皆さんは他人のウェブサイトを見るとき、その人のプロフィール欄はチェックしますか? 私は気になる情報に出会ったら、とりあえずその情報を発信している人のプロフィールをチェックします。ボディビルダーなのかパワーリフターなのか S&C コーチなのか、あるいは運動学や栄養学や生理学等の知識はどうなのか、その人のバックグラウンドが分かった方が文脈がくみ取りやすくなるからです。

私はというと、このブログのプロフィールはサボって空欄にしています。もともと気まぐれで公開しているブログで更新も稀ですし、私自身は特に凄い肉体をしているわけでもなくこの分野の教育を受けたこともありません。フィットネス関連の仕事をしているわけでもないのでプロフィールに書くような経歴も持っていません。あそこって「資格:普通自動車免許」とかむりやり埋めてもダメですよね。

私がブログを書いていることを実生活で知っている人はほぼいないし、ネットでも現在はあまり人との繋がりがない状況なので、このブログに訪れてくれる方の割合としては Google や Yahoo などの検索経由が高いと思います。検索でたまたまここに訪れた方は私がどんな人間か知らないと思いますので、年齢だけでもここに書いておきます。私は1976年生まれの39歳です。時が流れるのは早いもので、私が初めてバーベルに触ってから20年近くの年月が経ちました。

そんな私が最近になってようやく大切さを身に染みて実感するようになってきたことがあります。それはトレーニングで怪我をしないことです。そんな当たり前のことを知らなかったのかと思えますが、実感として分かってきたと思えるようになったのはごく最近のことです。

私はトレーニングをスタートした時点で既に腰や肩や肘などを怪我していました。そもそも私がトレーニングを始めたきっかけは、漠然と筋トレというものをすれば強い肉体が作れて怪我が治るのではないかと思ったからです。結局、これらは筋トレで治癒する類のものではなかったようで、特に腰や肘はずっとトレーニングにも支障を及ぼし続けています。しかし、これらは最初から抱えている問題ということもあり、「感覚ズレ」を起こしてそれが普通になってしまっています。トレーニングのやり方が不味くて身体を痛めたことも沢山あるのですが、その度に対処して、それで若い頃は大きな不都合を感じることはありませんでした。しかし、もう若くなくなり、「お体にお気をつけて」とか「ご自愛ください」というお決まりの言葉に段々と重みを感じるようになってくると、トレーニングと身体の意識も少しずつ変化してくるものです。

Paul Carter の Lift-Run-Bang のブログから、興味深いエピソードを引用します。

When I was younger, I loved doing skull crushers. They were my favorite triceps movement.
(僕は若い頃、スカルクラッシャーをするのが好きだった。それは自分にとってお気に入りの三頭筋の種目だったんだ。)

"You mean elbow killers?" is what the "old lifters" used to tell me.
(「それってエルボーキラーのことかい?」 - ベテランリフターにこう言われたものだ。)

I argued vehemently that I had been training for 10 years, and that my elbows had never bothered me a day in my life, and that I knew it all.
(僕は激しく反論したよ。それまで10年もトレーニングをしていて肘のトラブルなんて一度も起きたことがなかったし、自分は熟知していたんだからね。)

My elbows are a constant problem now, and I cannot bench or press without wraps, most of the time.
(今では僕はいつも肘の問題に悩まされている。殆どの場合、ラップをしないとベンチもプレスもできなくなってしまった。)

これはとても示唆に富むエピソードだと思います。1年や2年、さらには10年続けて大丈夫だろうと思っていたことでも、さらに続けたときに身体はあなたを裏切ることがあるのです。そして、「これはおかしい」と気付いたときには既に手遅れで、もう完全には元通りにならないかもしれないのです。もし、あなたの周りにベテラントレーニーがいて、あなたも長くトレーニングを継続したいと思っているのであれば、その人の言うことには耳を傾けておいた方が良いかもしれません。Dorian Yates は三頭筋断裂がきっかけで現役を引退しました。Ronnie Coleman は引退後いくつかの手術を受けています。彼らはボディビルの歴史を塗り替える偉業を成し遂げ、他のビルダーから一般トレーニーまで多くの人に多大な影響を与えましたが、こういった部分に関しては同じ轍を踏まないように気を付けなければいけないと思います。

こういったタイプの怪我の予防というのは説明すると長くなってしまうと思うのですが、参考に、Paul が挙げているもののうち最初の3つを箇条書き部分だけ引用します。

  • Wide stance raw squatting
    (ノーギアのワイドスタンススクワット)
  • Pushing through when fatigued
    (疲労が溜まった状態で追い込む)
  • Training too heavy all the time
    (常に重すぎる重量でトレーニングする)

現在、私がトレーニングをする一番の目的は、肉体の見た目を変えることに変わりましたが、元々トレーニングを始めたのは、怪我をしない強い身体を作りたいという思いからでした。トレーニングによって逆に身体を痛めてしまうというのは、私にとっては初心に反する行為です。トレーニングを始めてとりあえず20年近くが経ちましたが、今から20年後もトレーニングが継続できる身体を保ち続られるように気をつけたいと思います。


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