「Jungle Love」は1984年の The Time のアルバム「Ice Cream Castle」に収録されている曲で、ミネアポリス風ターザン・ファンク、といった感じの曲です。映画「Purple Rain」で The Time が最初に披露する曲でもあり、このバンドの代表曲の一つです。

少し前に、プリンスは関連アーティストを使ってミネアポリスという音楽シーンを作り上げた、という話を書きました。そこからの流れと、6月に The Time が来日するということで、この曲を皮切りに The Time の曲をいくつか取り上げることにします。取り上げる曲は「Ice Cream Castles」、「If The Kid Can't Make You Come」、「Jerk Out」、「Chocolate」を考えています。

プリンスは、「プリンス」の作品のみでは表現しきれない複数の別人格を持っていました。「The Time」というバンド、そしてそのフロントマンである「モーリス・デイ」というキャラクターには、プリンスのそういった別人格の一つを表現するために作られたという側面がありました。

その「モーリス・デイ」は、「プリンス」とは違い、分かりやすい魅力を持った愛すべきキャラクターです。クールで、セクシーで、オシャレ (?) なスーツを着こなし、ユーモアセンスは抜群 (?)、もちろん女性にだってモテモテ (?) です。気難しい性格で、影のある「プリンス」 (そして映画ではキッドという青年) とは対極に位置するキャラクターです。

二人の人物像の違いは、「プリンス」と「The Time」それぞれの作品を聴いてもはっきりと分かりますが、その違いは音楽作品だけにとどまらず、映画「Purple Rain」の導入部でも非常に秀逸に描写されています。

映画「Purple Rain」は、キッド (プリンス) 率いる The Revolution の「Let's Go Crazy」の演奏とともに始まります。舞台はミネアポリスの人気クラブ First Avenue です。続いてモーリス・デイ率いる The Time が登場し、この「Jungle Love」を演奏します。それぞれの演奏の間には、様々な短いシーンが挿入され、シンガーとしての成功を夢見てミネアポリスを訪れたアポロニアも登場し、主要な登場人物それぞれの背景描写が実に効果的に行われます。「Jungle Love」が演奏される中、キッドはフロアでアポロニアと出会いますが、偏屈ぶりを発揮して終始無言のまま挨拶もせずにその場を去ります。華やかなクラブを後にして、キッドはバイクに跨り帰路につきます。しかしキッドが家に帰ると、ちょうどそこではキッドの父親が母親を壁に押しやり怒鳴りつけているところでした。キッドは必死に父親を止めようとしますが、逆に父親に張り倒されてしまいます。

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ここでストーリーはいったん区切られます。驚くべきことに、これだけの内容が詰め込まれていながら、映画が始まってからここまでで12分しか経過していません。これは11分29秒の「The Dance Electric」を1単位とすると、たったの1.04 The Dance Electric です。この12分という短い時間の中で、主要な登場人物のキャラクターの性格や人間関係が実に見事に描写されていることには感嘆するほかありません。私は昔、愚かにも音楽雑誌のシニカルな批評に影響され、深く考えずに「Purple Rain」はB級映画だと思っていました。しかし、実際これほど見事な導入部で始まる映画って他にあるものなのでしょうか? 映画「Purple Rain」は音楽の力と脚本の素晴らしさで奇跡を起こした作品なのだと、私は今になってようやく理解できるようになりました。

そして、この映画の導入部において鑑賞者をガッチリ引き込むのに強力な役割を果たしているのが、「Let's Go Crazy」と、それに続くこの「Jungle Love」です。


「Jungle Love」という曲は、冒頭のモーリスのセクシー (?) な雄叫びや "オーウィーオーウィーオ♪" からターザンをモチーフにしていることは明らかですが、「Jungle Love」という言葉には、異なる人種間での恋愛を想起させる別のニュアンスもあります。次に取り上げる予定でいる「Ice Cream Castles」では、このことがよりはっきりと歌われています。

下のリンクは映画からのカットです。映画ではスタジオバージョンではなく、1983年10月4日のライブ音源が使用されています。

スタジオバージョンはこちらです。3分33秒頃からのジェシーのギターが冴えています。

この曲はプリンス単独の作品ではなく、ジェシー・ジョンソンのデモ音源から生まれました。以下がジェシーの作成したデモ音源になりますが、確認すると2分13秒頃にはブレイクダウンの展開も入っていて、音楽的なアイデアの基礎はジェシーの手によるものであったことが分かります。それにしても、これに "オーウィーオーウィーオ♪" を乗せて「Jungle Love」にする発想は凄く面白いです。

最後にちょっと愚痴です。私が十代の頃、米米 CLUB というグループが流行りました。そのグループは「KOME KOME WAR」という曲で最初のブレイクを得るのですが、それはゴーストバスターズのテーマソングを下敷きにして、それに「Jungle Love」をまんま借用したような、うーん……という感じの曲でした。似たような例でいうと「もっと接近しましょ / The Glamorous Life」もありますが、そちらはアイドル曲ですし、それに子供の頃ファミコンの「ぺんぎんくん wars」で慣れ親しんでいたためかあまり抵抗感がなかったりするのですが、米米 CLUB の方は、まあ時代的にそういうことをしてもOKな雰囲気があったのでしょうが、個人的に、うーん……という感じがします。


I, I've been watching U
I think I wanna know ya (know ya)
Said I, I'm dangerous
Girl, I'd love 2 show ya (show ya)
ねえ、君をずっと見ていたよ
君のこともっと知りたいんだ
俺って危険な男なのさ
ガール、君に見せてあげるよ

[Chorus]
My jungle love, yeah (oh we oh we oh)
I think I wanna know ya (know ya)
Jungle love (oh we oh we oh)
Girl, I'd love 2 show ya (show ya)
俺のジャングル・ラブ
(オーウィーオーウィーオ)
君のこともっと知りたいんだ
ジャングル・ラブ
(オーウィーオーウィーオ)
ガール、君に見せてあげるよ

U, U've got a pretty car
I think I want 2 drive it (drive it)
I ain't playin' said I, drive a little dangerous
Take U 2 my crib, rip U off (huh)
ねえ、君って素敵な車に乗ってるね
それ運転させてくれるかな
俺は本気だよ、ああ、俺の運転は少々危険なのさ
俺の家に連れって君をひん剥いちゃおう

[Backup Signers]
Jungle love

Look out!

[Chorus]
Oh (oh we oh we oh)
I think I wanna know ya (know ya)
Oh, Jungle love, yeah (oh we oh we oh)
Girl, I'd love 2 show ya (show ya)
オー
(オーウィーオーウィーオ)
君のこともっと知りたいんだ
ジャングル・ラブ
(オーウィーオーウィーオ)
ガール、君に見せてあげるよ

[Spoken]
Come on baby, where's your guts?
U wanna make love or what?
なんだいベイビー、今さら怖いのかい?
したいんじゃないのかい? どうなのさ?

(oh we oh we oh)

I, want 2 take U 2 my cage
Lock U up and hide the key (oh we oh we oh)
U, only get water, babe
Cause if U're hungry, take a bite of me (oh we oh we oh)
君を檻に入れたいのさ
錠をかけたら鍵は隠すんだ
(オーウィーオーウィーオ)
君にあげるのは水だけね、ベイビー
お腹が空いたら俺を一つ味わってもらうよ
(オーウィーオーウィーオ)

[Chorus]
Oh, jungle love, yes (oh we oh we oh)
Mmmm Think I wanna know ya (know ya)
Hey, jungle love, mmmmm (oh we oh we oh) mmmmm
Girl, I'd love 2 show ya (show ya)
オー、ジャングル・ラブ、イエス
(オーウィーオーウィーオ)
君のこともっと知りたいんだ
ジャングル・ラブ
(オーウィーオーウィーオ)
ガール、君に見せてあげるよ

Yeah, yeah, yeah, jungle love, uh (oh we oh we oh)
I think I wanna know ya (know ya)
Jungle Love (oh we oh we oh)
Girl I, I think I wanna file my nails
イエー、ジャングル・ラブ
(オーウィーオーウィーオ)
君のこともっと知りたいんだ
ジャングル・ラブ
(オーウィーオーウィーオ)
ガール、つ、つ、爪を研ぎたい気分だよ

[Call Out]
Hey Jesse! N-N-Now Jerome!
Yes! (oh we oh we oh)
Check it out!
ヘイ、ジェシー! それにジェローム!
イエス!
こいつはどうだ?

[Musical Interlude]
(oh we oh we oh)
(oh we oh we oh)
[Keyboard Solo]
(oh we oh we oh)
Brrrrrrrr!
(oh we oh we oh)

[Chorus]
Jungle love, yeah (oh we oh we oh)
I think I wanna know ya (know ya)
Ohhhh, jungle love, yes (oh we oh we oh)
Mmmm, girl, I'd love 2 show ya (show ya)
Uh-eh, now jungle love, well (oh we oh we oh)
Mmm, I think I wanna, think I wanna (know ya)

Jellybean, uh!
ジェリービーン!

Whooooo! (oh we oh we oh)
Yeah-eh-ah-ah!

[Call Out]
Jesse! Give me one of 'em sexy solos
Right here
Break it down, uh!
ジェシー、セクシーなソロをくれよ
ブレイクダウン!

[Guitar Solo]

Yeassssss....Huh!
Whoa! Eh! Ha! Nuh!
Get, get out of the way!
Muh-move over!
Yeaaaah!
ここをどいてくれよ!
どいてくれったら!

Oh, jungle love, that's right
Can't nobody funk [?] with me
I got a bearskin rug (oh we oh we oh)
I got a fireplace, 2 (oh we oh we oh)
And I'm all the way wild baby (oh we oh we oh)
All the things I could do 2 U (oh we oh we oh)
ジャングル・ラブ、そうさ
俺に変なマネをしてタダですむ奴は誰もいないぜ
俺の家には熊の毛皮の敷物があるんだ
暖炉だってあるしね
俺はとことんワイルドなのさ
俺が君にできることは一杯あるんだ

Hoooooo!

[Guitar Solo Continues]

Hey-eh-eh-eh-eh!
Jungle love [3x]
Yes! Yes!

[Outro]
Ha ha!
Ah, that's it, that's it
Come on!
Huh ha ha huuuah
Shit!
Uh huah!