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主にトレーニングとダイエットのブログ。それとプリンス。

4月17日に再発が決定した「The Rainbow Children」からもう一つ、10曲目の「Wedding Feast」を取り上げます。このアルバムは下地におとぎ話や寓話のような物語があるので、アルバムの流れ上、9曲目の「Deconstruction」も訳します。寓話の形をとりながら、当時のプリンスの思考や状況を色濃く反映していると思われる「ザ・レインボウ・チルドレン」の物語には、くぐもった重苦しいナレーション、それにその内容にも少々複雑に思う部分があるのですが、ここでは曲を訳すだけにしておきます。

さて、「Wedding Feast」ですが (笑)。

とても短いジョークのような曲で、世間一般ではどういう扱いになっているのか分かりませんが、私はこの曲が大好きです。音楽的には異様とも言えるほど傑出したクオリティを誇るものの重苦しいナレーションがどうしても気になってしまう「The Rainbow Children」は、ジョークではなく真剣に言って、このユーモラスな曲で救われている部分が結構あるように思います。また、このアルバムの全体的な雰囲気はカバーアートから想像できるようにジャジーだったりファンキーだったりするのですが、ここで突然オペラ風になるのも面白いです。

曲調もさることながら、この曲は歌詞もとてもユーモラスです。"You are what you eat" というのは食事の善し悪しが体の健康状態に直結するという意味で使われる英語のことわざ的な表現ですが、ここではプリンスの菜食主義の考えが反映されて「だから私たちは葉っぱを食べなければなりません」となります。それにしても、「結婚式のご馳走」というタイトルから「木の下で葉っぱを食べましょう、雪が降らなければ」というオペラ調の歌が出てくるなんて、本当にプリンスの作品ならではだと思います。上述の理由から、個人的には短いながらもアルバムにおいてとても重要な曲だと思います。


Deconstruction

One after the other, the Banished Ones fled as they watched
from a distance the destruction of the Digital Garden.
With no more fruit 2 bear from its trees, the Haze was finally broken.
With the rains came the awareness that never again would anyone
ever lay claim 2 the treasures of the Rainbow Children!
デジタル・ガーデンの崩壊を遠目に
次から次へと追放者たちは逃げていった。
木々は果実を結ぶの止め、ヘイズは遂に破られるに至った。
そして降りしきる雨とともに状況は確かなものになった。
これでレインボウ・チルドレンの財宝を狙う者は
二度と現れないであろう!

As though awakened from a dream, the Muse opened her eyes...
This time as queen.
そして夢から覚めるかのように、ミューズはその瞳を開いた・・・
今度は女王として。

Wedding Feast

"Brother, dear brother
I came as quickly as I could
The Digital Haze is broken
The Banished Ones are gone 4 good
Gone 4 good"
「ブラザーよ、親愛なるブラザーよ
私は精一杯急いでやって来た
デジタル・ヘイズは崩壊した
追放者たちは永久に去ったのだ
永久に去ったのだ」

Now there must be a wedding
Now there must be a feast
さあ結婚式のはじまりだ
さあご馳走のおもてなし

A feast, a feast, a smorgasbord at least
A brunch, a munch of cake if just a piece
Not just a vat of chitlins or turkey meat, U see
We are what we eat so we must eat a leaf
We'll dine under a tree unless it snows
ご馳走、ご馳走、少なくともビュッフェは欠かせません
ブランチにはせめてケーキお一つでもモグモグしましょ
チタリングの樽鍋やターキーのお肉だけじゃいけません
そう、私達は私達が食べたものから作られます
だから私達は葉っぱを食べるのです
木の下で食事をしましょう
雪が降らなければですが

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感じる……。感じる……。「The Rainbow Children」のリイシューをあらゆる場所で!

「Everywhere」は2001年に発表されたアルバム「The Rainbow Children」の5曲目に収録されている曲です。アルバム全体としては複雑に思うところもあるのですが、この曲の浮遊感や高揚感、それに魂をせっつかれるような疾走感は、まるでアルバム「Lovesexy」にも似たヴァイブを感じさせます。肯定感に溢れた歌詞も含め、プリンスの音楽って素晴らしいなあと感じさせてくれる曲だと思います。ジョン・ブラックウェルの素晴らしいとしか言いようのない見事なドラムも聴き所です。

ところで、最初の女性ボーカルのパート、強調して発声される単語のポイントがおかしいような気がします。これでリリースされているのでプリンスとしてはOKだったのでしょうが、この曲を聴くといつも気になります。


There's a place I want 2 go
Where the milk AND honey flow
Without God, IT wasn't there
Now I feel IT everywhere
行きたい場所がにはある
それはミルクハチミツが流れるところ
神なくしてはそれはなかった
今やあらゆる場所でそれを感じられる

Feel it, feel it, can't U feel it?
感じる? 感じる? 感じられない?

When I was lost and couldn't see my way
I use 2 follow what everybody say
Now I know that it's written in the heart
Now I'm ready, I'm ready 2 start
かつて道に迷い行く先を見失っていた頃
自分はただ皆の言うことに従うだけだった
だが今はこの心に確かに書き刻まれている
今やいつだって、いつだって進み始められる

Without God, it wasn't there
Now I feel it everywhere
神なくしてはそれはなかった
今やあらゆる場所でそれを感じられる

We were always meant 2 be
In paradise eternally
Before the Truth, I did not, I did not care
Now I feel it everywhere
私たちはいつだってそう
永遠に楽園で過ごす運命だった
真実の前では全く気にすることもなかった
今やあらゆる場所でそれを感じられる

Feel it, feel it everywhere
Feel it, feel it
感じる、感じる、あらゆる場所で
感じる、感じる

Whoo, yeah

Can U feel it, feel it?
This mighty good feeling everywhere, oh...
Oh, we got so much work 2 do everywhere
Ahh yeah
感じられる? 感じる?
このとびきり良い気持ちをあらゆる場所で
ああ、やらなければならない仕事が沢山だ
あらゆる場所で

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間に色々と曲を挟みましたが、「1999 Super Deluxe」で発表された曲をもう一つ取り上げます。「Yah, You Know」です。妙に軽く作られており、ぱっと聴いた感じ、楽しげなポップソングだけど何かがおかしい、あるいは他の骨太な楽曲と比べるとそれほどでも……と感じるかもしれません。実はこれにはちゃんと意味があります。

「Yah, You Know」は一部のミネソタ人の話し方をネタにした曲で、分かる人にとっては今回のリイシューの中で最も面白い曲の一つなのだそうです。The Current の Prince: The Story of 1999 ポッドキャストから、この曲の説明部分を以下に翻訳しました。

ナレーション (アンドレア・スウェンソン): 「1999」リイシューの蔵出し音源でも最も面白い曲の一つは、ライリー湖のホームスタジオで録音されました。リサはこの曲を鮮明に覚えておいでです。

リサ・コールマン: あれはよく覚えてるわ。プリンスは私にあの曲を聴かせてくれて、ただひたすら笑い転げてたの。私は耳を疑ったわ。あいつらは喋る時に唾を吐く、ってまさか実際にあんなふうに歌にしちゃうなんてね。

名前を出すことはしないけど私は知ってるわ。あの曲は、とあるミネソタの地元人からインスピレーションを得てるのよ。

アンドレア・スウェンソン: (息を飲んで) その人が誰か知りたいです!

ナレーション: とどのつまり、「Yah, You Know」は一部のミネソタ州民をディスる曲です。生まれてこの方ずっとミネソタ州に在住する者として、この曲のインパクトはたまりません。プリンスは、あのスカンジナビアン・アクセントの真似までやっているんです。

(曲を流しながら) 実際にその部分を流してみましょう。聴いてください。「Yah, you know, like I would get a job but the world's gonna end soon (ヤー、ユノゥ、まあ仕事を見つけてもいいんだけど世界はもうすぐ終わるんだ)」。プリンスは、映画「ファーゴ」で一躍有名になったあのミネソタ・アクセントをやってみせています。

1996年の映画「ファーゴ」は、登場人物の強いミネソタ・アクセント (訛り) でも有名な映画です。また、その口癖として、会話の中でやたらと「Yah」という言葉が出てきます。

この映画の終盤にはとても印象的な台詞があります。殺人犯を捕まえた警官マージが、男を連行する車の中で、その男が犯した殺人を列挙するのに続けてつぶやく台詞です。「Yah, You Know」の歌詞と同じ言い回しなのがまた印象的です。

And for what?
For a little bit of money.
There's more to life than a little money, you know.
Don't you know that?
And here you are, and it's a beautiful day.
Well.
I just don't understand it.
それも何のために?
ちっぽけなお金のために。
人生にはちっぽけなお金よりも大事なものがあるんだけどね。
知らないのかい?
で、こうなったと。こんな素敵な日に。
ふぅ。
何でこうなったのかね。

また当時の噂に、この映画には雪上の犠牲者役としてプリンスが出演しているのではないか、という小ネタがありました。映画の舞台がミネソタ、監督のコーエン兄弟もミネソタ出身、そしてプリンスもミネソタ出身という繋がりがあります。しかしその話はジョークで、実際にはその役はプリンスではありません。雪上の犠牲者役としてクレジットされているシンボルマークには、よく見ると中にスマイリーフェイスが入っています。

fargo-victim-in-field

Yah, U know
U know, U know
Yah, yah
ヤー、ユノゥ
ユノゥ、ユノゥ
ヤー、ヤー

What's a matter with U?
Ain't U got nothin' better 2 do
Than 2 dance your life away at the local disco?
Polyester punk 2 the bone
No wonder U came alone, huh
All grossed out cuz U spit when U talk, sayin' "Yah, U know"
何のつもりだい?
地元のディスコに踊りに行く以外
他に人生でやることはないのかい?
骨の髄までポリエステル・パンク
一人で来たのも頷けるね
みんなウンザリしてるよ
君はしゃべる時に唾を吐くのと
その "ヤー、ユノゥ" ってのに

Keep singin'
"Yah, U know, yah, U know"
There's more 2 life than spittin' when U talk, sayin' "Yah, U know"
歌を続けて
"ヤー、ユノゥ、ヤー、ユノゥ"
君は "ヤー、ユノゥ" と言っては唾を吐くばかり
だけど人生にはもっと大事なものがあるんだよ

What's a matter with U?
Smell like diesel fume
Whoever told U it was cool 2 drink Perrier?
Even a blind man knows
Black looks better in snow
We're all grossed out cuz U spit when U talk, sayin' "Yah, U know"
何のつもりだい?
ディーゼルの排煙みたいな臭いだね
ペリエを飲むのがクールだって誰か言ったの?
視覚障害者だって知ってるさ
ブラックは雪の中で映えるんだって
みんなウンザリしてるよ
君はしゃべる時に唾を吐くのと
その "ヤー、ユノゥ" ってのに

Keep singin', "Yah, U know, yah, U know"
There's more 2 life than spittin' when U talk, sayin' "Yah, U know"
Uh
歌を続けて
"ヤー、ユノゥ、ヤー、ユノゥ"
君は "ヤー、ユノゥ" と言っては唾を吐くばかり
だけど人生にはもっと大事なものがあるんだよ

Yah, U know (Oh yeah)
Yah, U know

What's a matter with U?
Ain't U got nothin' better 2 do
Than sit unemployed watchin' television like a fool?
Livin' in a bag of fast food
I guess it wouldn't seem so crude
But everybody's grossed cuz U spit when U talk, sayin' "Yah, U know"
何のつもりだい?
無職のまま呆けてテレビを見るだけで
他に人生でやることはないのかい?
ファーストフードの袋に住んでれば
ガサツさには気付かないかな
だけどみんなウンザリしてる
君はしゃべる時に唾を吐くのと
その "ヤー、ユノゥ" ってやつに

Keep singin', "Yah, U know, yah, U know"
There's more 2 life than spittin' when U talk, sayin' "Yah, U know"
"Yah, U know, yah, U know"
There's more 2 life than spittin' when U talk, sayin' "Yah, U know"
Uh
歌を続けて
"ヤー、ユノゥ、ヤー、ユノゥ"
君は "ヤー、ユノゥ" と言っては唾を吐くばかり
だけど人生にはもっと大事なものがあるんだよ

Yah, U know
Like... I would get a job but the world's gonna end soon
U got any ludes?
ヤー、ユノゥ
まあ仕事を見つけてもいいんだけど世界はもうすぐ終わるんだ
ルードは持ってる?
(lude: Quaalude、当時レクリエーション目的で乱用されていた鎮静催眠薬)

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