プリンスのデビューアルバム「For You」から、デビューシングルでもある「Soft And Wet」を取り上げます。キャッチーなメロディで、最初の大胆なラインなど歌詞のインパクトも強い印象的な曲です。

Hey, lover, I got a sugarcane
That I want 2 lose in U
ねえ、僕が持ってるサトウキビの茎
君の中で失いたいんだ

この曲の原案はクリス・ムーンでプリンスは共作者です。面白いことに、最初に書かれた時点ではこの曲は全然違う歌詞の曲で、「Soft And Wet」という言葉に際どい意味は一切ありませんでした。クリス・ムーンが書いた初期バージョンの歌詞は、「手懐けられたライオン」でも「夕立ちの雨」でもなく、「アンゴラの毛皮」に「エーゲ海」から始まり、その後は「君は愛の矢を放つとすぐに去ってしまう」みたいな内容の歌になります。正直なところ、リリースバージョンと比べると歌詞がぎこちなくてもどかしいのですが、その後の歌詞の変化を思うととても興味深いです。

Angora fur, the Aegean Sea
It's a soft, wet love that U have 4 me
Beyond the stars, beneath the sea
U're a roamin' traveler on a bended knee
アンゴラの毛皮にエーゲ海
それがソフトでウェットな君の僕への愛
星空の先、海の下
君は片膝ついた放浪の旅人

以下が歌詞が全然違う1976年の初期バージョンです。楽曲アレンジも非常に興味深く、特に終盤で細かくリズムを刻むファンクギターが入っており、はっきりとファンクを主張する曲になっています。プリンスが何でもできる多才なアーティストであることを売りにするのであれば、どうしてリリースバージョンでこれを抜いてしまったのかと一瞬思うのですが、これは、プリンスがデビューの時点で明確にクロスオーバーの実現を狙っていたことのあかしだったのではないかと思います。プリンスのディスコグラフィーでは、セカンドアルバム「Prince」の「Sex Dancer」までファンクギターは出てきません。

別の未発表バージョンです。こちらもはっきりとファンクを主張する曲になっています。歌詞はかなりリリースバージョンに近くなっていますが、まだサトウキビは出てきません。


Hey, lover, I got a sugarcane
That I want 2 lose in U
Baby can U stand the pain?
Hey, lover, sugar don't U see?
There's so many things that U do 2 me
Ooh baby
ねえ、僕が持ってるサトウキビの茎
君の中で失いたいんだ
痛いのを我慢してくれる?
ねえ、ちゃんと気付いてる?
君が僕にしてくれることは沢山あるんだ
ああベイビー

(Hey, lover)
All I want 2 see is the love in your eyes
And all I wanna hear is your sweet love sighs
(Hey, lover)
All I wanna feel is burning flames
Tell me, tell me, baby, that U feel the same
Tell me that U feel the same way I do
Tell me that U love me, girl
僕が見たいのは君の瞳の中にある愛
僕が聞きたいのは君の甘い愛の溜息
僕が感じたいのは燃えさかる炎
教えてよ、君も同じように感じるって
君も僕と同じように感じるって教えて
僕を愛してるって教えて

If this is lust, then I must confess
I feel it every day
If this is wrong, then I long to be
As far from right as I may
もしこれが欲望というものならば
僕は告白しなきゃいけない
僕はこれを毎日感じてるんだ
もしこれが悪いことだというのなら
僕は許される限り正しさからは
遠くに離れていたいよ

Soft and wet
Soft and wet
ソフト・アンド・ウェット
ソフト・アンド・ウェット

Soft and wet
Soft and wet
ソフト・アンド・ウェット
ソフト・アンド・ウェット

Every time I'm with U, U just love me 2 death
Ooh wee, baby, U leave me without, huh, breath
Oh, baby
Ooh, yeah
君と一緒にいるといつも
ああ君は僕をとことん愛してくれる
僕は息するのも忘れちゃう

U're just as soft as a lion tamed
U're just as wet as the evening rain
I really dig it when U call my name
Your love is driving me
U're driving me insane
Crazy, baby
Oh, girl
Crazy about your love
君は手懐けられたライオンみたいに柔らかくて
君は夕立ちの雨みたいによく濡れてる
君が僕の名前を呼ぶ瞬間がとても好きなんだ
君の愛は、君は僕を狂わせるよ
僕は君の愛に夢中だよ

Soft and wet
U know U are soft and wet
4 sure, girl, your love is soft and wet
Ooh, soft and wet
Ahh
ソフト・アンド・ウェット
君は柔らかくて濡れてる
君の愛は柔らかくて濡れてる
ソフト・アンド・ウェット