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主にトレーニングとダイエットのブログ。それとプリンス。

ウェンディ&リサの曲「Song About」を取り上げます。この曲は1987年に発表された彼女たちのセルフタイトルアルバムに収録されています。リンクした YouTube で続いて流れる「The Life」という曲も、とても綺麗な曲なので併せて和訳します。また、この「Song About」を取り上げるにあたって、事前に以下の2曲についても書いています。

「Song About」は、ウェンディとリサがプリンスのことを歌った曲です。音楽を聴いただけでは特別な曲だと気付かないかもしれませんが、歌詞を知ると感傷的な気持ちになります。

So strange that no one stayed / At the end of the parade
とても奇妙に思えたわ / パレードの終わりには、誰も残らなかった

周知の通り、1986年秋、Parade ツアーを終えたプリンスは The Revolution を解散し、ウェンディとリサを切り離しました。

You were singing songs / About life or doom
あなたが歌っていたのは / 人生と破滅について

1987年当時では人々は知る由もなかったでしょうが、"life or doom" というのは前回取り上げた「Power Fantastic」でプリンスが歌った言葉です。「Power Fantastic」は、リサが作曲した「Carousel」という曲を元に、プリンスが歌詞を書き換えて作った曲でした。

I gave colors to you / You'd never seen
私はあなたに色をあげたわ / あなたが見たことのない色を

個人的に、ウェンディとリサが関わったプリンスの楽曲には、特別な彩りがあるように感じられます。「Mountains」、「Sometimes It Snows In April」、「Power Fantastic」、そして「Purple Rain」など制作のうえで重要な関わりを持った楽曲だけでなく、二人が演奏やバックボーカルなどに参加した曲全般についても私はそのように感じます。例えば前々回の「In A Large Room With No Light」は、ウェンディとリサの参加がない2009年の再録バージョンが存在するためか特に強くそう感じます。

Alex Hahn と Laura Tiebert 著「The Rise Of Prince: 1958 - 1988」を開くと、第23章 The End に The Revolution 解散の記述があります。章はエリック・リーズの次の言葉で締め括られます。

The songs we did with Wendy and Lisa included some of the most wonderful stuff we ever did.
我々がウェンディとリサと作った様々な曲には、我々が作った最も素晴らしい作品がいくつか含まれていた。

また、時を遡って1980年、二人のうち最初にプリンスの元に加わったのは、クラシックピアノの知識と技術を持つキーボーディストのリサでした。Alan Light のパープルレイン本「Let's Go Crazy: Prince and the Making of Purple Rain」を読むと、リサはジャズピアニストであったプリンスの父親の前でピアノを弾いてみせたとか、リサの語る音楽論にプリンスとプリンスの父親は目を丸くして感心した (they both looked at me like that was a revelation)、といったエピソードが書かれています。このようにクラシック音楽に触れる機会を得たことが、クレア・フィッシャーのオーケストラアレンジの採用にも影響しているのかもしれない、と思ったりもします。

You washed my heart / With many dreams / Dreams I'd never seen
The pain of my spirit / The pain of my heart
Don't ever tell me / To let it all go
あなたはたくさんの夢で私の心を洗ってくれた
私が見たこともない夢で
私の精神の痛みと / 私の心の痛み
それを全て忘れてだなんて / どうか決して言わないで

ウェンディとリサは、プリンスに色をあげた代わりに、プリンスから見たこともない夢をたくさん見せてもらったと歌います。


It makes me want to cry
Thinking about you
Beautiful, you said
The way you shook your head
So strange that no one stayed
At the end of the parade
あなたのことを考えると
泣きたくなるの
美しい、そう言ったあなた
首を横に振ったあなたの仕草
とても奇妙に思えたわ
パレードの終わりには
誰も残らなかった

This is just another song about it
This is just another song about...
これはただそれについての歌
これはただそれについての…

Standing next to me
Imagine that it's true
You were singing songs
About life or doom
I was singing songs to you
私の隣に立つあなた
それが本当だと想像してみて
あなたが歌っていたのは
人生と破滅について
私が歌っていたのは
あなたへの思い

This is just another song about it
This is just another song about
これはただそれについての歌
これはただそれについての…

I gave colors to you
You'd never seen
You washed my heart
With many dreams
Dreams I'd never see
The pain of my spirit
The pain of my heart
Don't ever tell me
To let it all go
私はあなたに色をあげたわ
あなたが見たことのない色を
あなたはたくさんの夢で私の心を洗ってくれた
私には決して見ることがなかったであろう夢で
私の精神の痛みと
私の心の痛み
それを全て忘れてだなんて
どうか決して言わないで

This is just another song about it
This is just another song about…
これはただそれについての歌
これはただそれについての…

以下は「The Life」の歌詞です。

This is the life
Everyone has to be somewhere
I am here
Testing a dream
The pressure of dreams is
The killer of dreams
これが人生
誰もが何処かにいなければならない
私はここにいる
夢を試しながら
夢の重圧が
夢を殺す

And it only gets harder
And it only gets harder
そしてさらに困難になっていくだけ
そしてさらに困難になっていくだけ

This is the life
Everyone has to do something
I am here
Doing what I do best
Fearing that worry
Will trigger all my fears
これが人生
誰もが何かをしなければならない
私はここにいる
自分ができる最高のことをしながら
その不安への恐れが
私の全ての恐れを掻き立てる

And it only gets harder
And it only gets harder
そしてさらに困難になっていくだけ
そしてさらに困難になっていくだけ

(How did I get so serious)
(なぜこんなに真剣になったのだろう)

Time is the monster
All of us fight the same monster
To win
I scream when I breathe
But, this is the life
This is the life
This is the life
時は怪物
私たちは皆同じ怪物と闘っている
勝ちを得ようと
息をするときに、私は叫ぶ
でもこれが人生
これが人生
これが人生

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「Power Fantastic」は、1993年のベストアルバム「The Hits / The B-Sides」の「The B-Sides」の最終曲に収録されています。貴重な曲が並ぶ「The B-Sides」の中でも、この曲はこのリリースの目玉とも言える曲です。元々は前回の「In A Large Room With No Light」と同じく、未リリースプロジェクト「Dream Factory」の1986年6月3日の構成に含まれていた曲です。

この曲はリサ・コールマンが作曲した「Carousel」なる曲がベースになっているそうです。ウェンディとリサは、これを自分達のソロプロジェクトで使うことを考えていましたが、この曲を気に入ったプリンスはウェンディとリサを説得し、アレンジを変更し歌詞を書き変えて新たな曲にしました。そうして出来上がったのが「Power Fantastic」です。

このように、曲の成り立ちとしてはウェンディとリサからアイデアをもらった形になりますが、個人的には、「Power Fantastic」はプリンスの最高傑作のひとつに数えられる曲だと思います。プリンスの凄さは、どのように言葉を尽くしてもその凄さをごく一部しか説明できないところにありますが、プリンスの何が凄いのか分からないという人でも、この曲をヘッドホンで聴けばその一片を否応なしに体験できるはず、と私は思います。

ちなみに私は、ジムでウエイトトレーニングをするとき、エネルギー補給のカーボドリンクとしてファンタを飲むことがあります。
・・・いや、やっぱり何でもありません。


ファン以外にはあまり認知されていないかもしれないプリンスの凄さのひとつに、その異常なボーカル能力があります。これを単に「歌が上手い」と言ってしまうと、そういう歌手は世の中に大勢いるので適切な表現ではありません。ここではその表現は避けて「異常」という言葉を使うことにします。

現在の商業音楽では、一般的にボーカルは色々と修正が施され、世に出る段階では綺麗な加工品になっているものです。そのため、昨今では歌手の能力がどれほど優れているのか、あるいは逆に能力がどれほど欠けているのかが分かりづらくなっています。ちなみにプリンスのボーカルは、そういった修正が加えられることはなく、歌い直すこともなく、一発録りされたテイクがそのまま完成品になるのが基本です。実際、1990年に東京でのレコーディングに立ち合ったエンジニアの方々も、プリンスは歌詞カードも譜面もないまま作業を進め、1曲につき1度しかメインボーカルを歌わず、そのときの録音がそのままアルバムに使われていることを証言しています。

そして「Power Fantastic」のプリンスのボーカルです。これをもって単に「プリンスは歌が上手い」と評するのは単純にすぎるように思います。「Power Fantastic」のプリンスのボーカル表現は、上手いとかどうとかという物差しで価値を測れるレベルを完全に越えています。このボーカルも一発勝負で録られたもので、まさに異常というほかありません。そしてこの曲は、ボーカルのみならず曲自体がバンドの一発録りであり、初回のワンテイクがそのまま完成版になっています。Alex Hahn と Laura Tiebert 著「The Rise Of Prince: 1958 - 1988」を参照すると、フルートを演奏したエリック・リーズはこの録音を回想して、「これは我々が成した最高のもののひとつだ (That's one of the greatest things we ever did)」と鳥肌が立ったと発言しています。また、プリンスはスタジオ録音ではコントロールルームで一人で歌うのが常でしたが、このときはヘッドホンが足りなかったとかという理由で、エンジニアのスーザン・ロジャースも一緒に部屋に入ることになり、スーザンは自分に背を向けて部屋の隅で歌うプリンスの声を間近で聴くという特別な体験をしました。彼女にとってもやはり最も印象深い瞬間のひとつだったそうです。

この曲の神秘的なアレンジと歌詞、そして人外の化生が乗り移ったかのようなプリンスのボーカルパフォーマンスは、これ以上の組み合わせはないと言えるほど神がかったものだと思います。


Late at night when the world is sleepin'
U are frightened cuz the power's creepin'
In your room with somethin' U're afraid of
Life or doom is what this feeling's made of
夜は深く、世界が寝静まる頃
這い寄るその力に君は恐れおののく
君を畏怖させる何かを伴い部屋をうごめく
生さもなくば破滅、そこからこの情感は織り出される

Power fantastic is in your life at last
U're a little apprehensive
Cuz what it is is what U want and need, ooh
パワー・ファンタスティック
君の人生は遂にそれを迎え入れる
君は幾莫かの不安に駆られる
なぜならばそれこそが君が求め
そして必要とするものだから

Minor G is the chord of pleasure
It will be played 11 measures
U will see fire but U're cool as ice
And U lie, huh, if U say this isn't nice
Gマイナーは悦びのコード
それは11小節で奏でられる
君は炎を見る、だが君は氷のように冷たい
これを素晴らしくないと言うのなら
それは嘘をつくことになる

Power fantastic is in your life at last
U're a little apprehensive
What it is is what U want and need
パワー・ファンタスティック
君の人生は遂にそれを迎え入れる
君は幾莫かの不安に駆られる
なぜならばそれこそが君が求め
そして必要とするものだから

Power, power
Ooh...

Power fantastic is in your life at last
U're a wee bit apprehensive
Cuz what it is is what U want and need, ooh
Power, power
Power fantastic
Ooh
パワー・ファンタスティック
君の人生は遂にそれを迎え入れる
君は幾莫かの不安に駆られる
なぜならばそれこそが君が求め
そして必要とするものだから
パワー、パワー
パワー・ファンタスティック

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このところずっとウェンディ&リサの「Song About」という曲を聴いています。近いうち「Breakdown」について書こうかと思っているのですが、その前に「Song About」を取り上げたいので、そこに辿り着くためにさらに2曲ほど取り上げたいと思います。

「In A Large Room With No Light」は1986年5月に書かれた未発表曲です。というのは正確ではなくて、この曲は再録音されたバージョンが2009年にモントルー・ジャズ・フェスティバルのサイトにてオーディオストリームされており、一応未発表ではなくて公に発表されています。ただ私が選ぶのは、ウェンディ&リサとエリック・リーズの彩りが添えられている、1986年の未発表バージョンです。

ところで、私がプリンスの好きなアルバムをひとつだけ選ぶとしたら、それは1986年の「Parade」になると思います。といっても他のアルバムと比べると、「Parade」は練り込まれた曲が並ぶ作品ではありません。実際、私の選ぶ曲は膨れて全部で24曲のリストになるのですが、「Parade」の曲は1曲も入りません。しかしこの作品には、くどすぎず、軽すぎず、絶妙なバランス感があります。練り込まれすぎていないことが却って作品の良さを高めており、私にはかけがえのない宝石のように感じられるのです。

しかし、もし「In A Large Room With No Light」を含むアルバムが存在していたら、それが私にとって一番のアルバムになっていたように思います。といっても、その理由がこの曲そのものが凄く好きだからかというと、それはまた少し違うような気がします。どちらかというと、私はこの曲そのものというよりも、この曲が持つ空気感がたまらなく好きなんだと思います。この曲には、もしこれが何かのアルバムに存在していたら、それだけで作品全体の空気を変えてしまうような力を感じます。プリンスの他の楽曲とはどこか毛色が違う気がするので、何となく次点にしておきます。

ちなみに未発表プロジェクト「Dream Factory」の1986年6月3日の構成にはこの曲が含まれていました (PrinceVault)。ということは、もしこれがリリースされていれば、私にとってはこれが一番のアルバムだったかもしれません。実際に曲目を確認してみると・・・個人的には文句はありません。

Dream Factory - 3 June 1986 configuration

Side 1

  1. Visions
  2. Dream Factory
  3. It's A Wonderful Day
  4. The Ballad Of Dorothy Parker
  5. It

Side 2

  1. Strange Relationship (different version than released)
  2. Teacher, Teacher
  3. Starfish And Coffee (omits alarm clock intro)
  4. Interlude – Wendy
  5. In A Large Room With No Light
  6. Nevaeh Ni Ecalp A
  7. Sexual Suicide

Side 3

  1. Crystal Ball
  2. Power Fantastic

Side 4

  1. Last Heart
  2. Witness 4 The Prosecution
  3. Movie Star
  4. A Place In Heaven
  5. All My Dreams

「Dream Factory」プロジェクトの構成曲は、この後、1986年7月18日に更に変更されます。「In A Large Room With No Light」も含め、ウェンディ&リサが参加する曲がいくつか削除され、替わりに「Sign O' The Times」の曲に置き換えられます。最終的にウェンディ&リサはバンドを離れることになり、プロジェクト自体もなくなってしまいます。


さて、「In A Large Room With No Light」ですが・・・これは、何と言ったらいいのか分かりませんが、独特な曲だと思います。歌詞の方も、私には詳しく説明する力がないのですが、冒頭の "ラナは今日学校で描いた絵で / 母親を泣かせてしまった / それは酒を片手に立っている女性の絵 / そして隣に佇むのは目の無い子供" というところからして強く突き刺さります。

それと、やはり1986年バージョンは特別です。2009年バージョンも悪くないのですが、1986年バージョンにはこの時代にしかない彩りを感じます。プリンスだけでなく、ウェンディ&リサとエリック・リーズの存在も、このバージョンにかかっている不思議な魔法の効果を高めていると思います。リンクはその1986年バージョンです。


Lana drew a picture in school 2day
1 that made her mother cry
A picture of a woman with a drink in her hand
Standing by a child with no eyes
ラナは今日学校で描いた絵で
母親を泣かせてしまった
それは酒を片手に立っている女性の絵
そして隣に佇むのは目の無い子供

Washington reaction based upon revenge
Babies blown 2 kingdom come
Damn the logic, cartoon characters look better
When they're on the run
ワシントンは報復で反応を示し
赤子たちは爆撃に吹き飛び天国へ送られる
狂った話さ、漫画のキャラクターは逃げ回る姿がよく似合う

Danny dropped the dime on his girlfriend
He said he didn't wanna go 2 jail alone
The seed lives in the same mind
With the thought that says we all should be stoned
ダニーは一人で刑務所に行きたくないと言い
恋人をタレ込み道連れにした
皆が全て石もて打たれるべきとの思想と
同じ思いで種は生き続ける

And people lookin' 4 angels in the sky
Whenever they're broken-hearted
Love is grown, seeds are sown
A fire don't burn unless it's started
人々は心破れる時、空に天使を探すもの
愛は育まれ、種は蒔かれる
火は起こされない限り燃え上がることもない

La la la... sha la la...

Did U ever feel that life was like lookin' 4 a penny
In a large room with no light?
A sophisticated man's reduced 2 company
In no-win situations that aren't right
人生は大きな暗闇の部屋で1セント硬貨を探すようだと
そんなふうに感じたことはある?
秀でた智者も勝ち目のない状況に追いやられ
抜け出せなくなってしまう

La la la... sha la la...

Every time U wake up there's a little motherfucker talkin' big stuff in your face
(R U happy?)
U only get the kind of people that open their mouth just 2 swap feet
Welcome 2 the rat race
Oh, oh
目覚める度にいけすかない野郎が面と向かって大言壮語をまくし立てるんだ
(あなたは幸せ?)
足を口に突っ込むような思慮の浅い人々に囲まれながら
ようこそラットレースへ

Did U ever feel that life was like lookin' 4 a penny
In a large room with no light?
A sophisticated man's reduced 2 company
In no-win situations that aren't right
人生は大きな暗闇の部屋で1セント硬貨を探すようだと
そんなふうに感じたことはある?
秀でた智者も勝ち目のない状況に追いやられ
抜け出せなくなってしまう

Oh
If U could just pass your history class, maybe life would be alright
Until then U'll be lookin' 4 a penny in a large room with no light
Yeah
歴史の授業で単位を取れれば、たぶん人生も上手くいくかもしれない
だけどそれまで君は大きな暗闇の部屋で1セント硬貨を探し続けるのさ

Sha la la...
Light {repeat}

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