「Scarlet Pussy」は1988年に「Lovesexy」からのシングル「I Wish U Heaven」の B 面としてリリースされた、プリンスのオルター・エゴ (別人格) である「カミール」の曲です。元々は、未リリースに終わったシーラ・Eの4作目のアルバム用に書かれたのだそうです (PrinceVault)。それにしても一体全体、何なんでしょうこの曲は。とても奇妙で、しかし、恐ろしく才気走った曲です。プリンスが好きだけどこの曲を知らないという人は、人生をちょっと損してる、と言っても過言ではないかもしれません。YouTube に見つからず容易に聴くことができないのが残念です。ちなみに、ここではタイトルへの突っ込みは一切なしでいきます。

一応この曲は、アメリカの TV ドラマ「フレンズ」から連想するプリンスの曲、ということで取り上げることにしました。今回のフレンズの曲は、少々無理やりですが猫つながりでフィービーの「Smelly Cat」です。「Smelly Cat」は、ドラマのテーマソング以外でフレンズの曲といったらこれ、というくらい有名な曲で、「Sticky Like Glue / Sticky Shoes」の記事でも出てきました。

下の動画は、シーズン2、エピソード17「The One Where Eddie Moves In」で、いつも皆が集まるカフェで、6人全員で歌うシーンです。フィービーは歌詞の各ラインを順番に振って歌わせますが、4つしかラインがないので、ロスだけ順番が回ってこないというオチがついてきます。

Smelly cat, smelly cat
What are they feeding you?
Smelly cat, smelly cat
It's not your fault
スメリー・キャット、スメリー・キャット
一体何を食べさせてもらってるの?
スメリー・キャット、スメリー・キャット
あなたのせいじゃないわ

They won't take you to the vet
You're obviously not their favorite pet
It may not be a bed of roses
You're no friend to those with noses
獣医さんにも連れてってもらえない
明らかに飼い主はあなたを好いてない
バラを敷き詰めたベッドもない
(慣用句: 優雅な生活環境ではない)
長い鼻をした生き物ともお友達になれない

下の動画では、フィービー役を演じたリサ・クドローが、テイラー・スウィフトのコンサートに登場し、「とても良いんだけど、でも歌詞をきちんと感じながら歌うともっと良いわよ」とテイラーに指導してあげています。2015年のことだそうです。検索したら上の方に出てきたのでリンクします。

Scarlet Pussy

「Scarlet Pussy」は、名義上はプリンスではなくカミールの曲です。私はシングル「I Wish U Heaven」の実物を見たことがないのですが、画像を検索すると、「Scarlet Pussy」が収録されたレコード B 面のラベルにプリンスの名前はなく、替わりにカミールと書かれています。また、CD シングルではカバーにこの曲は記載されておらず、ある種隠しトラックのようになっているようです。

それにしても、カミールには不思議な力があります。カミールの曲を聴くと、私はおとぎ話の世界に迷い込んだような気分になります。まるで「不思議の国のカミール」です。ちなみに、プリンスにはピッチがいじられたボーカルが登場する曲が色々と存在しますが、正式にカミールの曲と言えるのは10曲しかなく、その内訳は未発表アルバム「Camille」の8曲、「U Got The Look」、そしてこの「Scarlet Pussy」だけなのだそうです。

  • Rebirth Of The Flesh
  • Housequake
  • Strange Relationship
  • Feel U Up
  • Shockadelica
  • Good Love
  • If I Was Your Girlfriend
  • Rockhard In A Funky Place
  • U Got The Look
  • Scarlet Pussy

「Scarlet Pussy」は元々シーラ・Eのために書かれたというだけあって、リードボーカルはシーラ・Eですが、これがまた曲との相性抜群です。曲の方は、何をどう言及したらいいのか分からないほど最初から最後まで色々なことが起こります。それにしても、最初と最後に出てくる何かの鳴き声を模した奇妙な音は一体何なんでしょう?

歌詞について少し言及しておきます。フィービーの「Smelly Cat」は長い鼻の生き物とはお友達になれない猫でしたが、「Scarlet Pussy」の緋色の猫は、一転してド、ド、ドッグ達の憧れとして描かれます。また、「Pussycat, pussycat - wherefore art thou, puppy?」という歌詞は、シェイクスピアの、ロミオとジュリエットの「O Romeo, Romeo! wherefore art thou Romeo? / ああ、ロミオ、ロミオ、あなたはどうしてロミオなの?」をもじったものです。

コーラスの歌詞も、「shoot your ego all over her sheets / シーツがグチャグチャになるまで貴方のエゴを撃ち砕く」など、非常に印象的な表現が出てきます。また、コーラスの最後のラインは「All is fair in love and war / 恋と戦争においては全てが公正である」という諺をもじったものです。通常は到底許されない行為であっても、戦争のような特殊な状況下では正当化されてしまう、というのが元の意味になります。


Once upon a time in the Land of Fever
There lived a scarlet pussy
This kitty cat of fine descent was cherished by her mother
Who wouldn't let another pet her
Unless he was qualified
昔々、ランド・オブ・フィーバーという国に
緋色の猫が住んでいました
この由緒ある血統の猫は母親に大切に育てられ
相応しい資格を備えると母親に認められない限り
この猫を愛でることは決して許されませんでした

Every first of the month this pretty feline got the hots
And that's when the neighborhood d-d-dogs
They'd line up around the block
Meow!
月初めになると決まってこの美しい猫は欲情し
近隣のい、い、犬達は
周辺の通りに行列を作るのでした
ミャーオ!

When my little scarlet feline roars
The locals come around (Come around)
When they see the scarlet light
They know it's time 2 come chase her down (Chase her down)
可愛い緋色の猫が唸り声をあげると
近所の者達は集まりだす
光り輝く緋色の毛並が見えたら
それは彼等の追いかける合図

Lo and behold - the fantastical way in which their bodies groove
My Scarlet Pussy's furry magic alters any mood (Scarlet Pussy, hey)
It's cool (Scarlet Pussy, yeah)
Ahh, pussycat, pussycat - wherefore art thou, puppy?
ご覧なさい - 彼等の肉体が熱くなっていく摩訶不思議な様を
緋色の猫のモフモフした魔法はどんなムードも一変させるのです
これは中々の見もの
ああ、猫ちゃん、猫ちゃん - あなたはどうしてあなたなの、ワンちゃん?

Chorus:
She can make U crazy if U're 2 close 2 her heat
She can make U sad when U're happy as can be
She can make U shoot your ego all over her sheets
All is hers in love and war, my little Scarlet Pussy
彼女の熱に近付きすぎると、彼女は貴方を狂わせる
貴方がこの上なく幸せな時でさえ、彼女は貴方を悲しませる
彼女のシーツがグチャグチャになるまで、彼女は貴方のエゴを撃ち砕く
可愛い緋色の猫 - 恋と戦争においては全てが彼女の思うがまま

Every dog would try his lines 2 get Pussy's attention (Hey, baby!)
All they want is so exposed in ways 2 gross 2 mention (Eew!)
Green virgin teenager or filthy rich yuppie?
Pussycat, pussycat - wherefore art thou, puppy?
(Scarlet Pussy)
犬達は猫の気を惹くため、各々とっておきの口説き文句を尽くすのでした
青臭いティーンエイジャーからお金持ちのシティボーイまで
彼等のよこしまな胸の内はあまりに剥き出しで、口に出すのも憚られます
猫ちゃん、猫ちゃん - あなたはどうしてあなたなの、ワンちゃん?

She can make U crazy if U're 2 close 2 her heat
She can make U sad when U're happy as can be
She can make U shoot your ego all over your sheets
All is hers in love and war, my little Scarlet Pussy
彼女の熱に近付きすぎると、彼女は貴方を狂わせる
貴方がこの上なく幸せな時でさえ、彼女は貴方を悲しませる
貴方のシーツがグチャグチャになるまで、彼女は貴方のエゴを撃ち砕く
可愛い緋色の猫 - 恋と戦争においては全てが彼女の思うがまま

Meow
Now what's going on?
Meow
I don't know, man, look out!
Somebody come get this meow-meow off my leg! (Purr)
Meow! (Hiss hiss!)
Scarlet Pussy
Pussycat, pussycat - wherefore art thou, puppy?
Meow
ミャーオ
んー、何が起きてるの?
ミャーオ
知ったことかよ、あれっ!
このニャンコを足から離してくれ! (ゴロゴロ)
ミャーー! (シッ、シッ!)
緋色の猫
猫ちゃん、猫ちゃん - あなたはどうしてあなたなの、ワンちゃん?
ミャーオ

Chorus
She can make U crazy if U're 2 close 2 her heat
She can make U sad when U're happy as can be
She can make U shoot your ego all over her sheets
All is hers in love and war, my little Scarlet Pussy
彼女の熱に近付きすぎると、彼女は貴方を狂わせる
貴方がこの上なく幸せな時でさえ、彼女は貴方を悲しませる
彼女のシーツがグチャグチャになるまで、彼女は貴方のエゴを撃ち砕く
可愛い緋色の猫 - 恋と戦争においては全てが彼女の思うがまま

All is hers in love and war, my little Scarlet Pussy
可愛い緋色の猫 - 恋と戦争においては全てが彼女の思うがまま

She can make U happy, she can make U sad
She can make U crazy (Crazy)
She can make U shiver from your head down 2 your feet
She can make U shoot your ego all over her sheets (Oh!)
彼女は貴方を幸せにする、彼女は貴方を悲しませる
彼女は貴方を狂わせる
彼女は貴方を頭から爪先まで震わせる
彼女のシーツがグチャグチャになるまで、彼女は貴方のエゴを撃ち砕く

Chorus
She can make U crazy if U're 2 close 2 her heat
She can make U sad when U're happy as can be
She can make U shoot your ego all over her sheets
All is hers in love and war, my little Scarlet Pussy
彼女の熱に近付きすぎると、彼女は貴方を狂わせる
貴方がこの上なく幸せな時でさえ、彼女は貴方を悲しませる
彼女のシーツがグチャグチャになるまで、彼女は貴方のエゴを撃ち砕く
可愛い緋色の猫 - 恋と戦争においては全てが彼女の思うがまま