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主にトレーニングとダイエットのブログ。それとプリンス。

「Diamonds And Pearls」は1991年の同名アルバムのタイトルトラックです。私はこのアルバムからプリンスを聴くようになりました。そんな思い出深いアルバムの中でもこの曲は、私にとってプリンスの原点とも言える曲です。

それはそうとして、個人的な思いを抜きにしても、この「Diamonds And Pearls」は大名曲だと私は思います。さらに言うと、アルバム「Diamonds And Pearls」は、1990年代以降の音楽史においても比類のない傑出した作品だと私は思っています。このアルバムは当時の批評家達から過去作品の焼き直しだとか才能が枯れただとか散々に酷評されましたが、実際にきちんと自分の耳で観賞すると、このアルバムは当時の評価とは全く正反対の作品であると強く感じます。当時の批評や個人の好き嫌いが絡むとネガティブな印象が入り込む余地が出てきますが、それらを抜きにして純粋に凄いか凄くないかで評価すると、このアルバムは間違いなく圧倒的に凄いです。個人的な感覚としては、他のプリンスのアルバムを含めても、これより凄い作品があるかどうかは分からないとさえ感じます。

脱線しそうになるので話を曲に戻すと、「Diamonds And Pearls」は凄く変わった曲です。どこが変わっているかというと、1つの曲の中で、いくつかの拍子が混在してコロコロと切り替わるところです。ポピュラー音楽のヒット曲で、こんな曲って他に存在するでしょうか? しかも、それでいてメロディーは親しみやすく、かつ風格のある美しい曲に仕上がっています。私はこの曲を長年に渡って何度も何度も聴いていますが、未だにプリンスはどうやってこんな不思議な曲を作ったのだろうという思いは消えません。当時は革新性を失ったとか時代に擦り寄って独自性を失ったとか色々言われましたが、実際は、他でもないタイトルトラックからして、どこにも類似品が存在しない唯一無二な曲をプリンスは作っていました。

ちなみにこの曲は、私にとっては殆ど初めてまともに歌詞まで聴いた英語の曲になります。当時中学生だった私は、「英語の歌って本当に韻を踏むように作詞されているんだ!」とびっくりしました (笑)。それにしても、今読んでもとても素晴らしい歌詞だと思います。


この曲はミュージックビデオも特別です。何を隠そう、これは私の最も好きなミュージックビデオです。前半の厳かな雰囲気も、中盤突如として壮大なステージと化すのも、第3ヴァースで歌詞の内容に合わせてモノクロの映像になるのも、二人の子供をそれぞれ指差し、その両手の指をひとつに合わせて愛を説くプリンスの姿も、最後のコーラスでロージー・ゲインズが超高音を出しているのに両脇の幼い子供達は特に驚きもせず澄ました様子でいるのも、私にとっては全てが特別なシーンです。その中で2つだけ GIF にしました。1つは託児所に訪れたプリンスが子供達の前で華麗にターンを決めるシーン、もう1つは顔のアップを挟んで、プリンスが踊りながら光の中に消えていく最後のシーンです。

diamonds-and-pearls-turn
diamonds-and-pearls-fadeout

プリンスはこれを真剣にやっているんだと思います。そして私はそれに感動します。

ちなみに、プリンスは元々はこのビデオにマイテを登場させる意向を持っていたようです。マイテは当時17歳で適切な年齢に達していなかったため、労働団体やら手続の関係で、"Martha / マーサ" というどこかで聞いたことのあるような名前にされて、ビデオのディレクターである Rebecca Blake (「Kiss」や「Cream」もこの人がディレクターです) に引き合わされますが、セクシーさが足りないと判断され出演は叶いませんでした。マイテはあのようなゴージャスなビデオに出演することが叶わず落ち込みますが、プリンスに "I cannot believe she doesn't see what I see" と慰められた、というエピソードがマイテの本に書かれています。


この曲で特別なのは、曲の作りや歌詞、それにミュージックビデオだけではありません。私にとって、この曲をより特別にしているのは、おとなしめなアルバムバージョンとは打って変わってドラマチックな展開になる、D&P ツアーのライブバージョンです。この曲の D&P ツアーのライブバージョンは、本当に特別です。

この曲の D&P ツアーバージョンは、まず曲の始まりから違います。バレエ音楽風の序曲に合わせてプリンスが踊り、マイテにバトンタッチする中でのドラマチックなイントロで曲が始まります。(動画リンク)。

そして圧巻なのは、最後のピアノに飛び乗っての熱いギタープレイです。アルバムバージョンに慣れ親しんだ人にとっては突然の展開で、まるで I Hate U の最後のギターソロみたいな衝撃があります (動画リンク)。

この曲は D&P ツアーの後もコンサートで演奏されることがありましたが、ピアノの弾き語りで断片が歌われるくらいで、フル演奏されたのはロージーとのデュエットであった D&P ツアーの時のみではないかと思います。これほどの素晴らしいバージョンがオフィシャルリリースされていないのは本当にもったいないことです。プロショットのある1992年6月24日のロンドンのパフォーマンスでは、プリンスは第3ヴァースの歌詞を間違えて、最初第2ヴァースの歌詞で歌ってしまっているのですが、そんな小さなことはいいから、とにかくいつの日かオフィシャルで出てほしいと切に願います。



This will be the day that U will hear me say
That I would never run away
I am here 4 U, love is meant 4 2
Now tell me, what U gonna do?
今日この日、僕は君に云おう
僕は決して逃げ出さないと
僕は君のためにここにいる
愛は二人のためにある
さあどうするのか言ってごらん

If I gave U diamonds and pearls
Would U be a happy boy or a girl?
If I could I would give U the world
But all I can do is just offer U my love
もしダイヤモンドと真珠をあげたなら
君は幸せな男の子や女の子になってくれる?
もしできるなら僕は世界だってあげる
でも僕にできる唯一のことは、この愛を君に捧げること

Which one of us is right if we always fight?
Why can't we just let love decide?
Am I the weaker man because I understand
That love must be the master plan?
僕らの内どちらが正しいのだろう?
僕らはいつも喧嘩してるというのなら
それは愛に決めてもらえばいいじゃないか
弱いのは僕の方なのだろうか
愛こそがマスタープランだと考えているばかりに

If I gave U diamonds and pearls
Would U be a happy boy or a girl?
If I could I would give U the world
But all I can do is just offer U my love
もしダイヤモンドと真珠をあげたなら
君は幸せな男の子や女の子になってくれる?
もしできるなら僕は世界だってあげる
でも僕にできる唯一のことは、この愛を君に捧げること

D 2 the I 2 the A 2 the M
O 2 the N 2 the D 2 the pearls of love
D 2 the I 2 the A 2 the M
O 2 the N 2 the D 2 the pearls of love
D に I に A に M
O に N に D そして真珠のように連なる愛
D に I に A に M
O に N に D そして真珠のように連なる愛

There will come a time when love will blow your mind
And everything U look 4 U'll find
That will be the time that everything will shine
So bright it makes U colorblind
やがて時は訪れよう
愛に心を打ち付けられ
求めるものが全て見える時が
そしてその時全てが輝きを放ち
肌の色による差別も眩さの中に消えるだろう

If I gave U diamonds and pearls
Would U be a happy boy or a girl?
If I could I would give U the world
But all I can do is just offer U my love
もしダイヤモンドと真珠をあげたなら
君は幸せな男の子や女の子になってくれる?
もしできるなら僕は世界だってあげる
でも僕にできる唯一のことは、この愛を君に捧げること

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This might be the greatest thing he's ever done!
これって彼の最高傑作じゃないかしら!

1980年代にプリンスのエンジニアを務めたスーザン・ロジャースは、プリンスが何か新しい曲を録音する度にこう思っては興奮したのだそうです。

なぜ突然こんな言葉を引用したのかというと、何と言ったらいいのでしょう? 私はブログを書くようになって以来、ひとつの曲をイヤホンやヘッドホンを使って繰り返し聴くことが多くなりました。そのたびに私も同じ思いをしているのですが、その中でもこの曲は特別かもしれません。この曲を聴くたびに、この言葉と同じ思いが止めようもなく強く湧き起こります。

「Insatiable」は1991年のアルバム「Diamonds And Pearls」に収録されている曲です。私がこのアルバムから1曲選ぶとしたら、それはこの曲かタイトル曲かのどちらかになると思います。プリンスはこの数年後に「The Gold Experience」というアルバムを制作していますが、そのアルバムを "体験" と呼ぶならば、鑑賞者を甘美な別世界に誘ってくれるこの曲もまた "体験" と呼ぶのに相応わしいと感じます。

「Insatiable」はあまり注目を浴びることがない曲なので、このような取り上げ方をするのは意外に思えるかもしれません。実際、アルバムが発表された当時中学生だった私にとって、これは取っ付きやすい曲ではありませんでした。6分39秒もあるのにサビがあるのかないのかよく分からない曲構成だし、歌詞の翻訳を見ても単なる言葉の羅列にしか思えませんでした。当時はまだビデオカメラというものを見たことがなく、「小さな赤いボタン」が何を意味するのかも分かりませんでした。当時はアルバムで最も退屈な曲という印象だったように思います。

Insatiable という単語について

当時の私にとっては、タイトルの「Insatiable」というのもよく分からない言葉でした。これは歌詞カードでは「貪欲」と翻訳されていたように覚えていますが、それではニュアンスが微妙に異なるように思います。また、そもそもこの単語に対してしっくりくる日本語はないような気もします。あまり馴染みのない単語だと思うので、まずはこの単語のイメージを掴むための説明を少しします。

ダイエットについて調べていると (ここは本来ダイエットとフィットネスのブログです)、satiate (セイシエイト) や satiety (サタイアティ) という単語を目にすることがあります。これらは insatiable と同源の単語で、食べ物や飲み物を口にしたときの満足感を表現するのに使ったりします。より一般的に使える同源の単語としては satisfy や satisfaction もありますが、それよりもこれらは特に食欲や喉の渇きに関して使われることが多いです。そして、insatiable は in- が否定を意味するので「(欲望が) 満たすことができないほど強い」ということになります。具体的な例としては、「have insatiable cravings for sweets」といったら「甘いものが欲しくて仕方がない」といった意味になりますし、曲の歌詞では次の状況は insatiable だといえます。

Even if I wasn't thirsty I would drink every drop
たとえ喉が渇いていなくても一滴残らず飲んでしまう

この部分、昔の私には "オヒヨホヨヨヨ・・・" と歌っているようにしか聴こえませんでしたが、今聴き直すとプリンスはちゃんと歌詞通りに "Even if I wan't thirsty..." と歌っていて感激します。この歌詞は、個人的には何となくジョニ・ミッチェルの「A Case Of U」の "あなたは聖なるワインのよう。私はあなたなら1ケースだって飲んでしまえる" といった表現を彷彿とさせます。私はこの曲に、「貪欲」とは違う洗練された上品さを感じます。

Insatiable のフルバージョンとオリジナルバージョン

なぜ私がこような目立たない曲に特別な思い入れを持っているのか不思議に思うかもしれません。実は私は、アルバムバージョンを聴いてこの曲に引き込まれたわけではありません。私がこの曲に特別な思い入れを抱くようになったのは、ブートで未リリース音源のフルバージョンとオリジナルバージョンを知ってからのことです。これらのバージョンを聴いて、この曲に対する私のイメージは根底から覆されました。これらのバージョンは、アルバムのバージョンでは見えなかった世界に私を誘ってくれたのです。

フルバージョン

アルバムバージョンの6:39秒よりも少し長い8分位のバージョンです。アルバムバージョンではやや唐突に "Tonight we video / No one will ever know" のヴァースに入るように感じられますが、こちらのバージョンではその前にもうひとつ、プリンスが悶えるように歌うヴァースが存在します。丁度良いところで曲に変化が発生して空気がピシッと締まるので、約8分の長いバージョンなのに、実際に聴くと逆に「短い!」と感じます。感覚的には6分39秒のアルバムバージョンよりもこちらのフルバージョンの方が短いとさえ感じます。そして、その省かれたヴァースでは、プリンスは次のように歌います。

I give in2 U up on command
Cuz if I don't my satisfaction is damned
僕は君に屈服するよ、命令されるままさ
だってそうしないと僕の満足感はダメになってしまう

このヴァースはボーカルがまた凄いのですが、歌詞だけでもこの曲のイメージがより明確になるのではないでしょうか。この歌詞と併せ、改めて全体の歌詞に目を向けると、女性が主導権を握る展開から「Do Me, Baby」や「We Can Fxxk」を思い起こす人も多いと思います。

オリジナルバージョン

これもまた8分くらいのバージョンです。このバージョンは、この曲のイメージが根っこから掘り返されて別なものが生えてくるくらい凄いです。演奏はとりあえず即興で付けたようなシンプルなものですが、「Do Me, Baby」くらいの初期プリンスを思わせる雰囲気があり、なかなか興味深いです。歌い出しの前に「フッ」とロウソクを点けたマッチを吹き消す音 (?) が入ります。そして "I will show U my xxx, if U show my xxx" のところで効果音は入りません。

こちらのバージョンで面白いのは、何といっても後半の展開です。このバージョンではプリンスは驚くほど饒舌になり、「リリースバージョンのあの台詞はこういうことだったのか!」というのがより詳しく描かれます。プリンスは驚くほど軽妙なノリで、これまた時代が遡って「International Lover」のようなおどけた雰囲気で曲が展開していきます。そして、やっぱり「Do Me, Baby」や「We Can Fxxk」などを思い起こすセリフがあったりします。

Do U mind if I hold your hand? (No)
I'm sorry, it's just that I miss U
Can U understand that? (Ooh)
手を握ってもいい? (もちろんいいわよ)
ごめん、ただ君が恋しくなって
分かってくれる?

また、オリジナルバージョンでは終盤に叫ぶ部分も違います。プリンスは叫ぶ替わりに "I'm falling, falling..." と言い、バックではピアノでガタガタガタという落ちる演出がなされ、「元々はこういう流れだったのか!」となります。"It's 2:45, we got all night / 2時45分、夜はこれからさ" と言っていたプリンスは、あれよあれよという間に落ちていき、2時49分に降参してしまいます。


仕方ないのですが、ビデオバージョンは短く編集されているため、曲はアルバムバージョンよりもさらに色々と端折られています。

オマケで、1992年6月24日のロンドンでのコンサートからです。プリンスは "I'm insatiable and I just can't stop / Even if I wasn't thirsty I would drink every drop" と歌いながらカメラに近付いていき・・・という GIF です。

instatiable-19920624_London

Turn the lights off, strike a candle
No 1 that I've ever knows how 2 handle
My body the way U truly do
Insatiable's my name when it comes 2 U
明かりを消して、キャンドルを灯そう
君みたいな人は今まで誰一人としていなかったんだ
君が僕の肉体にしてくれることといったら
君のことになると、僕の名は淫セイシャブルになってしまう

I got a jones, Martha
Oh yeah, it be like this
I can't have a hug unless I have a kiss
My body, baby, U truly do
Insatiable's my name when it comes 2 U
たまらなくなっちゃった、マーサ
そうさ、このとおりさ
キスをしなくちゃ、抱き合うこともできない
君が僕の肉体にしてくれることといったら
君のことになると、僕の名は淫セイシャブルになってしまう

Like a wildcat, Martha, in a celibate rage
I want U alone in my dirty little cage
Can U understand, Martha?
My body, baby, U truly do
Insatiable's my name when it comes 2 U
君を僕の淫らな檻に独り閉じ込めたい
禁欲を強いられ頭に血がのぼった山猫みたいにするのさ
わかってくれる、マーサ?
君が僕の肉体にしてくれることといったら
君のことになると、僕の名は淫セイシャブルになってしまう

2night we video
No 1 will ever know
We'll erase the naughty bits
I'll show my... if U show your...
I can't help it, Martha
I can't help what U do 2 me
U are my every fantasy
今夜はビデオを録ろう
絶対に誰にも内緒でね
いけない所は消し込むことにするよ
僕の…を見せてあげる
君の…を見せてくれたらね
我慢できないよ、マーサ
君が僕にしてくれることといったらもう
君は僕の夢の全てだよ

There's no tellin' how far I'd go
Cuz when it comes 2 U, I know
I'm insatiable and I just can't stop
Even if I wasn't thirsty I would drink every drop
Please baby, don't say no
Cuz I'll surely go crazy
どこまでいってしまうのか想像もつかない
だって君のことになると
僕は満たしても満たしても止まらないんだ
たとえ喉が渇いていなくても一滴残らず飲んでしまう
だからお願い、お預けなんてしないで
きっと発狂してしまうから

Ok
So all U do is push the little red button
And I belong 2 U in your little video box
Nay, don't look at the clock, yeah
It's 2:45, we got all night
But 1st U gotta tell me what U want me 2 do
準備はできたね
さあその赤いボタンを押して
君のビデオカメラで僕を好きなようにして
ダメダメ、時計なんて見たらダメ
そう、まだ2時45分、夜はこれからさ
さあ僕にしてほしいことを言ってみて

My body, baby, U truly do (Come on)
Insatiable's my name when it comes 2 U
There's no tellin' how far I'd go (This is true)
Cuz when it comes 2 U, I know
I'm insatiable and I just can't stop
Even if I wasn't thirsty I would drink every drop
君が僕の肉体にしてくれることといったら
君のことになると、僕の名は淫セイシャブルになってしまう
どこまでいってしまうのか想像もつかない
だって君のことになると
僕は満たしても満たしても止まらないんだ
たとえ喉が渇いていなくても一滴残らず飲んでしまう

So take it slow, baby, and let's unwind
Do U really want all my clothes off? (Yes)
What are U gonna do 2 prove it?
Ooh, aren't U afraid we're gonna be found out? (No)
Well, let's get on with the show
だから時間をかけてゆっくりやろう、テープを巻き戻して
本当に服を全部脱いじゃうの? (もちろんよ)
ならば本当に君が本気だってこと証明してくれるよね
誰かに見つかってしまわないか心配にならない? (ならないわ)
…分かったよ、じゃあ続きに取り掛かろう

Ooh, turn the lights down lower
Doesn't my body look good in the shadows?
Ooh, baby knows what 2 do
Have U done this before? (I don't know)
U say U want my hips up in the air? (Yeah)
Oh no, I don't care
Ooh, my body baby, U truly do
I know I could be nasty with U
明かりを少し落としてみて
影になった僕の体、ちょっと良いと思わない?
ああ、それ凄く良いよ
これって前にもしたことはあるの? (分からないわ)
僕にヒップを宙に浮かせてほしいんだよね? (そうよ)
ううん、構わないよ
ああ、君にされると僕の肉体は
君になら僕は曝け出せるよ

Oh yeah! (Up and down)
Yeah (Just like the seesaw back and forth)
Listen, I love U, baby (Oh girl, I'm falling)
I love U, baby
U are mine
U're nastier than I thought
It's just 2:49
{叫び} ああ! (上下に、前後に)
ああ (まるでシーソーのように)
ああ、愛してる (ああ落ちてしまう)
愛してる
君は僕のものだよ
君がこんなに大胆だなんて想像してなかったよ
まだ2時49分なのに…

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「Breakdown」は2014年のアルバム「Art Official Age」に収録されている曲です。この曲については感想が長くなりすぎるため、今回の記事に先立って3つの余談を書いています。

これまで色々と余談を書いてきましたが、今回は本題になります。この曲の歌詞についてです。


「Breakdown」は次の歌詞から始まります。

Listen 2 me closely as the story unfolds
This could be the saddest story ever been told
これから明かす話をきちんと心を注いて聴いてほしい
今までのどんな話よりも悲しい話かもしれないから

ずいぶんと大袈裟な歌詞に思えるかもしれません。実際、この曲の歌詞を上から下まで目を通しても、とてもそこまで悲しい内容が歌われているようには思えません。

しかし、あることに気付くと、この歌は確かにどんな歌よりも悲しい歌かもしれないと感じるようになります。というのも、この曲の歌詞は、ある曲の歌詞に重ね合わせて書かれているように受け取ることができるのです。そして、そのある曲とは「The Holy River」です。最も喜びに満ちた曲であったはずなのに、決して歌われることがなくなってしまったあの曲です。

「The Holy River」は1996年のアルバム「Emancipation」の核をなすとも言える曲です。この曲の中で、プリンスはマイテに出会うまでの人生の苦悩を歌い、マイテに結婚を申し込みます。そして二人は聖なる川を訪れ、神から魂の救済を受けます。以下に、両曲で互いを連想させる部分をいくつか挙げます。

(Breakdown)
I used 2 throw the party every New Year's Eve
1st one intoxicated, last one 2 leave
昔の僕は大晦日になると毎年パーティを開いた
真っ先に酩酊しては、最後の一人になるまで居残った

(The Holy River)
So here we go again, the self analysis
Have another glass of Port and uh.. forget this
The band's playin' at the club 2night and they're bound 2 groove
There U are, U think U're high
U can't ask yourself cuz U'd only lie
だからまた自己分析を試みる
ポートワインをもう一杯飲み… いや、またにしよう
なぜなら今夜のクラブで演奏しているバンドは最高なのだから
そしていつも通り、ハイになった自分を演じる
自分の胸に訊いても嘘で塗り固められた答でしか返せない

(Breakdown)
Give me back the time, U can keep the memories
思い出なら君にあげるよ、僕はただ時間を取り戻したい

(The Holy River)
Looking back y'all, I don't miss nothing except the time
振り返っても、時間以外に何も惜しくはない

(Breakdown)
See, there's a door that U can walk thru where there used 2 be a wall
ほら、以前は壁だった場所に通り抜けられる扉が出来ている

(The Holy River)
U can still see the picture upon the wall
One eye staring at nothing at all
The other one trying 2 focus through all your tears
壁にはまだ絵が飾られている
一つの目は全く何も見つめていない
別の目は涙の先で精一杯焦点を合わせようとしている

そして「The Holy River」は、歌詞の一部が「When Doves Cry」と重なります。「Breakdown」は、これら2曲の上に作られた歌なのかもしれない、と私には感じられます。

(When Doves Cry)
How can U just leave me standing
Alone in a world that's so cold?
なぜ僕を置き去りにできるの
この冷たい世界にひとり

(The Holy River)
So over and over U ask your soul
Why'd U come down 2 a world so cold?
だから自分の魂に何度も聞き返す
どうしてこの冷たい世界に生まれて来たのかと


「Breakdown」は非常にパーソナルな内容が歌われている曲ですが、ここで歌われる "You" とは誰のことなのか定かでありません。そもそも明確な答えが得られる類の疑問ではないのだと思いますが、色々な思いが頭を巡ります。ひとつ個人的に思い出すのは、Emancipation 期に出演したオプラ・ウィンフリー・ショウのやりとりで、プリンスが子供の頃にイマジナリー・フレンドを創り出したと語るシーンです。このやりとりは下のリンクですぐ15秒頃からです。

O(+>: Recent analysis has proved that there's probably two people inside of me. There's a Gemini. And we haven't determined what sex that other person is yet.
最近の自己分析から、僕の中にはおそらく2人の人物が存在することが分かったんだ。ジェミニがね。まだその人物の性別は確定できていないんだけどね。

(中略)

Oprah: It's literally like another personality you're talking about?
それは文字通り別の人格ということ?

(中略)

O(+>: Well, what they seem to find was that it was someone I had created when I was five years old.
どうやら分かったのは、それは僕が5才の時に創り出した存在だということなんだ。

(中略)

Oprah: Being of smaller stature, did it ever make you question yourself, question your ability to get dates, get women in the beginning?
背が低いことで悩んだりはしたのかしら? その、デートの相手になってくれる女の子を見つけるのとかで。

O(+>: No. N -- No. It questioned my ability to play basketball, because I like to hoop, but...
いや、そんなことはなかったね。バスケの能力については悩んだけど。僕はシュートを打つのが好きだから。

Oprah: Did you ever feel ridiculed as a child because of your size?
子供の頃は背が低いことでからかわれたりしたの?

O(+>: Mm-hmm.
そうだね。

Oprah: You did?
そうなの?

O(+>: Oh, yeah. All the time.
そうだね。常にね。

Oprah: And how did you handle that?
どうやって対処したの?

O(+>: That's probably when that person got created...
だから僕の中でその存在が生まれたんだと思う。

Oprah: Yeah.
そう。

O(+>: You know, somebody to care about you and love you and be your friend and not ridicule you.
自分を大切にしてくれて、愛してくれて、友達でいてくれて、決して自分をからかったりしない存在がね。

Oprah: Uh-huh. OK, what would they call you?
他の子達からは何て呼ばれたりしたの?

O(+>: Just everything they could think of - anything small.
ありとあらゆるものだね。小さいものなら何でも。


Listen 2 me closely as the story unfolds
This could be the saddest story ever been told
I used 2 want the house with the biggest pool
Reminiscing now, I just feel like a fool
これから明かす話をきちんと心を注いて聴いてほしい
今までのどんな話よりも悲しい話かもしれないから
昔の僕は巨大なプール付きの家が欲しかった
今振り返ると、なんて愚かだったのだろうと思う

U keep breaking me down, down, down
Keep breaking me down, down, down
Keep breaking me down, down, down
U keep breaking me down, down, down
君は僕をメチャメチャにしてくれる
君は僕をメチャメチャにしてくれる
君は僕をメチャメチャにしてくれる
君は僕をメチャメチャにしてくれる

I used 2 throw the party every New Year's Eve
1st one intoxicated, last one 2 leave
Waking up in places that U would never believe
Give me back the time, U can keep the memories
昔の僕は大晦日になると毎年パーティを開いた
真っ先に酩酊しては、最後の一人になるまで居残った
目を覚ますのはきまって途方もない場所だった
思い出なら君にあげるよ、僕はただ時間を取り戻したい

U keep breaking me down, down, down
U keep breaking me down, down, down
Oh, U keep breaking me down, down, down
U keep breaking me down, down, down
君は僕をメチャメチャにしてくれる
君は僕をメチャメチャにしてくれる
君は僕をメチャメチャにしてくれる
君は僕をメチャメチャにしてくれる

Every book I've read said that I would meet somebody like U
Whenever I was sorry, so sorry 4 the things I used 2 do, oh
A journal full of numbers that I used 2 go thru
1 2 3 4 5 6 7 all behind me now, all because of U
これまで読んだどの本にも書いてあった - いつか君のような人に出逢えると
過去の行いを悔やむならば、激しく悔やむほどに
番号でいっぱいの手帳をめくったのも
1 2 3 4 5 6 7、今や全ては過去のこと、君が全てを変えてくれた

U keep breaking me down, down, down
U keep breaking me, U keep breaking me down! (Down, down, down)
I don't wanna, wanna, wanna go!
No no no no! Oh-ooh! (Keep breaking me down, down, down)
Don't wanna go down... (Keep breaking me down, down, down)
Baby, baby (Down, down, down)
君は僕をメチャメチャにしてくれる
君は僕をメチャメチャにしてくれる
君は僕をメチャメチャにしてくれる
君は僕をメチャメチャにしてくれる

See, there's a door that U can walk thru where there used 2 be a wall
I don't care, it's cool as long as U catch me, baby
If there's ever a fall
The closer 2 the breakdown
The closer we get...
2 the breakdown
ほら、以前は壁だった場所に通り抜けられる扉が出来ている
何が待っていようが構わない、君が僕を掴んでくれるなら
たとえつまずくことがあったとしても
近付くにつれて
僕らが・・・近付くにつれて

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