She Gave Her Angels」ときたらこの曲に触れないわけにはいきません。同じく Muppets Tonight で放送された「Starfish And Coffee」です。 本当は、この曲は1987年「Sign O' The Times」に入っているオリジナルのスタジオバージョンが素晴らしいのですが、YouTube で見つかる Muppets Tonight の方をリンクします。

一応断っておかないと気が済まないので書いておきますが、こちらはプリンスがよくやるオーバープロデュースにより、元曲の良さが消失してしまっている残念なバージョンです。 子供向けの曲としてこのように改変したのは理解できるのですが、個人的には、このバージョンを聴くたびに「あの素敵な曲がこんなことになってしまって…」と軽くショックを受けてしまいます。

そんなことはお構いなしの、サムネイルではどアップのプリンスです。曲は44秒ごろから始まります。

さて、「Starfish And Coffee」もまた歌詞が不思議な曲です。 「She Gave Her Angels」とは違って、明らかに楽しい曲だというのは一応分かります。しかし、タイトルの「ヒトデとコーヒー」からしてあまりにも意味不明です。

ということで、まあ割と知られている話ではあるのですが、この曲がどうやって作られたかについて書きたいと思います。

この曲はスザンナ・メルヴォインとの共作です。 実は、この曲に出てくるシンシア・ローズという女の子はスザンナの小学校6年間一緒だったクラスメイトで、実在の人物です。キャスリーン先生もそうです。この曲の歌詞は、スザンナがプリンスに語った、シンシアとの思い出が元になっています。

シンシアは、別の世界からやってきたような、ちょっと変わった女の子でした。 好きな数字当てクイズをして、答えはいつも同じ数字なのに、スザンナが正解を言い当てると「何で分かったの?」と嬉しそうに驚いたり、 曇った通学バスの窓に指でスマイルを描いたり…… そして、朝ごはんに食べたものとしてシンシアが言うのは、決まって「Starfish and pee-pee! (ヒトデとしーしー)」でした。

ある日、プリンスはスザンナにシンシアとの思い出を紙に書くようにお願いしました。 書き上がったものを読んで、 「pee-pee はマズいよね。代わりにコーヒーでも良いかな?」と聞き、 スザンナがもちろんと頷くと、プリンスは別階にあるスタジオに消えました。

10時間後、エンジニアのスーザン・ロジャーズがスザンナをスタジオに呼ぶと、 そこには少し疲れた様子で「出来たよ」と微笑むプリンスがいました。

It was 7:45 we were all in line / To greet the teacher Miss Kathleen
7時45分、キャスリーン先生にあいさつするため僕らは一列に並ぶ
First was Kevin, then came Lucy, third in line was me
最初はケビン、次はルーシー、列の3番目は僕
All of us were ordinary compared to Cynthia Rose
僕らはみんな、シンシア・ローズと比べたら普通の子供
She always stood at the back of the line / A smile beneath her nose
彼女はいつも列の後ろに立って、鼻の下でニンマリしていた
Her favorite number was 20 / And every single day
毎日いつも、彼女のお気に入りの数字は20
If U asked her what she had for breakfast / This is what she'd say
朝ごはんに何を食べたか尋ねると、決まって彼女が言うのは…

Starfish and coffee / Maple syrup and jam
ヒトデとコーヒー - メープルシロップとジャム
Butterscotch clouds and a tangerine / A side order of ham
バタースコッチの雲とタンジェリン - サイドオーダーのハム
If U set U're mind free, baby / Maybe U'll understand
もし心を自由にしたら、たぶん分かるよ
Starfish and coffee / Maple syrup and jam
ヒトデとコーヒー - メープルシロップとジャム

Cynthia wore the prettiest dress but different color socks
シンシアはとびきりのドレスを着て - でも色違いのくつ下
Sometimes, I wondered if the mates were in her lunchbox
僕はときどき彼女のランチボックスにあれが入っているのか気になって
Me and Lucy opened it when Cynthia wasn't around
シンシアがいないときにルーシーと一緒に開けてみたんだ
Lucy cried, I almost died / U know what we found?
ルーシーは泣き出すし、僕は心臓が止まるかと思った - ねえ何が入っていたと思う?

Starfish and coffee / Maple syrup and jam
ヒトデとコーヒー - メープルシロップとジャム
Butterscotch clouds and a tangerine / A side order of ham
バタースコッチの雲とタンジェリン - サイドオーダーのハム
If U set U're mind free, baby / Maybe U'll understand
もし心を自由にしたら、たぶん分かるよ
Starfish and coffee / Maple syrup and jam
ヒトデとコーヒー - メープルシロップとジャム

Cynthia had a happy face / Just like the one she draws
シンシアは楽しそうな顔 - まるで彼女が描くような
On every wall, in every school but it’s alright
それも全部の学校の全部の壁に - でも大丈夫
It’s for a worthy cause / Go on Cynthia! / Keep sayin'
それは良いことだから - いいよシンシア - 歌を続けて

Starfish and coffee / Maple syrup and jam...
ヒトデとコーヒー - メープルシロップとジャム…

もうお分かりのように、シンシアは自閉症らしき症状を持つ発達障害の女の子でした。 「でも、心を自由にして向き合えば、無垢で美しい内面を持っているよ」 というのがこの歌のメッセージです。

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