「With You」はプリンスのセカンドアルバム「Prince」(1979年) に収録されている曲です。私にとって特別に愛着がある曲のひとつで、繊細で親密な雰囲気を持った穏やかな曲です。歌詞も、手垢の付いた表現なのかもしれませんがとても良いです。

I guess my eyes can only see as far as U
どうやら僕の目は君がいる範囲までしか見ることができない
I only want 2 be with U
僕はただ君と一緒にいたい

この曲は、再生回数でいったらおそらく私の人生でナンバーワンになると思います。ただし、これは別段凄い曲というわけではありません。それどころか、曲の作り自体はかなり凡庸です。Peach & Black Podcast のアルバム「Prince」のレビューを確認したら、「これを聞いて気分を害さないで欲しいんだけど」との前置きの後、この曲は笑ってしまうくらいケチョンケチョンに言われていました。37分頃から「With You」のレビューになります。

この Podcast の「With You」に対する大筋のレビューを意訳で抜粋すると、次のような具合です。

  • レビュアー4人中3人まもでが、「With You」をアルバムの pure skipper、most skippable song、即ち、飛ばしても一切の問題がない曲、アルバムで最も不要な曲、という烙印を押しています。
  • 「陳腐すぎる」
  • 「ファーストアルバム For You の残り物」
  • 「他の曲はファーストアルバム For You から大きく前進を見せているのに、アルバム中これだけが唯一進歩していない」
  • 「コード進行が凡庸で退屈」
  • 「スローすぎてスキップボタンを押したくなる」
    (これに関しては、こんなに短い歌詞で、別に無駄な引き伸ばしがあるわけでもないのに、何で聴き終えると4分も経過しているのだろうと、私もちょっと不思議に思うことがあります。)
  • 「この時期のプリンスにお馴染みのストリングスを真似たシンセが、この曲に限ってはウザい」
  • 「最後は妙に大層な終わり方をしているけれど、プリンスはこれがあまりにも何もない曲だと気付いて、最後に何かしなきゃと思ったんじゃないか」
  • 「アルバム曲順で前の When We're Dancing Close And Slow がせっかく幻想的で魅惑的な曲なのに、2連続でバラードを入れるなんてプリンスは一体何を考えてるのか?」
  • 「もしこれを取り除き、以降の曲を前に詰めて、When We're Dancing Close And Slow の魅惑的な雰囲気を残したまま Bambi の強烈なイントロを繋げる流れだったら、アルバムは指数関数的に凄さを増していた」
    (これは全くその通りで、もし When We're Dancing Close And Slow のアウトロに続いて、あるいはレコードの B 面をかけていきなり Bambi の強烈なイントロが響いたら、アルバムは遥かにインパクトの強いものになっていたと思います。そうなると確かに With You の居場所はなくなります。)
  • 「これよりもジル・ジョーンズ (Jill Jones) に歌わせたバージョン (1987) の方がずっと良い」
    (これだけは私は違う印象です。個人的には、ジルの情熱をこめたボーカルでは、この曲の長所である繊細さと親密さが失なわれてしまっているように感じます。ただし、敢えて言うことでもありませんが、ジルのボーカルは素晴らしいです。)

とまあ、何もそこまで言わなくても…というくらい酷い言われようです。とはいえ、ちょっとボリュームを上げてヘッドホンかイヤホンでアルバムを通して聴くとこの人達の言っていることは理解できます。他の曲はどれもファーストアルバムとは違って、新しい息吹を得て光り輝いているのに、「With You」だけ周回遅れで昔の場所に留まっている感じがします。薄々感じていたことではあるのですが、このようにズバリ指摘されるとなるほどと思います。

なぜ私がこの曲に愛着を持っているのか伝わらない記事になってしまいましたが、それでも「With You」、それもプリンスのバージョンの「With You」は、私にとって特別な曲です。リンクした YouTube クリップは、プリンスが好きな人が作ったんだなと思わせる素敵なビデオです。私のこの曲に対する思いは、多分このビデオを作った人と同じです。


I've held your hand so many times
もう何度君の手を握ったことだろう
But I still get the feeling I felt the very first time
だけど今でも初めて君の手を握った時と同じ気持ちになる
I've kissed your lips and laid with U
君に口づけをして寝そべる
And I cherish every moment we spend in each other's arms
そしてお互いの腕の中で過ごす時間を大切に胸に抱く
I guess my eyes can only see as far as U
どうやら僕の目は君がいる範囲までしか見ることができない
I only want 2 be with U
僕はただ君と一緒にいたい

We've come so far in so little time
僕らはほんの少しの時間でとても深く繋がった
That sometimes I wonder if this is meant 2 be
時にこれは運命だったのかと思う
Sometimes U are so very kind
時に君はあまりに優しいから
That the nights U're not with me I'm scared that U're gonna leave
君が傍にいない夜は君が去ってしまわないかと怖くなってしまう
I guess U could say that I'm just being a fool
まるでお馬鹿さんみたいって君は言うのかもしれない
But I only want 2 be with U
だけど僕はただ君と一緒にいたい

I guess U could say that I'm, I'm just being a fool
まるでお馬鹿さんみたいって君は言うのかもしれない
But I always, always want 2 be with U
だけど僕はいつも、いつも君と一緒にいたい