想像してみてほしい - もし想像がつくなら、の話だが。

あなたに良心というものがかけらもなく、どんなことをしても罪の意識や良心の呵責を感じず、他人、友人、あるいは家族のしあわせのために、自制する気持ちがまるで働かないとしたら…
人はだれでも、人間には良心が当然そなわっていると思いこんでいるから、あなたはなんの苦もなく自分に良心がない事実を隠すことができる。そんなあなたは、どんなふうに人生を送るだろう。自分は巨大な能力を隠しもち、ほかの人たちはハンディキャップ(良心)を抱えている、という条件を、どんなふうに生かそうとするだろう。

じつのところ、これほど感情移入がむずかしい状態は、ほかに考えにくい。全盲、鬱状態、深刻な認知障害、宝くじに当たったときなどの極端な体験、あるいは精神病までも、私たちは自分に置き換えて想像ができる。だれでも真っ暗闇の中にとり残された経験がある。憂鬱になったこともある。宝くじに当たったらどうするか、想像をめぐらせたことがある。そして、夢の中ではイメージや思考が錯乱する。

だが、自分の行動が社会、友人、家族、子どもたちにおよぼす影響を、「完全に」無視できる状態とは?

私たちにとって、良心の存在はあまりに当たり前で、めったに意識もしない。誘惑がきわめて大きい場合はべつとして、たいていの場合、良心は反射的に働く。私たちが良心を求めたわけではない。良心は皮膚や肺や心臓と同じように、生まれたときからそなわっているものだ。行ってみれば、私たちはそのありがたみも感じていない。そして、自分に良心がない状態は、想像することもできない・・・

私たちは、誰かが悪いことをしたとき、誰かから理不尽な仕打ちを受けたとき、それはその人が理性が弱まったために間違った判断をしたのだと考えたがります。つまり、あの人が悪いことをしたのは、貧しいからだ、心が乱れていたからだ、育ち方のせいだ、と。何らかの理由があって、その人は良心の働きが弱い状態にあったのだと。

誰だって良心の働きは常に一定なわけではありません。犠牲を払ってでも良心に強く突き動かされることがある一方、ときには誘惑に負けてしまうこともあります。

しかし、そうではなく、そもそも神がその人に良心を与えていなかったのだとしたら?
なんらかの行動を起こすとき - それが良いことであっても悪いことであっても - そこに良心がいっさい働いていないとしたら?

この本は、アメリカには人口の約4%、25人に1人の割合で、良心をもたない人(サイコパス、ソシオパス)が存在する、というものです。ちなみに東アジア(日本や中国など)ではこの割合は大幅に減るらしいです。

ここまで読んで、「そうそう、良心のない人っているよね~」という感想を抱くかもしれません。実際に誰かの顔を想像したり・・・でも、この本で扱っているのは、そのような想像を超えた、それよりもずっと特異な精神構造を持つ人たちの話です。

不幸なことに、私たちは良心をもたない人を見分けることはほとんどできません。その理由は、まさにその人が良心をもたない、ということに関係します。

著者によるとこういうことです。

信じてはいけない相手を、どうやって見分けるか。それにたいする私の答えに、たいていの人は驚くようだ。多くの人は、正体がかいま見えるぶきみな行動や動作、おどすような言葉づかいを期待する。だが、私はそういうものの中に、頼りになるヒントはひとつもないと答える。

いや、答えは一言なんですが、、、良心をもたないということはどういうことか?ということも含め本の全体を読まないと理解しづらいところだと思うのでここには書きません。。。