トレーニング種目には「いわゆる正しいフォーム」というものがあります。スポーツクラブのインストラクターが初心者に対して「この種目はこうするのが正しいんだよ」と教えるようなフォームです。

でも知識と経験を積み重ねてくると、色々と気付いてきます。「その正しいと言われているフォーム、実はおかしいんじゃないの?」って。

そんな中で特に根強く誤解が残っているのがスクワットだと思います。一般に正しいと言われているスクワットのフォームって以下のような説明になると思います。

----------------------------------------
膝はなるべく前に出さないようにして、替わりにお尻を突き出して腰を引いてしゃがみます。膝を出すのはタブーです。膝を痛める原因になります。
----------------------------------------

これをおかしいと主張する人ってなかなか見かけません。なので、あえてブログの記事にしました。

そのフォーム、良くないです。むしろ膝を痛める原因になります。

インストラクターのやるデモのスクワットでは、確かにスッとパラレルまでしゃがんでスッと立ち上がって奇麗なフォームに見えるかもしれません。でも、その「正しい」フォームが上手く行くのは、デモの重量だからです。バーベルにプレートを足していくうちに、そのフォームは破綻します。高重量でパラレルまでしゃがんでしまうと、

・上体を前傾させるので腰の負担が増えます。
・バーが前方にシフトして、膝に負担が掛かって膝を痛めます。

膝を痛めるのは膝が出るからではなく、「いわゆる正しいフォーム」でやっていることが原因なんです。

実際にこのフォームで膝を痛めるところまで行かないのは、ちゃんとしゃがめるのは負担の少ない低重量までで、高重量だと現実にはパラレルまでしゃがむことが難しいからです。で、何だかスクワットって辛くてやりにくい種目だな~と思うわけです。そして自分は足首が固いから、股関節が固いから、、、なんて自分の体のせいにします。

でも違います。それは体のせいではなくフォームのせいです。
スクワットって、あなたが考えるよりもずっ~とやりやすい種目です。

スクワットのフォームには、大きく2つのやり方があります。ハイバー (オリンピック) とロウバー (パワー) です。

個人的な意見ですが、ハイバーで上手くしゃがむためのコツの掴み方だけ簡単に説明します。

・膝を前に出さないという意識は完全に捨てる
・スタンスは肩幅より広くとる
・上体はあまり前傾させないようにする
・膝を外側に向ける

でもって下半身の空いた空間に上半身をスッと沈めるかんじです。

先日本屋で読んだのですが、トレーニングマガジンの Vol.10 にも同じことが書いてありました。一般的に正しいとされている膝を出さないスクワットのフォームはおかしいと。元ミスターユニバースの JPC 杉田会長という方の記事です。この記事、トレーニーには一読の価値があるかもしれません。私にはなるほど思うことが多かったです。

----------

追記です。

正確な引用ではないんですが、上の雑誌の記事ではこのスクワットのことを以下のように評しています。

バーベルを担いでデッドリフトをさせてスクワットと呼んでいる妙なスクワット

ああ、、なるほど。。。。これを正しいとして行っている方には申し訳ないのですが、このスクワットに対して私が覚える違和感はまさにこれです。この正しいスクワットって「妙」なんです。



2015/07/01 追記

この記事についてもっと詳しい説明が欲しい方もいると思いますので、補足記事を書きました。

スクワットで膝を出してはいけない教 - 補足

補足記事では、このスクワットのどこが間違っているのか、正しいスクワットとはどういうものなのかについてもう少し丁寧な説明を書きましたので、この記事に興味を持った方はこちらもチェックしてみてください。