「Chili Sauce」は The Time の1984年のアルバム「Ice Cream Castle」に収録されている曲です。いや、これは曲と言っていいのでしょうか? ちょっと悩みます。ですが、「プリンス」のアルバムでは聴くことのできないコミカルなプリンスが楽しめる一曲です。それに、バックグラウンドの音楽もなかなかムードがあります。最初は「If The Kid Can't Make You Come」を取り上げようと思ったのですが、それならこれを先に書かないと、ということで取り上げます。


Baby, baby, baby
What's it gonna be?
Baby, baby, baby
Is it him or is it me?
ベイビー、ベイビー、ベイビー
どうなんだい?
ベイビー、ベイビー、ベイビー
彼にするの? それとも僕にするのかい?

唐突ですが、これはプリンスの「The Beautiful Ones」の歌詞です。映画「Purple Rain」では、モーリス・デイに口説かれるアポロニアを前にして、プリンスはステージに立ち、この曲を歌い、そして仰向けに倒れ絶叫します。

そして今回取り上げる「Chili Sauce」でも最後にモーリスは女性に同じ問いかけをします。

What's it gonna be, baby?
どうなんだい、ベイビー?

選択を迫られた女性は、思わずこの言葉を漏らします。

- Chili sauce
- チリ・ソース

Oh Lord... 意味が分かりません! しかもこの曲のリズムパターンに注目してください。なぜか「The Beautiful Ones」と一緒です。そういえばアルバムの3曲目というところまで両者は一緒です。どうしてこのリズム? と戸惑う中、突然の台詞が場の空気を引き裂きます。

(Ah, good evening Mr. Day. 2 4 dinner?)
(これはデイ様、こんばんは - 2名様ですね?)

文字にするとインパクトが全く伝わらないのが口惜しいです。クレジットはされていませんが、この曲でウェイターを演じる声はもちろんプリンスのものです。

この曲では歌は一切入らず、モーリスを主役にして寸劇が繰り広げられます。台詞の一部は映画「Purple Rain」に流用されています。

morris-day-brass-waterbed

(Ah, good evening Mr. Day. 2 4 dinner?)
Yes, give us one of those little sexy tables in the back
(Oh, I'm sorry Sir, those are all taken.)
Jerome ...
(Urgh! I think maybe we can arrange it, Mr. Day.)
Thank U so much
- Oh Morris, was that necessary?
Jerome...
- OK, OK, I'm sorry
(これはデイ様、こんばんは - 2名様ですね?)
ああ、奥のセクシィな席を用意してくれよ
(申し訳ないです - 奥の席は先約で全て埋まっているんです)
ジェローム・・・
(はうぅ! やっぱりご用意できそうです)
どうもありがとう
- モーリス、そこまでする必要があったの?
(ゲホッ、ゲホッ)
ジェローム・・・
- はいはい、分かったわよぅ

(Right this way, Sir.)
U know, this is an exciting establishment U have here
(What I wouldn't give for a broken bottle.)
I can't hear U, what'd U say?
(I said... I said, "Yes, we're remodeling"
Mm, hmm
(どうぞこちらです)
ここはなかなかエキサイティングな場所だね
(割れた瓶でもないものかしら)
よく聴こえなかったんだけど、何か言ったかな?
(いえ、その、今はリノベーション中だと言ったんです)
フ・フーン

(Cocktails before dinner?)
Yes, two Pina Coladas
- Make mine a virgin
(OK, will U be having a virgin as well?)
Yes! For dessert! Ha ha ha ha ha!
(Sir, I'm afraid I don't get it.)
(ディナーの前にカクテルをお飲みになりますか?)
ああ、ピニャコラーダを2つ頼むよ
- 私のはバージンにしてね
(分かりました、デイ様もバージンを召し上がりますか?)
もちろんさ! デザートに頂くよ! ハー・ハ・ハ・ハー!
(恐れ入ります、おっしゃっていることがよく分かりませんが)

Say, do U know how 2 do "the walk"?
(Why? Certainly everyone can do "the walk")
Well honey, why don't U just walk your ass 2 the other side of the room?
(Fuck U, 2.)
Ah my dear, it's rough at the top
あのねえ、ザ・ウォークのやり方は知ってるかい?
(え? もちろんですよ - ザ・ウォークなら誰だってできます)
なら君もさっさと部屋の向こうへウォークしたらどうだい?
(それはどうも)
ああ全くトップに立つのも楽じゃないね

Jerome? Ehem, get your pad and pencil. I think it's gonna be kinda right
If my judge of character's correct, it's gonna be by the letter tonight
Now stop me when I get 2 17
ジェローム? 紙と鉛筆をくれよ - これはバッチリかもしれない
俺の見たてが正しければ、今夜は文字通りに行けそうなんだ
俺が17まで言ったら止めてくれ

Excuse me, baby
I bet U didn't know I had a piece of this restaurant, did U?
But it looks like I'm gonna have 2 buy the whole thing and fire that man
あのさ、ベイビー
知ってたかな? このレストランは俺が一部持っているんだよ
だけどここを全部買い取ってあの男をクビにしなきゃいけなそうだね

May I taste that?
Excuse me, that's kinda weak. Here, try mine. U know...
- Good God!
They say that saliva is an aphrodisiac
U look so lovely tonight
- Why? Thank U
Probably even better under exotic red lights
君のを一口もらっていいかな?
ズズ・・失礼 - これじゃちょっと弱いんじゃないかな、俺のを飲んでみなよ
- ゴホッ、ゴホッ・・ゲェ!
唾液には催淫効果があるって言うよね
今夜の君はとっても素敵だよ
- ゴホッ、あ゛、あ゛りがと、ゴホン
エキゾチックな赤い照明なら君を一層引き立てられるんじゃないかな

I wish U could see my home, it's... it's so exciting
In my bedroom, I have a brass waterbed
- Really?
Mm hmm. It's just surrounded by plants and lights and shit
And all kinds of little erotic artifacts
We could have breakfast in bed
- Oh!
I have an Italian cook. Jerome Sa ... Sa ... Sasacagracci or something like that
俺の家を見せてあげたいよ・・・とってもエキサイティングなんだ
寝室には、ブラスのウォーターベッドがあるんだ
- 本当に?
もちろんさ、植物や照明やら何やらに囲まれててね
それに色んな種類のエロチックなオブジェもある
朝食はベッドで食べるのもいいね
- 素敵ね!
俺はイタリア人のコックを雇ってるんだ
そいつはジェローム・サ・・ササカグラッチとか、そんな感じさ
- ウフフ

It's funny, your eyes when U stare at me like that. It causes my ... my stomach 2 quiver
Oh Lord!
おかしいね、君の瞳ときたら、君にそんなふうに見つめられると
俺のお腹が震え出してるよ
すごいね!

Do U like diamonds?
- Mm, hmm!
Yeah?
- Yeah!
I know it's rather masculine, but try this one on
- Wow!
My God darling, it fits. U must have strong hands
But they're so soft. Like the oils in my morning bath
(Somebody help me)
Darling?
- Yeah
君はダイヤモンドは好きかな?
- ええ好きよ
本当に?
- ええとっても
これはちょっと男向けのものなんだけど、はめてみてよ
- わあ!
ダーリン、ぴったりだ、君の手はきっと力強いんだね
だけどとっても柔らかいよ
俺が朝に入るお風呂のオイルみたいにね
(誰かちょっと)
ダーリン?
- なあに?

I'm not usually so forward, but... would U like 2 make love 2 me?
- Hmmm?
I ... I could make it so nice
Do U know what is meant by the words, uhh...? I hate 2 use them
They're ... they're so harsh, so american. U know what I mean?
いつもの俺だったらこんな不躾なことは言わないんだけどさ
俺としたいと思わないかい?
俺は・・・俺はとってもよくしてあげられるんだ
こんな言葉で俺の気持ちが通じるかな?
だから言葉は嫌いなんだ
全くアメリカンできつ過ぎるだろ? 分かるかい?

And yet on the other hand, they're exciting words The words, "Chili sauce"
Oh Lord!
けれどもその一方でね、エキサイティングな言葉もあるんだ
その言葉は "チリ・ソース" さ
ああ、すごいだろ!

U know, I haven't made love in so long
But with U, I know it would be just like riding a bike
I'd remember everything I've ever learned
実はね、俺は長いことご無沙汰してるんだ
でも君とだったら、自転車に乗るのと同じようなものだよ
いったん覚えたことなら全部ずっと覚えたままなのさ

Baby, if the Kid can't make U come, nobody can
(Morris...)
Yeah
(17.)
Oh, um ...
What's it gonna be, baby?
- Chili sauce
Oh Lord!
ベイビー、もしこのキッドが君をいかせられなかったら
誰だって無理さ
(モーリス・・・)
何だ?
(17)
エヘン
どうなんだい、ベイビー?
- チリ・ソース
ああ、すごいよ!