OneH

主にトレーニングとダイエットのブログ。それとプリンス。

前回の「The Morning Papers」は、恋愛経験のないうぶで無垢な少女 (マイテ) に、大人の男性 (プリンス) が恋に落ちる、という曲でした。マイテには、まさにそのイメージとぴったり重なるような曲があります。それは「Love's No Fun」で、1995年のマイテのソロアルバム「Child Of The Sun」に収録されています。ちなみに、この曲自体はプリンスがマイテと出会う前に書かれたもので、先立って1990年の Elisa Fiorillo (エリサ・フィオリロ) のアルバム「I Am」でリリースされています。ちなみに、アルバム「Graffiti Bridge」に収録されている「Love Machine」のリードボーカルでの、少しクセの強い歌い方でお馴染みのエリサ・フィオリロですが、さすが後年プリンスのバックアップシンガーに呼び戻されただけあって、普通に歌うと素晴らしい歌唱力をしています。

この曲を聴くと、プリンスは子供の頃に、妹のタイカから「りぼん」でも借りて読んでいたんじゃないか?と疑いたくなってきます。そんな疑問が生じるくらい乙女チックな歌詞とメロディです。ちなみに、"鼓動が4ビートスキップした" というのは "skip a beat" という、鼓動が1拍打つのを忘れてしまうくらい胸がときめく、という意味のイディオムをもじったものです。

声を大にして表明するのはちょっと憚られるのですが、私はこの曲がとても好きです。恋愛なんて楽しくないわ、と言うけれど、夢の中に愛する人が出てきて、甘く囁いてくれるところでふと目が覚めて…… いや、やっぱりこの曲について語るのはこの辺にしておきます。


良い意味で "ナイーヴ" なマイテのバージョンに対して、エリサ・フィオリロのバージョンはより成熟したボーカルです。検索するとエリサ・フィオリロは TV 番組で歌っているのも見つかります。曲自体はあまり歌唱力が生きるタイプの曲ではありませんが、この人はライブだと歌が上手いのがよく分かります。

Everyday I used 2 watch U pass my house on the way 2 school
My heart skipped 4 beats checking out the way your body moved
毎日家からあなたが学校へ向かうのを眺めたわ
あなたの身のこなしを見つめて私の鼓動は4拍スキップしたわ

No one can walk the way U do, it's so cool
Imagine how I felt when I saw my best friend with her arm around U
あなたの歩き方は誰にも真似できない - とっても格好良いから
私の親友があなたに腕を回しているのを見た私の気持ちを想像してみてよ

Love's no fun when the one U love don't love U
恋愛なんて楽しくない - 愛する人が愛してくれないのなら

I went 2 a movie show, the only place that I could go away from U
I seem 2 see your face in every part of my life, no matter what I do
私は映画館に出かけたわ - あなたから逃れられる唯一の場所に
何をしても私の生活全てにあなたの顔が浮かんでしまうから

But there U were 4 everyone 2 see, kissing like fools
I covered my face and pretended that I didn't know what I knew
でもそこにはあなたがいた - 皆に見えるようにバカみたいにキスをして
私は顔を覆い、知ってしまったことを知らないふりをした

That love's no fun when the one U love don't love U, oh
恋愛なんて楽しくない - 愛する人が愛してくれないのなら

I go 2 bed early every night so I can dream
Of another space and another time when U belonged 2 me
私は毎晩早くベッドに入る - 夢を見られるように
そこは別の時代の別の世界であなたは私のもの

And in my dreams U talk 2 me whispering oh so sweet
U promised that if I'm always there 4 U, U'll be there 4 me
夢の中ではあなたは私に囁いてくれる - ああ、とっても優しく
私がずっと傍にいるならばあなたも傍にいてくれると約束してくれる

And then I wake and say
That love's no fun without U
そして私は目が覚めて言うの
恋愛なんて楽しくない - もしあなたがいないのなら

Love's no fun when the one U love don't love U
Love's no fun when the one U love don't love U
Love's no fun when the one U love don't love U,
恋愛なんて楽しくない - 愛する人が愛してくれないのなら
恋愛なんて楽しくない - 愛する人が愛してくれないのなら
恋愛なんて楽しくない - 愛する人が愛してくれないのなら

ブログでプリンスについて書き始めてからというもの、自分のお気に入り曲・ベスト○○、というのが頭の片隅にあります。

私の場合、このリストに確定的に入る曲は「Goodbye」と「Condition Of The Heart」の2曲です。とはいえ、たった2曲だけでは少ないのでもうちょっと…とやっている内に、少々増えて10位まで選ぶことにし、さらに最初の方に思い浮かんだけれども順位を付けづらい曲を別枠に分けたため、結局、私のお気に入り曲は、10曲プラス別枠5曲の合計15曲のリストになりました。ちなみにこの15曲の内、1曲は既にブログ記事にしています。それは「With You」で第8位になります。

このリストの選考基準は「私の中に占める存在の大きさ」です。他のことを色々書いていたのでこれでやっと2曲目ですが、残りの13曲についても少しずつブログに書いていこうと思います。プリンスのファンで、ベストアルバムに収録されている楽曲群だけでマイベストが作れるという人はまずいないと思いますが、私の場合も、ここに一部挙げた曲名からも想像が付く通り、一般的なプリンスのベスト曲とはかなりかけ離れた選曲になります。一般的な評価は無視して完全に主観的な基準で選んだので、なぜこういうリストになるのかという理由についてもいずれ書きたいと思います。


「The Morning Papers」は、マイテが関係する記事がいくつか続いたので取り上げることにしました。この曲は私のお気に入り曲の第6位で、1992年のアルバム「O(+> / Love Symbol」の4曲目に収録されています。世の中に恋愛の歌は数えきれないほどありますが、この曲の歌詞は私が最も好きな歌詞のひとつです。個人的に、この曲の歌詞は本当に美しいと思います。そしてこの曲では、プリンスはとにかく頑張ります。全てはマイテのために、自身がいかにマイテにとって相応わしい男であるかをアピールするために。この曲のプリンスは、まるで雄のクジャクが目一杯羽を広げて求愛しているかのように私には映ります。

この曲のプリンスのボーカルは地声中心です。プリンスの歌声は、ファルセットならいくらでも軽々と操れるかのように聴こえるのに対し、地声は頑張って出しているように聴こえることが多い気がするのですが、この曲ではその傾向を特に強く感じます。また、アルバム構成において、前の曲がファルセット中心で、かつ非常に洗練されている「Love 2 The 9's」という楽曲であるのも対照的です。また、プリンスは年齢を重ねるにつれ、徐々に声質が変化していきます。80年代の歌声には突き刺すような若く鋭い響きがあるのに対し、90年代以降は少しずつ鋭さが減って、若さが取れた感じになっていきます。この声質の変化がまたプリンスの一生懸命な感じを一層強めているように思います。

また、ミュージックビデオでもプリンスは頑張っています。曲の前にはフラミンゴやキリンやゾウが登場し、プリンスとマイテが動物園を散歩するシーンが入ります。プリンスが着ているのはパステルグリーンのプリンス服 (プリンスにしては控えめなデザインですが、プリンス服と呼ぶ以外に何と形容したら良いのか分からない服) です。当時は「へぇ、プリンスって動物園でデートをするんだ…」と何となく意外に思ったのを覚えています。

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ミュージックビデオのパフォーマンスでは、プリンスは最初ギターを背負いながらピアノに座り、歌い始めます。そして、ピアノの上に乗ってギターを弾き、胸をはだけ、ギターを放り投げ、聴衆に向かってダイブするなど、色んなことをします。そして随所にデートシーンが挿入され、二人は歌詞さながらに、夕日の沈む浜辺で散歩や追いかけっこをしたり、遊園地でメリーゴーラウンドに乗ったりします。また、途中バックでドッカーンと爆発が起きて火花が上がったりもします。しかもそれだけではありません。白いコートの下にプリンスが着ているのは、なんとネルシャツです。90年代初頭はグランジロックが流行し、ニルヴァーナが音楽シーンに衝撃を与えた時代です。プリンスはグランジというキャラじゃないのに、プリンス服を脱ぎ捨ててまでこんなシャツを着て… これも全てはマイテへのアピールのため… かどうかは分かりませんが、私の中ではそうなっています。

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ところで、このようなロマンチックな曲でこんなことを書くのもなんですが、ちょっと下世話な話をします。

歌詞で "Every schoolboy's fantasy she was / That's why he had 2 wait (少女は全男子生徒の憧れだったので、男は待たなければならなかった)" とありますが、どうやら本当にプリンスは時が熟すまで待ち続けたようです。プリンスがマイテと出会ったのはマイテがまだ16歳の時でしたが、二人が初めて肉体的に結ばれたのは1993年の2月、マイテが19歳の時なのだそうです。マイテはこの時をずっと待ち続け、その日はウインクしたスマイル顔付きで日記を書いたことをリンクのニュース記事で明かしています。

'A week or so later I wrote in bold in my journal: February 9, 1993 - not a virgin. And I drew a winkey smiley face,' writes Garcia. 'Patience pays off.'

この部分の歌詞は、私はずっと創作だと思っていました。アルバム8曲目の「I Wanna Melt With U」に、16歳の少女の純潔を奪って "What am I guilty of? Oh no! / 私は何の罪を犯したのか? オーノー!” という歌詞があるので、てっきり16歳の頃に出会ってすぐに…と思っていたのですが、それどころかアルバムがリリースされた1992年の時点でもまだそういう事はしていなかったことになります。これは本来であれば秘密の話で、プリンス本人からは絶対に出てこないような話ですが、当時のプリンスのマイテへの想いが偲ばれます。

ちなみに、上記リンクの記事では、プリンスはマイテの体重を厳しくチェックしていたことも書かれています。マイテは一度、少し体重が増えてしまった時に、ホイップクリームを食べているのをプリンスに見られ、その週のダンサーとしての給料を差し引かれてしまったことがあるそうです (笑)

He also kept a close watch over her weight, punishing her when after she gained a few pounds he saw her eating whipped cream.
'Twenty minutes later, the tour accountant came in and said "I'm so sorry I have to dock your pay this week."'


私はこの曲はスタジオバージョンの方が馴染みがあるのですが、YouTube にはリンクがないので、1993年2月に放送された The Arsenio Hall Show のライブパフォーマンスをリンクします。ボーカルの感じや崩し方などがスタジオバージョンとは少し違います。服装も違って、こちらはばっちりゴージャスめなプリンス服です。

He realized that she was new 2 love
Naive in every way
男は少女が恋愛をしたことがないのだと気付いた
全てが無垢でぎこちない

Every schoolboy's fantasy she was
That's why he had 2 wait
彼女は全男子生徒の憧れだった
そのため男は待たなければならなかった

If he poured his heart into a glass and offered it like wine
She could drink and be back in time 4 the morning papers
もし男がワインのように自分の心をグラスに注ぎ、捧げることができたなら
彼女はそれを飲み、朝の新聞に間に合うように家に帰れることだろう


They could take a walk down the ocean side
Make a wish on every wave
二人は海辺へ散歩に行き
波が寄せる度に願い事をしてもいい

They could find a carousel and ride
Or kiss in every cave
二人はメリーゴーラウンドを見つけて乗り
あるいは全ての洞窟で口づけをしてもいい

They could contemplate the entire universe
Or just one star
Or just how far was the walk 4 the morning papers?
二人は宇宙全体について思いを馳せてもいい
あるいはたった一つの星のことでも
あるいはただ朝の新聞までどれだけ歩くのかを考えたっていい


Why is age more than a number when it comes 2 love?
Should we ask the ones who speculate
When they don't know what it's made of?
なぜ愛において年齢は数字以上の意味を持つのだろう?
愛が何であるかも知らぬままに
思案にふける者たちにでも尋ねようか

Should we ask the moonlight on your face
Or the raindrops in your hair?
Or should we ask the man who wrote it there in the morning papers?
君の顔を照らす月明かりに尋ねたらいいのだろうか
あるいは君の髪に滴る雨の雫に尋ねようか
それとも朝の新聞にそう書いた男にでも尋ねようか

Should we ask the moonlight on your face
Or the raindrops in your hair?
Or should we ask the man who wrote it there in the morning papers?
君の顔を照らす月明かりに尋ねたらいいのだろうか
あるいは君の髪に滴る雨の雫に尋ねようか
それとも朝の新聞にそう書いた男にでも尋ねようか

Somebody help me sing it now
La, la, la, la, la, la
La, la, la, la, la, la
La, la, la, la, la, la, la

La, la, la, la, la, la
La, la, la, la, la, la
La, la, la, la, la, la, la

昨年以降、様々なエピソードや過去の TV 出演動画などを通して、以前は殆ど世に出ることがなかったプリンスの情報を知ることができるようになりました。中でも私にとって魅力的に映ったのは、プリンスのユーモアやイタズラ心です。

日本では、プリンスに対してはとにかくネガティブでひねくれた人物像が作り上げられてしまっているため、プリンスのユーモラスな一面は、これまでファンの間でもあまり認知されていなかったように思います。そんな歪められた人物像からは程遠いプリンスの姿に、「全然イメージと違うじゃないか!」と心の中で叫びたい思いです。

さて、そんなプリンスのユーモアで、「思いついても普通やる???」と思ったのが、1998年の Good Morning America の TV 出演です。このインタビューの冒頭では、NPG 名義でリリースしたアルバム「NewPower Soul」のプロモ用シングル「The One」にちなんで、プリンスは、マイテという伴侶を得て、自身の生活がどのように変わったかを語ります。

Kevin: I love the notion of "The One," because in my life I think I've found my "one" ...... and it is a wonderful feeling. What to you makes it different, to feel when you've found "the one"? How is it different feeling?
私は "The One" のアイデアをとても気に入っているんです。なぜなら私自身、人生の "The One" と思える人に出会えたので …… そしてその気分はとても素晴らしいものなんです。あなたの場合、"The One" との出会いを通じてどんな変化を実感しましたか? どのように感覚が変わりましたか?

o(+>: So many different things happen 2 u when u finally connect with your soul mate. U eat better ...
私もやっとソウルメイトと繋がることができましたが、沢山の変化が起こるものですね。より良い食生活をするようになりましたし…

Kevin: She cooks meals?
彼女 (マイテ) は料理もするんですか?

o(+>: Oh, yeah. U sleep more, u want 2 stay in the house a little more. I don't record as much as I used 2.
ええしますよ。それにより多くの睡眠を取るようになりましたし、より多くの時間を家で過ごすようになりました。また以前ほど多くはレコーディングをしなくなりました。

こうして和やかに番組は進みますが、会話の中頃に突然プリンスは突飛な行動に出ます。ジャケットのポケットに手を伸ばすと、包装もされていない裸のクラッカーを取り出し、番組中にそのクラッカーをそのままモグモグ食べ始めるのです。

prince-1998-good-morning-america-1
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o(+>: I didn't have breakfast, sorry.
朝食を食べていないんです。失礼。

プリンスは、このネタをするために、わざわざ前フリで結婚を機に食生活が改善したことをアピールし、裸のクラッカーをポケットに忍ばせていたわけです。

この TV 出演のスクリプトと動画リンクは次の prince.org のスレッドに見つかります。ただし動画は映像が乱れており、確認できるのは殆ど音声のみです。

今回の記事はこれだけですが、本当になんて人なんだろう…と思いました。

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