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主にトレーニングとダイエットのブログ。それとプリンス。

初心者向け記事その4です。前回までの記事ではフォームのコツや種目の選び方について書きました。簡単に纏めると、ボディビル・ボディメイクのための筋トレでは、自分のトレーニングの善し悪しを最も正確に判断できるのは自分自身なので、フォームや種目の選び方を考えるにあたっては、他人の言うことに惑わされずに自分の感覚を信頼できるようになりましょう、ということでした。

フォームのコツや種目の選び方について書いたら、トレーニング強度や頻度についても書かないと片手落ちかなと思ったので、一応触れておきます。よく考えたら、ここまで書いた記事は初心者が次のステップに進むためのヒントのようなもので、完全なビギナーがどうやってトレーニングすればよいかという記事ではなかったので、別に触れる必要もないかと思ったのですが、おまけとして簡単に書きます。

これはひとつ研究を引用して終わりにします。

Applications of the dose-response for muscular strength development: a review of meta-analytic efficacy and reliability for designing training prescription.
Peterson MD, et al. J Strength Cond Res. 2005 Nov;19(4):950-8.
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/16287373

  • For untrained individuals, maximal strength gains are elicited at a mean training intensity of 60% of 1 repetition maximum (1RM), 3 days per week, and with a mean training volume of 4 sets per muscle group.
  • Recreationally trained nonathletes exhibit maximal strength gains with a mean training intensity of 80% of 1RM, 2 days per week, and a mean volume of 4 sets.
  • For athlete populations, maximal strength gains are elicited at a mean training intensity of 85% of 1RM, 2 days per week, and with a mean training volume of 8 sets per muscle group.

  • ビギナーのトレーニーでは、60% 1RM、週3日、筋群あたり平均4セットのトレーニングで最高の筋力増加がもたらされた。
  • 非アスリートの趣味トレーニーでは、80% 1RM、週2日、筋群あたり平均4セットのトレーニングで最高の筋力増加がもたらされた。
  • アスリートレベルのトレーニーでは、85% 1RM、週2日、筋群あたり平均8セットのトレーニングで最高の筋力増加がもたらされた。

様々な研究で、ビギナーの段階では、割と軽めの強度でも高強度なトレーニングと同等の効率で筋力の増加が見られることが示されています。例えばビギナーの段階では、60% 1RM のトレーニングでも 85% 1RM の高強度のトレーニングと変わらない成長が期待できます。また、トレーニングの頻度もビギナーの段階では高めにした方が早く結果が得られるようです。

ビギナーの段階では、強度を抑えて頻度の高いトレーニングを行うというのは、トレーニングを習得するという意味でも好ましいことだと思います。

運良くか運悪くか分かりませんが、トレーニング初心者がハードコアな人からトレーニングを教わった場合、「筋トレとはこうするもんじゃあああ!!!」みたいな勢いで、最初っからものすごいハードなトレーニングをさせられてしまうことがあるかもしれませんが、そんな必要はありません、という話でした。

ホームトレーニーがトレーニングメニューを組み立てるとき、おそらく最も悩むのは脚のトレーニングだと思います。パワーラックがあればバーベルスクワットをメインにすることができますが、パワーラックを持っているホームトレーニーは少数派だと思われます。

もし自分がホームトレーニーだったら、ダンベルウォーキングランジを脚のメイン候補にすると思うのですが、
歩き回れるスペースがない場合、それも無理です。レッグプレスやレッグエクステンションはもちろん、バーベルスクワットやウォーキングランジもできないとなると、まともな脚のトレーニングはできないものだと半ば諦めている人も多いかもしれません。

タン塩さんからコメントを頂いたので、脚のトレーニング種目として機能するバーベルハックスクワット (と呼んでいいのかわかりませんが) のバリエーションを二つ紹介したいと思います。

私はホームトレーニングなので(ラックなし)
主にハックスクワットをやっています。
ハックスクワットのフォームはyoutubeやbodybuilding.comの動画を参考にしています。
しかし、動画のようなフォームが上手くいかず(背中が丸まったり、腰であげたり)
ネガティブを意識しつつ、アレコレと試してスクワットに1時間も費やす有様です…。

●一般的なバーベルハックスクワットの問題点

非常にマイナーな種目だと思うので、まずはこの種目を知らない人のために、Bodybuilding.com のバーベルハックスクワットの説明動画です。
Bodybuilding.com - Barbell Hack Squat Exercise Guide and Video

あるいは youtube で検索してみてもいいです。どれもこのような動作で行っている動画ばかりです。
How to Perform Barbell Hack Squats - Big Quads Exercise


この種目の問題点は、動画を見て分かるように、スクワットと名前がついているものの、やっているのは要するにバーベルを後ろに回したデッドリフトなところです。確かにバーベルの位置関係により普通のデッドリフトよりも大腿四頭筋が動員されやすくなりますが、「脚」のトレーニングとしてこれを行うのは少々無理があるように思います。

そこで、オススメ、というほどでもありませんが、こういった一般的なフォームとは違い、少なくとも脚のトレーニングとして成立するバリエーションを二つ紹介します。

● バリエーション1 - 大腿四頭筋

ハックスクワットで立ち上がった状態では、バーが臀部の下の方に当たった状態だと思いますが、動作を通じてバーの位置は臀部に当った状態で固定にします。バーを臀部に当てたままスクワットしてください。バーを下げるとデッドリフトになってしまいますが、こうするとスクワットになってちゃんと脚のトレーニングになります。大腿四頭筋に効きます。スタンスは広くとった方がバランスを取りやすいと思います。

● バリエーション2 - 大腿上部、臀部

スタンスを広くとり、バーをまたいで立ちます。普通のハックスクワットとは違い、体の前後で挟むようにバーを持ちます。うまく説明ができないのですが、これは幸い動画がネットにあります。というか、このバリエーションはここにある Kai のトレーニングを見て知りました。

Kai Greene training gluteus and legs - 冒頭の11秒~に行われているエクササイズです。

初心者向け記事その3です。ここではトレーニングメニューの組み立て方や各種目のやり方について書きます。

トレーニングメニューの組み立て方や各種目のやり方には、「これはこうするものですよ」的な、いわば定石のような作法が色々あって、初心者の段階では多かれ少なかれそういったものを正しいものだと受け入れつつトレーニングを覚えていくものだと思います。雑誌・インターネットからでも人からでも、あるトレーニングメニューや種目のやり方が紹介されるとき、大抵それは、効率的で優れている「One Of The Best」な方法だとして語られるので、雑誌に正しいと書いてあったから、誰それさんが正しいと言っていたからと無条件に受け入れてしまいやすいものです。本当の初心者で何をやったらいいのか取っ掛かりすらない状況では、こういったアドバイスを素直に取り入れていかないと何も始まりませんから、最初のうちはそれも仕方がありません。

しかし、トレーニングメニューの組み立て方や各種目のやり方については、私はそれよりも優先して取り入れるべき原則があると思っています。それが、記事タイトルの「Do what works for you」です。日本語にすると、「あなたにとって効果があることをやれ」みたいな意味です。

この「Do what works for you」というのは色んな文脈で使われるアドバイスなのですが、海外のフィットネス掲示板で見たとき私は最初戸惑いました。質問者は何が効果的なのか具体的なアドバイスが欲しくて質問しているのに、回答が「自分の好きなようにしろ」じゃ何も答えていないじゃないかと。

Q) マシンよりもフリーウェイトをやった方が良いですか?
Q) 種目の順番はコンパウンド→アイソレーションにした方が良いですか?
Q) コンパウンドとアイソレーションはどちらがより効果的ですか?
Q) レッグプレスよりもスクワットをやった方が良いですか?
Q) ラットプルダウンのグリップはナロウとワイドどちらがより効果的ですか?
Q) ダンベルベンチプレスやダンベルロウでフィニッシュ時にグリップを「クイッ」と回旋させた方が良いですか?

A) Do what works for you.
「あなたにとって効果がある方をやりなさい」

こういう「どちらがいいですか?」的な質問をする人は、心の奥で何か普遍的な正しい方法が存在していて他の方法は劣っているものだと信じていたりするので、そういう人にとっては曖昧とも受け取れるこのアドバイスは理解することができません。また、このアドバイスは、この人には説明しても話が通じないな、と思われるときに婉曲的に使うこともできるフレーズなので、場合によっては「そんなの好きにすれば」みたいな少し失礼なニュアンスになって、ますます無視されたりもします。

初心者のときに身に付けてしまった、雑誌やネットで正しいと書いてあることや筋トレの経験を積んだ人が正しいと言っていることを無条件に正しいものなんだと受け入れてしまう癖は、この「Do what works for you」のアドバイスを理解するための障壁になってしまいます。そして、いったん「正しい」と受け入れてしまったものを「いや実はそうでもない」と認識を引っくり返すことは結構難しいものです。

例を一つ挙げると、雑誌やネットなどでは、どのエクササイズが最も効果的にターゲットの筋肉を刺激するのか、筋電図 (EMG) を使って比較する実験が紹介されることがあります。実験では、ある種目をグリップやスタンス等をいろいろを変えて比較して、このバリエーションで行うのが最も刺激が強くなりベストだ、というように結論づけられます。科学的なアプローチなこともあって、「正しい」と広められがちなタイプの情報です。

しかし、私は、意外にもこのタイプの記事を読んでも釈然としないことが多いです。納得するよりも、むしろ「それはおかしい」と感じることの方が多いように思います。考えてみると、シンプルなトレーニング種目でも人によってやり方が違ったりしますし、そもそも世の中殆どの人が酷いフォームでトレーニングをしている中で、被験者がエクササイズをしているところを実際に見たわけでもないですし、実験結果を知って「それはおかしい」と感じても不自然なことではないように思います。

ともかく、私にも雑誌等に書いてあることを正しいと受け入れながらトレーニングをしてきた時代があったので、一見具体的に何をすれば良いのか分からない「Do what works for you」的なアドバイスは最初理解できませんでした。雑誌に書かれているような「これには何々するのがベストな方法だ」みたいなアドバイスと比べると無価値なものに感じられました。

それが、考えを転換して、自分の感覚でトレーニングを判断できるようになったのは、前の記事で書いたポイントを意識してトレーニングするようになってからです。記事その1記事その2では、トレーニングを行うときに気を付けるべきポイントとして、筋トレの種目は殆どが筋肉中心の種目であって、このタイプの種目では自分の感覚に従って筋肉を動かせばそれが一つの正しいフォームであることを書きました。正しいフォームに矯正するための一つのコツはネガティブを丁寧に行うことです。

最も信頼すべきは自分の感覚だということに気付いてからは、雑誌などから仕入れた「正しい」と受け入れてしまった情報は「いや実はそうでもない」と自然に認識が引っくり返りました。

初心者向けのトレーニングメニューの組み立て方や各種目のやり方、ということでしたが、具体的なサンプルメニューや種目のやり方については一切触れませんでした。そこは「Do what works for you (あなたにとって効果があることをやれ)」というのが私の個人的なアドバイスです。

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