OneH

主にトレーニングとダイエットのブログ。それとプリンス。

「Saviour」は1996年の3枚組アルバム「Emancipation」の2枚目終盤に収録されている曲です。歌詞には前回の「Forever In My Life」を思い起こすような様々な表現が含まれていますが、(アルバムバージョンの) 「Forever In My Life」とは異なり音楽面ではとてもドラマチックで高い熱量を持っており、新たな情熱で作られた曲であることがはっきりと分かります。私にとっては特別な曲の一つで、まだ取り上げきれていない「私の選ぶ曲一覧」の中の一曲になります。

プリンスにはたくさんの素晴らしいラブバラードがあり、ほんの一例を挙げるだけでも様々な曲が思い浮かびます。プリンスが初めて書いた "my jam" として回顧録で語られている「Do Me, Baby」、優雅でありならが鬼気迫る凄まじさの「The Beautiful Ones」、プリンスのラブバラードの代表曲ともいえる偉大な「Adore」、妖しく官能的な「When 2 R In Love」、それに個人的な好みでいえば心が穏やかになる「With You」やユーモラスな「International Lover」、プリンスの中でも最も親密さを感じられる曲かもしれない「Insatiable」なども捨てがたいです。また、マイテは本を出したときのインタビューで、「Friend, Lover, Sister, Mother/Wife」を最も好きな曲として挙げていました。そんな中で、プリンスのラブバラードにおける最高の到達地点は何かと問われたら、それはこの「Saviour」かもしれない、と個人的には思います。アルバム「Emancipation」の2枚目は、丸々全てがマイテという一人の女性への愛で作られています。甘い曲、穏やかな曲、幻想的な曲、美しい曲、真摯な曲、1枚の中でも様相は変化していきますが、その中で「Saviour」は最も強く大胆に情熱が表現されている曲です。

We're like 2 petals from the same flower, baby
We're like 2 branches from the same tree
(2 drops of water from the same sea)
Whenever I look in your eyes, I can see a paradise
U're my saviour, U're all I ever need (Saviour)
僕らはまるで同じ花から生える二枚の花びらのよう
僕らはまるで同じ木から伸びる二本の枝のよう
(同じ海から生まれた二滴の雫のよう)
君の瞳を見つめるといつも楽園が見える
君は僕の救世主、僕に必要な全て

上に引用したように、プリンスはこの曲でマイテのことを「同じ花から生える二枚の花びらのよう / 同じ木から伸びる二本の枝のよう」と歌っていますが、プリンスは1996年のオプラ・ショウのインタビューで、マイテと自分は前世で同じ人物だったように感じていると語っています。リンクの動画で15分20秒頃からです。

O(+>: I feel like she was either my sister or we were the same person or something in another life. There's a closeness that you know is right and you don't argue with.
前世では、彼女は僕の妹だったか、あるいは僕たちは同一人物だったかのように感じるんだ。この親密さは正しいものだと確信できるし、そこには議論の余地もないんだ。

Oprah: Well, isn't this all kind of weird?
そう、でもそれって凄く変なことじゃない?

O(+>: Well, it depends on how you look at life.
まあ、人生をどう捉えるかによるんだろうね。

Oprah: It seems to me, I would just say this is a description of the two of you. When he talks about you, there's a thing that happens in his eyes.
あなた方二人を見てると言えることがあるの。彼があなたのことを話すと、彼の目に何かがきらめくのよ。

O(+>: I do feel that I've come closer to who I aspire to be by being with her.
確かに、彼女と一緒にいることで、僕はなりたい自分に近付いていると感じるんだ。

Oprah: Really?
そうなのね。

O(+>: Mm-hmm.
そう。

Oprah: And what does she do for you that you didn't have alone?
それで、彼女があなたにしてくれることで、あなたが一人では成せなかったこととは何なのかしら?

O(+>: She makes it easier to talk to God.
彼女は僕を神と話しやすくさせてくれるんだ。

... (中略)...

Oprah: (20分20秒頃) What would you like to say about your relationship? Will it be forever?
自分たちの関係をどのように思っていますか? 永遠といえるでしょうか?

Mayte: Just... yeah, it will be forever.
そうね、永遠だと思うわ。


余談ですが、この曲には2回ほど曲のトーンが変わるように感じられる箇所があります。そして個人的にはそれぞれに別のイメージが重なります。最初は2分35秒頃、"What would I be without your love around me?" の部分です。この懐しい感じは……金曜ロードショーの初代オープニングかと思うのですが、実際に聴き比べてみるとそこまでぴったり重なるわけではないような気もします。他に何かミックスされているような気もしますがそれが何なのかは分かりません。

2番目は終盤へと繋がっていく前の4分37秒頃からの展開です。ここは加トちゃんの「ちょっとだけよ」、「あんたも好きねぇ」の音楽に聴こえて仕方がありません (笑)。

最後に変な余談を挟みましたが、この曲は何度聴いても本当に心を打たれます。


How did I ever come this far without U, baby?
What was I thinkin', what was I tryin' 2 be?
Never did U ever give me reason 2 doubt U, baby
U are my destiny and this I truly see
僕は一体どうやって君なしでここまで来たのだろう?
何を考え、何になろうとしていたのだろう?
君は僕に一切の疑いも抱かせようがなかった
君は僕の運命 ー 僕には心から分かる

I can see we're like 2 petals from the same flower, baby
We're like 2 branches from the same tree
Whenever I look in your eyes, I can see a paradise
U're my saviour, U're all I ever need (Saviour)
僕らはまるで同じ花から生える二枚の花びらのよう
僕らはまるで同じ木から伸びる二本の枝のよう
君の瞳を見つめるといつも楽園が見える
君は僕の救世主、僕に必要な全て

I used 2 say no one lover could have me, no one lover
That was before my eyes had seen the light
2 make love with another, uh-uh, I couldn't do it, no way (couldn't do it)
U're my saviour (saviour), U're the only one that does it right
かつての僕はこう言った
僕は決して一人の恋人のものになはらないと
でもそれは僕の目が光を見る以前のこと
他の人と愛し合うなんて、絶対にできようもない
君は僕の救世主、僕を満たす唯一の存在

Can't U see we're like 2 petals from the same flower, baby?
We're like 2 branches from the same tree
Whenever I look in your eyes, I can see a paradise
U're my saviour, U're all I ever need
僕らはまるで同じ花から生える二枚の花びらのよう
僕らはまるで同じ木から伸びる二本の枝のよう
君の瞳を見つめるといつも楽園が見える
君は僕の救世主、僕に必要な全て

What would I be without your love around me?
(Oh, what would I be, oh, without your love?)
What would I see, U constantly astound me
(Oh baby, U know U constantly astound me)
Saviour, saviour, oh saviour (Oh)
僕はどうなっていたのだろう?
もしも君の愛がなかったのなら
僕は何を見られるのだろう?
君は耐えず僕を驚嘆させてくれる
救世主よ、救世主よ

Well
Oh, ooh (Saviour)

Oh, how did I (how did I) come this far
Without U, baby? (without U, baby) I don't know
What was I thinkin' (what was I thinkin')
What was I tryin' 2 be? (I don't know)
But what I do know is that...
一体どうやって君なしでここまで来たのだろう?
僕には分からない
僕は何を考え、何になろうとしていたのだろう?
僕には分からない
でもこれならば分かる

(Can't U see we're like)
We're like 2 petals from the same flower, baby
We're like 2 branches from the same tree
(2 drops of water from the same sea)
Whenever I look in your eyes, I can see a paradise
U're my saviour, U're all I
U're my saviour, U're all I ever
U're my saviour, U're all I ever need (Saviour)
Saviour, U're all I ever need
僕らはまるで同じ花から生える二枚の花びらのよう
僕らはまるで同じ木から伸びる二本の枝のよう
(同じ海から生まれた二滴の雫のよう)
君の瞳を見つめるといつも楽園が見える
君は僕の救世主、僕に
君は僕の救世主、僕に必要な
君は僕の救世主、僕に必要な全て

Saviour, U (I adore U)
U are my flower, baby (flower)
Ooh, every, every hour, oh, yes U are
Won't U come and justa rain, justa rain!
(Won't U come and justa...)
(Rain some of your sweet love down on me?)
Down on me, down on me!
(Saviour, saviour, saviour)
Yeah, down on me! Whoo! Uh
君は救世主 (君が愛しい)
君は僕の花
いつの時間も、君はそう
こちらに来て雨を、雨を!
(君の愛を雨のように降り注いでおくれ)
僕に、僕に!

このエントリーをはてなブックマークに追加

「Forever In My Life」は2枚組アルバム「Sign O' The Times」(1986年) の1枚目の最後の曲です。この曲は1986年8月6日に Galpin Blvd Home Studio でベーシック録音が行われました。また、今回リリースされた Super Deluxe Edition Vault Track part 2 にはこれまで世に知られていなかった Early Vocal Run-Through バージョンが収録されています。この曲は当時の恋人であったスザンナ・メルヴォワンへの想いを歌った曲で、当時一緒に住んでいたスザンナが、プリンスからこの曲を聽かせてもらったときのことをポッドキャストで少し語っています。

Forever In My Life (アルバムバージョン)

「Forever In My Life」のアルバムバージョンはとてもユニークで印象深い曲です。簡素で独特な楽曲アレンジも気を惹きますが、何よりもこの曲の最大の特徴は、メインヴォーカルとバッキングヴォーカルに奇妙なズレがあるように感じられるところだと思います。しかもバッキングヴォーカルが時にメインかと思うくらいミックスの前面に出ているので、余計にそれが気になります。スーザン・ロジャースによると、これはレコーディング中の「ハッピー・アクシデント」によるものなのだそうです。先に録音したバッキングヴォーカルをミュートにした状態でメインヴォーカルを入れたところ、メインヴォーカルの歌い出しのタイミングを誤って遅らせてしまったことでこの奇妙なズレが生まれたということです。元々はレコーディングのミスになりますが、この結果をプリンスは気に入り、このままゴーサインを出しました。偶然の産物にはなりますが、この曲は言うなればまさしく珍妙無類 (ちんみょうむるい)、個人的には男塾死天王最強にして恐るべき毒手の使い手、影慶 (えいけい) と対峙した厳娜亜羅十六僧 (ガンダーラじゅうろくそう) の囀笑法師 (てんしょうほうし) のセリフを思い起こします。

otoko-eikei-tensho-houshi

歌詞の中では、「Juggling hearts in a three ring circus」という表現が当時のプリンスの私生活を絶妙に上手く言い表しているのですが、私の和訳ではそのニュアンスが欠落しているので補足します。Three-ring circus とは3つ並べられたリングで同時にショウが進行するサーカスのことで、転じてめまぐるしく様々な出来事が起こっている状況を意味します。そこでいくつもの (女) 心をジャグリングするのはもう疲れてしまったということで、プリンスはスザンナ以外の他の身近な女性とも関係を持っていたことを認めつつ、そんな生活はもう終わりにしたいと告白しています。

Forever In My Life (Early Vocal Run-Through)

アルバムバージョンの「Forever In My Life」はとてもユニークで面白いのですが、個人的にはひとつ問題がありました。歌詞の内容的には「Adore」や「Emancipation」の「Saviour」や「Friend, Lover, Sister, Mother/Wife」のような美しく心を打つ曲になってもおかしくないように思われるのに、トリッキーな曲の印象が先立って、私には歌詞に釣り合う感情が込められていないように感じられたのです。まあこれはこれで男の浪花節的な味があって染み入りますし、「Adore」と被る曲調になってもいけませんし、それにその後スザンナとの関係は破局に至ったので、アルバムに収録するにはこれで良かったのかもしれません。しかし私にはずっと、どうにも腑に落ちない気持ちがありました。

そこで今回世に出てきたのがこの Early Vocal Run-Through バージョンです。はい、これを聴いて私の長年の胸のつっかえは取れました。YouTube のコメントで「The released version is genius, but this is AMAZING」と書かれている方がいますが、私もそう思います。アルバムバージョンは確かに独創的で興味深いのですが、このバージョンは、ただただ素晴らしく感動的です。

凄い曲がギュウギュウに詰まっている2枚組アルバム「Sign O' The Times」は、その収録曲のクオリティの高さから一般にプリンスの最高傑作とされています。しかし、その偉大な作品にもひとつ決定的に欠けているものがありました。それは「ハッピーな空気感」です。ザ・レボリューションの解散、そしてスザンナとの破局を経て発表されたこのアルバムは、表面上はハッピーな作品であるかのように取り繕われていますが、根底には暗く沈んだ心が隠されています。従来のアルバムカバーもそれを象徴するかのように、プリンスの顔はぼやけて表情がよく分からなくなっています。ちなみに、それだけに今回アルバムカバーが刷新されたのには個人的に大きなインパクトがありました。新しいアルバムカバーでは、プリンスは半透明人間になりながらも、真ん中に立ってこちらをしっかりと見据えています。

とにかくです。この Early Vocal Run-Through バージョンには、「Sign O' The Times」にはないハッピーな空気感がありました。そして歌詞に釣り合うような心も感じられました。リードヴォーカルが演奏に合ったタイミングで歌われており、珍妙無類なアルバムバージョンを聴き慣れていると逆に違和感があって戸惑うのですが (笑)、プリンスの当初の意図では、「Forever In My Life」とはこんな風に綺麗な流れの曲だったことも分かりました。

そうは言っても、今回リリースされた Early Vocal Run-Through バージョンの感動が今一つよく分からない方もいると思います。このため再び影慶に登場してもらいます。

先の囀笑法師を倒した影慶は、続く颱眩法師 (たいげんほうし) との闘いであっさりと死亡してしまいます。しかしそれは味方を欺く影慶の芝居でした。実は、影慶は塾長の密命を受け、陰から仲間を援護する役割を任されていたのです。

otoko-eikei-mission-1
otoko-eikei-mission-2

死んだと見せかけて皆の前から姿を消した影慶は、陰から度々仲間の命を救います。男塾死天王を束ねる者としていかなる状況下でも沈着冷静に振る舞うクールな男・影慶ですが、その胸の中には仲間を思う熱い血が流れていたのです。

otoko-eikei-revelation-1
otoko-eikei-revelation-2
otoko-eikei-revelation-3

話は前後しますが、さらには影慶は正体を隠し、覆面の助っ人としても登場します。人間の武闘大会なのにハチやピラニアの大群などと闘わせられるという理不尽な役回りもこなすのでした。

otoko-eikei-shokaku-1
otoko-eikei-shokaku-2
otoko-eikei-shokaku-3
otoko-eikei-shokaku-4
otoko-eikei-shokaku-5
otoko-eikei-shokaku-6

影慶の話を交えつつ話を綺麗にまとめるつもりだったのですが、何だかおかしなことになってきたような気がします。中途半端ですが今回はこのまま終わりたいと思います。


La da da da da da da da
La da da da da da da da

There comes a time, in every man's life
When he get's tired of fooling around
Juggling hearts in a three ring circus
Someday will drive a body down 2 the ground
男の人生には必ず訪れるものさ
遊び回るのにくたびれてしまう時が
同時にいくつもの舞台を掛け持てば
いつかは疲れ果て地に倒れてしまう

I never imagined that love would rain on me
And make me want 2 settle down
Baby it's true, I think I do
And I just want 2 tell U that I wanna with U
(Baby, if U do 2)
全く思いもしなかった
我が身に愛が降り注ぎ
身を固めたい気持ちになるなんて
でも本当さ、これは本気なんだ
そしてその伴侶は君であって欲しいんだ

And baby if U do 2
そしてもし君も同じ思いなら

Forever, forever, baby I want U forever
I want 2 keep U 4 the rest of my life
(U can make right)
All that is wrong in my world
(U are my savior)
U can make right
(U are my light)
U are my savior, U are my light
(Forever I want U in my life)
Forever I want U in my life
永遠に、永遠に、永遠に君が欲しい
残りの人生を君を離さずにいたい
僕の世界の過ち全てを君は正してくれる
君は僕の救世主、君は僕の光
永遠に、我が人生に君が欲しい

La da da da da da da da
La da da da da da

(Every man's journey)
There comes a road in every man's journey
(Don't be afraid)
A road that he's afraid 2 walk on his own
(I'm at that road)
I'm here 2 tell U that I'm at that road
(I'd rather walk it with)
And I'd rather walk it
(U than walk it alone)
With U than walk it alone
男の旅路には必ず行き着く道があるものさ
それは自分一人で歩むのは不安な道
君に伝えたいんだ
僕は今まさにその道に立っている
僕は一人でなく君と一緒にこの道を歩みたい

(U are my future)
U are my hero, U are my future
(No past)
When I am with you, I have no past
Oh baby my one and only desire
(Make this feeling last)
Is find some way in this dog gone world
(Sugar, it's true)
2 make this feeling last
(I know I do)
Oh baby it's true, I know I do
(2 with U)
And I just want 2 tell U that
I want 2 with U, yeah
君は僕の英雄、君は僕の未来
君と一緒ならば僕には過去もない
僕がただひとつの望むことは
この厭わしい世界の中にいても
いつまでも絶えることなく
この気持ちを持ち続けることさ
本当さ、これは本気なんだ
そしてその伴侶は君であって欲しいんだ

And baby if U do 2
そしてもし君も同じ思いなら

Forever, forever, I want U baby, baby forever
(U can make right)
I want 2 keep U 4 the rest of my life
(U are my savior)
All that is wrong in my world
(U are my light)
U can make right
(Forever I want U in my life)
U are my savior, U are my light
(La da da da da da da da)
Forever I want U in my life
(La da da da da da da da)
永遠に、永遠に、永遠に君が欲しい
残りの人生を君を離さずにいたい
僕の世界の過ち全てを君は正してくれる
君は僕の救世主、君は僕の光
永遠に、我が人生に君が欲しい

[Refrain]
La da da da da da da da
La da da da da da

[Outro]
Forever in my life
Forever in my life

このエントリーをはてなブックマークに追加

「Love And Sex」は「Sign O' The Times Super Deluxe Edition」の「Vault Tracks part 1」に収録されている曲で、1986年に書かれた曲です。「Purple Rain Deluxe」にも1984年に書かれた「Love And Sex」という曲が収録されており、それもまたとんでもない曲なのですが、今回の「Love And Sex」との共通項はタイトルのみで、両者は完全なる同名異曲です。1984年の「Love And Sex」をお蔵入りにしたためタイトルを流用しても OK との判断だったのかもしれませんが、結局こちらもお蔵入りになり、今回初めてオフィシャルに日の目を見ることになりました。歌詞は女性視点で、今回収録されたオリジナルバージョンとは別に、シーラ・Eのヴォーカルで再録音された大幅に異なるアレンジのバージョンも存在します。しかしながら、それは今回のリリースからは漏れて未発表音源のままとなっています。

元々次に書く予定にしていた、私がある意味プリンスで最も強い衝撃を受けた曲である「Muse 2 The Pharaoh」とアルバム「Rainbow Children」、アルバム「Around The World In A Day」、アルバム「Rave Un2 The Joy Fantastic」、そしてマイテのことなど諸々についてはズルズル引き伸ばしている状態ですが、なかなか腰を据える時間がありません。とりあえず簡単に書けるものに手を付けることにして、この曲を取り上げます。

まだ殆どまともに聴けていないながら、今回のリリースには驚かされっぱなしです。例えば「La, La, La, He, He, Hee」などは目を閉じるとまるでこちらに犬が迫ってくるようで、この曲って犬の鳴き声にこんなに躍動感があったっけ?とか色々あるのですが (笑)、この「Love And Sex」のオリジナルバージョンにも本当に驚かされました。元々、この曲はブートでリークされていたシーラ・Eが歌うバージョンが素晴らしくて、私はこの曲がオフィシャルに発表されるのを心待ちにしていました。ところが、いざオフィシャルリリースを聴いてみたら全くの予想外な音源が収録されていました。オフィシャルで発表されたオリジナルバージョンは、ブートのバージョンとは全然違ったのです。知らない人には想像が難しいと思うのですが、両者は本当に全然違います。今回のオリジナルバージョンががゆったりとした観覧車ならば、シーラ・Eが歌う未発表バージョンは、きらびやかな装飾が加えられ、景色もより目まぐるしく変わるメリーゴーラウンドのようです。未発表バージョンはよりアップテンポで、シーラ・Eのコンガとエリック・リーズやアトランタ・ブリスのホーンが入り、曲のアイデアもオリジナルバージョンよりも膨ませられていて、とても楽しい曲になっています。

というわけで、プリンスの歌うオリジナルバージョンを初めて聴いて最初の1分くらいはあまりの予想外な展開に困惑させられたのですが、すぐにこの曲の虜になりました。このタイトルと歌詞じゃなかったらおおっぴらに流せるのに勿体ないと思う一方、この歌詞あってのこの曲。歌詞も素敵です。

ところで、この曲の歌詞には「nonchalant」という単語が出てきます。何となく「チャランポラン」みたいな語感があって響きが好きな単語なのですが、あのデカいブックレットに掲載されているプリンスの手書きの歌詞では「non-chalent」とハイフンで区切った綴られ方をしています。「chalant」というのは正式な英単語にはないようで普通の辞書には載っていないのですが、検索してみたら「chalant = not nonchalant, careful, attentive, or concerned」の意味でユーモラスな使われ方をすることがあるようです。


[Intro]
Oh oh oh
Oh oh oh

[Verse 1]
Look at us
2 children in a grownup world
Playing around with love and sex
私たちを見て
おとなの世界で愛とセックスで遊ぶ
二人の子供ね

Look at U
Out of control
So in love with a crazy girl
Claiming that I got U under some kind of hex
あなたを見て
抑えが効かなくなってる
やばい女の子にすっかりゾッコン
私に何かの魔法をかけられたって言うのね

Look at me
Trying my best 2 seduce U when I know U're already mine
Surely, my darling, in a grownup world
U and I could find a better use of our time
Our time
私を見て
あなたを誘うのに一生懸命
あなたが既に私のものなのは知ってるはずなのにね
ゼッタイ、ゼッタイに、おとなの世界であなたと私
私たちの時間をもっと良いコトに使うのよ
私たちの時間をね

[Chorus]
Love and sex
An emotional merry-go-round
It’s like riding on a Ferris Wheel upside down
Every time i see U my heart just pounds
And my legs go weak
It's so hard 2 speak
All I can say is I'm under your hex
All I wanna do is U
Love and sex
愛とセックス
それは感情のメリーゴーラウンド
まるで観覧車に逆さまに乗ってるみたい
あなたを見る度に私の胸は高鳴り
脚の力が抜けちゃうの
話すこともままならないけれど
私に言えるのは
私はあなたの魔法にかけられたということ
私がしたいのはあなただけ
愛とセックス

[Verse 2]
Check me out
A little bit forward but U know I be speaking my mind
U are the only thing I wanna do with my time
私を見て
ちょっと大胆に聞こえるかもしれないけれど
私が本心を打ち明けているのは分かるでしょう
私の時間で私がしたいのはあなただけなの

Girls should be girls
But in a grownup world
Who wants 2 be nonchalant
In other words, I know what I want
女の子は女の子らしくすべきって言うけれど
おとなの世界では
気のないふりで誤魔化しちゃ勿体ないわ
つまり、私は自分のしたいコトはちゃんと知ってる

[Chorus]
Love and sex
An emotional merry-go-round
It’s like riding on a Ferris Wheel upside down
Every time I see U my heart just pounds
And my legs go weak
It's so hard 2 speak
All I can say is I'm under your hex
All I wanna do is U
Love and sex
愛とセックス
それは感情のメリーゴーラウンド
まるで観覧車に逆さまに乗ってるみたい
あなたを見る度に私の胸は高鳴り
脚の力が抜けちゃうの
話すこともままならないけれど
私に言えるのは
私はあなたの魔法にかけられたということ
私がしたいのはあなただけ
愛とセックス

[Chorus]
Baby, baby, baby, baby U know what I want
Love and sex
An emotional merry-go-round
It's like riding on a Ferris Wheel upside down
Every time I see U my heart just pounds
And my legs go weak
It's so hard 2 speak
(All I can say)
All i can say is I'm under your hex
All I wanna do is U
Love and sex
An emotional merry-go-round
It's like riding on a Ferris Wheel upside down
Every time I see U my heart just pounds
And my legs go weak
(I said my legs go weak)
It's so hard 2 speak
All I can say is I’m under your hex
Love and sex
Sex, sex, sex, sex, sex

このエントリーをはてなブックマークに追加

↑このページのトップヘ