トレーニーにとって、グルタミンは BCAA と並んでポピュラーなアミノ酸だと思います。日本語でグルタミンのサプリメントについて調べると、ほぼ必ず筋肥大や筋分解防止に効果があるようなことが書かれています。このため、グルタミンは、良く分からないけれど BCAA と似たようなものだろうという印象を持っている人が多いのではないでしょうか。

まあいいです。とりあえず結論を最初に言っておきます。グルタミンは、トレーニーにとっては不要なサプリメントです。

ちなみに、グルタミンは「金の無駄 (waste of money)」という言葉ととても相性が良く、殆どセットで使われます。google で "glutamine is a waste of money" と引用符で囲ってフレーズで検索すると、29,800件もの検索結果が返ってきます。
※"whey is..."、"whey protien is..."、および "BCAA is..." だと、3、4件しか返ってきません。

●グルタミンとは

グルタミンは体内に最も豊富に存在するアミノ酸です。グルタミンは必須アミノ酸 (体内で合成不可能なアミノ酸) ではありませんが、怪我や病気の条件下では不足する場合があり、外から摂取する必要が生じることから、準必須アミノ酸と呼ばれます。
ちなみに、どんなに激しくウェイトトレーニングを行ったとしても、ここでいう「怪我や病気の条件下」のようなグルタミンの不足状況になることはありません。

●グルタミンの代謝

グルタミンの代謝は一風変わっており、経口摂取ではそもそも大半が血中に届きません。大部分 (~65-75%程度) が腸で利用されます。過敏性腸症候群のような疾患にはいくらか症状を緩和する効果があるかもしれません。

●グルタミンと筋タンパク質合成

ラットでは、(人間では不可能なグルタミンレベルにおいて) 筋タンパク質合成の促進と筋分解を抑制する効果が確認されています。
人間では静脈投与でも経口投与でも筋タンパク質合成は起こりません。

●グルタミンサプリメントの研究結果

・0.9g/kgLBM のグルタミン vs 同量のマルトデキストリン(60kgLBMなら54g)
→ 6週間のレジスタンストレーニングで筋力および筋量増加の差異なし (1)

・トレーニング前に0.3g/kg のグルタミン
→ パフォーマンス向上の効果なし (2)

・持久運動後に EAA+炭水化物 vs EAA+炭水化物+グルタミン
→ 筋グリコーゲンおよび筋タンパク質の合成に差異なし (3)

・0.35g/kg のグルタミン vs プラシーボ
→ 12日間の短期間の大幅なカロリー制限で体重・筋肉・体脂肪の減少に差異なし (4)

●まとめ

グルタミンは、トレーニーにとっては不要なサプリメントです。

●参考

・Lyle McDonald, The Protein Book
http://bodyrecomposition.com
1. Candow DG, et al. Effect of glutamine supplementation combined with resistance training in young adults. Eur J Appl Physiol. 2001 Dec;86(2):142-9.
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/11822473

2. Antonio J, et al. The effects of high-dose glutamine ingestion on weightlifting performance. J Strength Cond Res. 2002 Feb;16(1):157-60.
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/11834123

3. Wilkinson SB, et al. Addition of glutamine to essential amino acids and carbohydrate does not enhance anabolism in young human males following exercise. Appl Physiol Nutr Metab. 2006 Oct;31(5):518-29.
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/17111006
4. Finn, K.J., et al. Glutamine Supplementation Did Not Benefit Athletes During Short-term Weight Reduction. Journal of Sports Science and Medicine, (2003) 2 (4), 163-168.
http://www.jssm.org/vol2/n4/7/v2n4-7text.php