腰への危険性が高いトレーニング種目といえば、一般的にはデッドリフトやスクワットが挙げられます。しかし、あまり多くの共感は得られないかもしれませんが、私にとってはそれよりもずっと困難な、というか普通に行うのが不可能な種目があります。それは、45度レッグプレスです。
私は腰椎分離症による慢性的な腰痛を持っているのですが、デッドリフトは無理をせずフォームを誤らなければ腰を痛めることはありません。スクワットはのしかかる負担を体幹で受け止めなければなりませんが、ある程度までは対応可能です。しかし、45度レッグプレスをそれなりの重量でやろうとすると、私はかなり浅めでしか行うことができません。過去に一度無理をして普通の人並みの深さでやったことがあったのですが、直後から危ない感じになり、翌朝に人生唯一のぎっくり腰体験をやって2週間くらい殆ど寝たきり状態になってしまうという失敗を犯しています。
ところで、ぎっくり腰の痛みって痛いというより熱いんですね。倒れてから数日間は、自分の身体が腰から焼けて引き裂かれたのではないかと錯覚するような強い痛みに断続的に襲われて、これに懲りてもう二度とこの失敗は犯さないと誓いました。今から10年前の話ですけど、それ以来ぎっくり腰はやっていません。
ということで、これまで私は45度レッグプレスは次のようなバリエーションで行っていました。
● 浅めに行うとまあなかなか上手い方法がないので、結局は普通のフォームでやや浅めというのがこれまでの私のレッグプレスのやり方でした。
通常はこれです。深く行ったときほど強い刺激は得られないかもしれませんが、個人的にはこれで十分効くと思ってやっています。
● 背もたれを使わずに上体を起こす
腰の負担は減るように感じるものの全体的な姿勢は楽ではありません。刺激が大腿上部に移行するので、膝の負担を軽くしたいときや膝が温まっていないウォームアップセットでこのように行うことがあります。
● 片脚で行う
使用重量が落ちるぶん理論的には腰の負担が軽減されそうに思えるのですが、私にとっては微妙に腰にしんどい姿勢を強いられるため、これはこれで辛いです。あまり行うことはありません。
ところがこれに加えて、最近試してお気に入りになったバリエーションができました。腰の負担が少ないため私には大変やりやすく、現在脚のメイン種目の一つとしてよく取り入れています。それが今回の記事のタイトルです。
● Charles Glass の片脚レッグプレス
これはつまるところ上体を傾けて行う片脚レッグプレスなのですが、一般的なバリエーションではなく正式名称がないため、勝手に「Charles Glass の片脚レッグプレス」と呼ぶことにします。ちなみに、Charles Glass という人は、自身も IFBB プロビルダーとしての経歴を持っていますが、海外のボディビルリソースでトレーニング情報をチェックしている人ならご存知の通り、現在ではそれよりも世界最高のトレーナーの一人として有名です。このバリエーションは、この人が Dexter Jackson に行わせている動画で知りました。
このバリエーションはフォームの自由度が高く、やり方によって大腿四頭筋から臀部やハムまで多様な部位をターゲットに行えます。例えば、高いレベルを目指すビルダーなら大腿四頭筋の「Outer Sweep (外の広がり)」を作るために行えますし、女性なら臀部のトレーニングとして行えます。私は残念ながらそのどちらでもないので特に必要性を感じる種目ではなかったのですが、最近興味本位で試したところ、これが驚くほど腰にやさしい種目ですっかりお気に入り種目になりました。
見た目変則的なフォームでちょっと敬遠したくなるかもしれませんが、ただ上体を少し傾けるだけならば実際の刺激はそれほど変則的ではなく、脚の基本種目として十分使える優れた種目だと私は思います。ちなみに、45度レッグプレスだけなく、水平レッグプレスでもこのバリエーションで行うことは可能です。私のように通常のレッグプレスでは腰の負担を感じるような人には、やり易さが劇的に改善するのでかなり使える種目だと思います。お勧めです。
Charles Glass と Dexter Jackson の動画。シートからはみ出るほど上体を傾けています。
たまたま見つけたキレイな女性の動画。私はこれに近いフォームでやっていると思います。この人は臀部にフォーカスしてやっているようですが、私は脚のメイン種目としてなるべく大腿四頭筋に乗せるような意識で行っています。
おまけで Dennis Wolf の片脚ハックスクワット。変則的なフォームですが、実際に真似してみると意外とやり易く、気持ちよく下半身に刺激を得られます。これも個人的には良い種目だと思います。