも上手くこんなことができるかなんて、私には分かりません。だから、彼のことを宇宙からやってきた地球外生物といったニュアンスで通常ならざる人間だと言う前に、立ち止まって考えてみてほしいのです。これらは全て人間性に他ならないものであり、私達にとっても共通しうるものだということに気付いてほしいのです。しかし、それを得るためには、厳しい努力を重ね、沢山のものを諦めなればなりません。彼は子供を持たずにこの世を去りました。彼がこの世を去った時、彼は結婚をしていませんでした。彼には親しい友人が殆どいませんでした。プリンスは、人生において最終的に沢山の犠牲を払いました。プリンスが人間性に欠けていたなんて、私は決して誰にも言ってほしくはありません。