一般的に、世の中ではアップライトロウという種目は肩と僧帽筋を複合的に鍛えるものと捉えられているフシがあります。ネットで検索しても、「アップライトロウは肩か僧帽筋か?」とか「アップライトロウは僧帽筋も使うから背中の日にやるべきか?」みたいな海外フォーラムのスレッド等が色々ヒットしますし、どうもアップライトロウで僧帽筋を使うのは当たり前みたいな考えがあるように思えます。

しかし、この種目については私は違うイメージを持っています。私のイメージでは、アップライトロウは三角筋の強烈なアイソレーション種目です。「強烈な」という修飾語はアイソレーションに掛かります。つまり、アイソレーションの度合いが物凄いということです。例えて言うと、私のアップライトロウのイメージはこうです。
  • アップライトロウは、ヘビが獲物をギリギリと締め付けるように、有無を言わせず集中的に三角筋にヒットする無慈悲な種目です。
でも、「アップライトロウで僧帽筋を使ってしまうのはどうやっても避けられないんだけど、何をもって有無を言わせないほどの強烈なアイソレーション種目と言い切ってしまっているのだろう?」と思った方もいると思います。

そんな方に試してもらいたいアップライトロウのやり方があります。
  1. プーリーケーブルスタックにロープ等のグリップを付け、滑車の位置を一番下まで下げます
  2. グリップを持ってケーブルスタックに足を向けて床に仰向けに寝ます
  3. アップライトロウをします
デモをしている動画を youtube から引っ張ってきました。

upright rows on the floor(instructional)


Shoulders- Lying Upright Row


ただ寝ただけなのにそれがどうしたの?と思うかもしれませんが、今まで僧帽筋の関与を必死に排除しようとしながらこの種目を行っていた人は、これを試したらかなりびっくりすると思います。こうすると、自然と僧帽筋を関与させる余地がなくなって、三角筋への一点集中種目となります。なぜそうなるのかあれこれ説明するよりも、試してもらった方が早いです。というか、これは実際に試してもらわないと分からないと思います。本当に有無を言わせずというかんじで、自然とアイソレーション種目になります。

「床に仰向けに寝る」というので少し人目が憚られるのと、そもそもアップライトロウの相談を受けること自体が殆どないので、このやり方のアップライトロウは今までほんの数人の人にしか試してもらったことがありません。でも、その人たちもこれを試してびっくりしてくれたように記憶しています。しかし、これがアップライトロウを適切に行った場合に本来得られる感覚なんです。

一つ残念なのは、このやり方を試すためには滑車の位置が可変なプーリーケーブルスタックが必要なので、そういう設備を備えたジムでないとこれを試すことはできないというところです。ただし、「床に仰向けに寝る」というところがポイントだと思うので、試したことはないのですが、同様のやり方であればチューブなどを使っても同じような感覚が得られるのではないかと思います。

アップライトロウやサイドレイズ等の三角筋のアイソレーション種目が苦手で、「ヘビが獲物をギリギリと締め付けるように三角筋にヒットする」という感覚を体験したことがない方には、このやり方のアップライトロウを試してみてほしいです。まさに「無慈悲」という言葉で形容したくなるような感覚を味わうことができると思います。