「Goodbye」は私の選ぶ曲の1位になります。この曲は1996年のアルバム「Emancipation」のアウトテイクですが、幸いなことに1998年の「Crystal Ball」にてオフィシャルリリースされています。私はオフィシャルリリースの1年くらい前に「Fantasia」という3枚組のブートレグでこの曲を初めて聴きました。

この曲を初めて聴いた時のことは今でも何となく覚えています。私はその日、西新宿でこのブートレグを買い、家に帰ってからとりあえず一通り流していました。この曲は3枚目の最後から2番目に収録されており、当時はまだ正式名称が不明で「(Excuse Me Is This) Goodbye」というタイトルが付けられていました。最後の曲は「Emancipation」のデモバージョンであったため、「これが実質的に最後の曲だな」と思って何の気なしに聴き始めたところ、全くの予想外の曲が流れ出しました。

それは、私がプリンスを聴くようになって以来、ずっと心の中で「プリンスにこんな曲を作ってほしい」と思い描き続けてきた曲でした。初めて聴く曲なのに、まるで生まれたときからずっとこの曲を知っていたように感じられました。それからしばらく、この曲ばかりを何度も繰り返して再生しました。

メインボーカルはファルセットですが、通常レンジのボーカルもあり、さらに時にファルセットがか細く極めて高い音程になったりと、ボーカルは様々に色を変化させながら揺れ動きます。ボーカルが単トラックになるときは世の中から隔絶されたような孤独感と喪失感が漂うのに、それなのにコーラス部でボーカルが多重トラックになると一転して優しく柔らかい空気が場を包み込みます。

なぜこの曲が私にとってこれほど特別なのか、理屈ではうまく説明できません。補足のつもりで、2016年のスーザン・ロジャースのレクチャーとそこで紹介されていたプリンスの印象的な言葉を前回記事にしました。



Last night when I left U fast asleeping
I should have contemplated suicide
昨夜深い眠りについた君の元を去った時
僕は自死に思いを巡らすべきだった

4 the smile upon your face that's well worth keeping
By morning - smears 4 every tear U cry
なぜなら君の顔に浮かぶ、かけがえのない微笑みは
朝には全て涙で塗り潰されてしまうのだから

I could manage a week or 2 without those kisses
It'd be hard, but something tells me I could try
一、二週間なら君の口づけがなくても耐えられるだろう
困難だろうが、やってみれば何とかなるのかもしれない

Chorus:
4 that matter, whatever 2 make U reconsider
Is there truth when U make love 2 a lie?
Excuse me, but is this really goodbye?
それに言うなら、君が思い直すのに何が必要であっても
嘘に愛を捧げることに真実はあるのだろうか
ねえ、本当にこれでさよならなの?

Why'd I ever let U in this morning?
Why'd I let U come inside my door?
どうして今朝は君を迎え入れたのだろう?
どうして君を部屋に入れたのだろう?

I should have known without that smile adorning
Your face - a kiss was not what U came 4
微笑みに飾られれていない君の顔から
君が口づけを求めて来たのではないことに気付くべきだったのに

That's when your hand reached out 2 touch me gently
At least that's how it happened in my mind
だけどその時君は手を伸ばし、優しく僕に触れた
少なくとも僕の心の中では君はそうしてくれた

Chorus:
4 that matter, whatever 2 make U reconsider
Is there truth when U make love 2 a lie?
Excuse me, but is this really goodbye?
それに言うなら、君が思い直すのに何が必要であっても
嘘に愛を捧げることに真実はあるのだろうか
ねえ、本当にこれでさよならなの?

Can't begin 2 understand how I think about U (Everything)
Everything I wanna do, I cannot do without U
どうしたら君への想いを推し量ることができるかも分からない
僕の望むことは君と一緒でなければ何もすることができない

However wrong U want - I'll be
Just please (please) don't leave (Don't leave)
If it means this life without U, baby
I swear I'll spend it on my knees
Excuse me, but is this really goodbye?
君が如何なる過ちを望んだとしても - 僕はそれになる
だからどうか僕の元から去らないで
もしそれが君なしの人生を意味するというなら
僕は跪いて一生を過ごすと誓う
ねえ、本当にこれでさよならなの?

Last night when I left U I was so sure
We'd be 2gether 4ever and 4 days
昨夜君の元を去った時、僕は疑いもしなかった
僕たちは永遠にいつの日までも一緒にいるだろうと

And now my shade of blue couldn't get no bluer
I don't even know what I did 2 make U go away
今や憂鬱の影はどこまでも暗く
なぜ君を失わなければならないのかも全く分からない

I could possibly stage a front and play the cool one (Cool one)
Heart in my hand tryin' 2 hold back every cry
僕は舞台の主役となり、凛と平静を演じることもできよう
心を手に、涙を精一杯抑えながら

But who would applaud me when it's U, my one and only
Who ever gave me a good reason not 2 die
Excuse me, but is this really... (Goodbye)
Excuse me, but is this really... (Goodbye)
Excuse me, but is this really goodbye?
だが誰が喝采を上げるだろう
僕に死を思いとどまる理由をくれたのは
僕の唯一の人 - 他ならぬ君だというのに
ねえ、本当にこれで、本当にこれでさよならなの?