前回の記事があまりにもトレーニングと無関係だったので、ちょっとトレーニングのことも書くことにします。

以前、背中のトレーニングの基本という記事で、記事を書くための導入としてこんな質問を投げかけました。

トレーニング部位の中で、トレーニングのやり方がよく分からず最も難しいと感じる部位はどこですか?

この質問は、もともと多くの人に参考になるものを何か書きたいという動機があって選んだものです。いわば私の中では「背中」という答えが最初から決まっている質問でした。

しかし、実は私の場合、この問いの答えは「背中」ではありません。私がこれまで長年トレーニングをしてきて、最もやり方に悩んだ部位はダントツで「胸」でした。トレーニングを体の部位別で考えたとき、私は正直胸以外で悩んだことはあまりないような気がするのですが、胸だけは「何で上手くいかないのだろう」とフラストレーションを感じながらトレーニングをしていた時期があります。

私がどのように胸のトレーニングをしてきたかについて、昔を振り返ってみたいと思います。

最初はベンチプレスから・・・

今から20年くらい前、私が大学生でトレーニングを始めた頃の胸のメニューは次のようなものでした。

  • バーベルベンチプレス
  • バーベルインクラインプレスやペックデックマシン

2種目以降どういう順番でトレーニングをしていたかはもう忘れてしまいましたが、最初の種目がバーベルベンチプレスだったことは憶えています。胸の日は、最初にバーベルベンチプレスを行うのが約束事のように決まっていました。

また、当時は胸のトレーニングの方針として次のようなことがよく言われていました。

胸はベンチプレスで筋量を増やし、フライで形を整える

これはベンチプレスを最初に行う私にとっては別に障害になることではないので、「ふーん、そういうものなのか」と、あまり深い疑問は挟まずにトレーニングをしていました。

トレーニング再開、そしてボディビルを意識したトレーニング

その後トレーニングはやったりやめたりを繰り返していましたが、20代後半にふと思い立って、趣味として真剣にトレーニングを再開しました。私には重量を挙げる素質がないことは知っていましたが、ボディビルならどうだろうと思って、よりボディビルを意識したトレーニングをするようになりました。

その結果、私にはボディビルの素質もないことが分かりました。まあそれは仕方がないことなのですが、仕方がなくないこととして、「ボディビルの胸のトレーニングとは一体何なのか」という根源的な問題にぶち当たりました。差し当たって直面したのは「ボディビルの胸のトレーニングは〇〇ではない」という問題です。例えば、今でもよく言われる次のような主張があります。

  • ボディビルダーにとってバーベルベンチプレスは適切な種目ではない
  • ボディビルダーにはバーベルベンチプレスを行わない人も多い

この例をひとり挙げるとドリアン・イェーツがいます。ドリアンは、フラットベンチでのバーベルベンチプレスは効果的でないとして、この種目を行わないことで知られていました。

私は困惑しました。それまで「バーベルベンチプレス=胸のトレーニングで最も基本的かつ重要な種目」という図式でトレーニングをしてきた私にとって、これは天地がひっくり返る考え方です。しかし一方で、バーベルベンチプレスを否定せずに普通に行うボディビルダーもいます。 そのため、これは単にバーベルベンチプレスを行わなければ良いという話ではない、ということは何となく想像が付きました。しかし、「ボディビルの胸のトレーニングは〇〇ではない」の〇〇にバーベルベンチプレスを当てはめるだけの単純な話ではない、という所までは行き着いても、どうにもその先の全体像をはっきり掴むことができません。

ドリアンや故マッスル北村等の凄まじいトレーニングを見て勉強しようとしても、当時の私には彼らの技術を理解できるだけの知識は備わっておらず、重量や筋量などの表面的なところを見て凄いと思うだけで、悩みが解決することはありませんでした。

しばらくフラストレーションを抱えながらのトレーニングが続きましたが、その後、私にとって胸のトレーニングに対する意識を大きく変える、2つの事柄に出会うことになりました。

ということで、いつになるか分かりませんが続きます・・・