He was a private man, but through his music, he’s already said more than people realize.
プリンスはプライベートを明かさない人でしたが、音楽を通して、彼は (自分の人生について) 世の人々が気付くよりもずっと多くのことを既に語っています。

上記の引用は、マイテの本「The Most Beautiful: My Life With Prince」のプロローグからです。

マイテの本を読んで感銘を受けたことは沢山あります。その核となる部分についてはまだ上手く考えをまとめることができそうにはありません。ただ、自信を持って即座に言えるのは、マイテは、その辺の音楽ジャーナリストよりも遥かに優れたプリンスの音楽の理解者である、ということです。よくよく考えれば全く意外なことではないのですが、このことには感銘と同時にちょっぴり驚きました。

今回の記事で取り上げる曲は、本の中で直接言及されているわけではないものの、本を読みながら頭の中で流れた曲のひとつになります。


その前に、少し本題から離れた話をします。

おそらく、マイテの本に対して翻訳版が出てくれないかと思っている人もいるのではないかと思います。ちょうど少し前、2月末にアラン・ライト (Alan Light) のパープルレイン本「原題: Let's Go Crazy: Prince and the Making of Purple Rain」の翻訳が出版されたように。あの翻訳版を有り難いと感じている人は多いと思うので水を差すのは心苦しいのですが、翻訳のまずさを指摘する人がいないようなので注意喚起の意味で声を上げておきます。

アラン・ライトのパープルレイン本は、原著と翻訳版ではかなり印象が異なります。実際に両者を読み比べると、おそらくかなりのショックを受けると思います。翻訳版を読んだだけでは私が大袈裟に言っているとしか思えないかもしれませんが、両者は殆ど別の本と言って良いほど全体を通して文章のニュアンスが異なるので、誇張なしに本当にショックを受けると思います。品質に手間をかけられるタイプの書籍ではないため、単純な誤訳も目立つのは仕方がないと思いますが、何よりも、おそらくプリンスを殆ど知らない人によって翻訳されていると思われるのが痛いです。せめて誰かプリンスをもっと知っている人が監修についてあげれば良かったのにと思います。


話を戻します。

「Until U're In My Arms Again」は、プリンスや O(+> 名義ではなく、New Power Generation 名義でリリースされた1998年のアルバム「Newpower Soul」に収録されている曲です。プリンスの音楽を革新性や実験性でしか評価することができない人にとっては、この曲は「プリンスにしては凡庸」の一言で片付けられてしまうものかもしれません。とはいえ、少し変わった電子音と美しいクレア・フィッシャーのオーケストラの組み合わせで、何とも不思議な雰囲気の曲ではあります。

この曲の歌詞が意味するところについて、プリンスは自らの口ではっきりと明言はしていないと思います。しかし、私はこれは普通のラブソングではないとずっと感じていました。

私は、様々な面でマイテの本は非常に意義深いものだと思っています。その理由としては、息子のアミール (Amiir) がこの世に生を受けた短い間、プリンスが素晴らしい父親であったとマイテが語ってくれていることもそのひとつに数えられると思います。これを語ることができる人は、この世にマイテを置いて他にはいないので、彼女が意を決して本を出版してくれたことを私はとても感謝しています。あまり書きたいことではありませんが、当時の雑誌には、プリンスは息子に繋がれた生命維持装置を切る指示を出したことで殺人の罪に問われる可能性がある (あるいはプリンスが自ら装置を切ったと書かれていたかもしれません。記憶があやふやですが、いずれにせよ事実ではありません) などの様々なゴシップが書き立てられたように覚えています。このことも含め、マイテの本では、ファンが長く抱いていたであろう様々な疑問に対して、思慮深くも明確に答えを示してくれています。

昨年、マイテは次のように発言しています。

I don’t think he ever got over it. I know I haven't.
プリンスが息子の死を乗り越えられたとは思えないわ。私がそうであるように。

He’s with our son now. I know they’re finally together.
プリンスは今私たちの息子の傍にいるわ。二人はやっと一緒になれたの。

この曲に込められた思いは、これに近いものなのかもしれない、と私には感じられます。私にとっては、とても深く、美しい曲です。


All of my life I've never wanted anyone like I wanted U
Every night I said a prayer 2 God and His angels
I'm sure they knew
この人生で、君と同じくらい大切な人は今まで誰もいなかった
毎晩僕は神と天使たちに祈りを捧げた

The many tears that I'd have 2 cry
If I ever had 2 leave your side
神や天使たちはきっと知っていただろう
もし君の傍を去らなければならなくなったとしたら
僕はどれほどの涙を流さなければいけないのかを

Chorus:
Until U're in my arms again
I know this pain will never end
This broken heart will never mend
Until U're in my arms again
再び君をこの腕に抱く時が来るまで
この痛みは決して終わることがない
この壊れた心は決して繕われることがない
再び君をこの腕に抱く時が来るまで

Every morning when I awaken, I imagine U sleepin' in your bed
Wrong or right the reason U're taken from my embrace
Well, it's never said
毎朝目を覚ますたびに君がベッドで眠っている姿を想像する
誤っていようが正しかろうが君が僕の庇護から離された理由は
決して言葉にはされない

Cuz every day that U don't return
Is another day that my heart just yearns and yearns
That's why...
なぜなら君が還らない日々がやって来るたびに
僕の心がどこまでも君を待ち焦がれる日が繰り返されるのだから

Chorus:
Until U're in my arms again
I know this pain will never end
This broken heart will never mend
Until U're in my arms again
再び君をこの腕に抱く時が来るまで
この痛みは決して終わることがない
この壊れた心は決して繕われることがない
再び君をこの腕に抱く時が来るまで

If life remains a mystery
Then there's no reason 2 the rhyme
もし人生が謎に包まれたままであるなら
この詩の理由をときほぐすこともない

And U, U'll never know what U mean 2 me
Till U're mine, all mine
君は僕にとってどれほど大切な存在かを知ることはないのだろう
君が僕の元に戻る時が来るまでは

Until U're in my arms again
Until U're in my arms again
Until U're in my arms again
再び君をこの腕に抱く時が来るまで
再び君をこの腕に抱く時が来るまで
再び君をこの腕に抱く時が来るまで

(Chorus)
Until U're, until U're, until U're in my arms again
No, ain't never gonna end
Never gonna mend
Until U're back, right back in my arms again

I'll never see like others see
(I know that U'll come back 2 me)
I know U're gonna come right back 2 me (Come on back 2 me)
And this time U will never leave my arms again
(Never leave my arms again)
Until U're in my arms again {x3}
Come on back, baby
Come on back {x2}
Until U're in my arms again {x2}
僕は決して他の人が見るようには見ない
僕は君が還って来ると知っている
そうすれば今度は二度と君がこの腕から離れることはない
再び君をこの腕に抱く時が来るまで
戻っておいで
再び君をこの腕に抱く時が来るまで